↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
47/73

第47話 内緒にしておこう

「今話しかけたのは君かい?」

(はい、突然不快感が消え、来てみると泉が綺麗になって驚きました)

「この泉には何かあるのかい?」

(はい、汚れる前は[魔力水]を湛える泉でした。今群がっている〈フェアリー〉や精霊系の魔物には、魔力補充の場所でしたね)

「今は違うのかい?」

(汚染されて瘴気が増え、魔力が変質してしまったのです。今では〈エレメントコア〉の余剰魔力排出や、毒系魔物の住処となっていました)

「君は泉を管理してたの?」

(申し遅れました、私は森の妖精で、デメテラ様の眷属となります)

「オレは冒険者のレンだよ」

(この泉に管理者はいませんよ。森全体で女神様の恩恵に預かっていました)


 どうやら妖精はシルと同じ、中級精霊の〈ピクシー〉だね。

 話しを聞くと、泉の周りは[魔力草]の群生地で、魔力が流れ出し魔力水となったようだ。

 開拓民が[魔力草]を乱獲し、討伐した魔物を放置した結果、汚れた沼になったとか。

 それをオレが浄化した為、驚いて確認しにきたらしい。


(今は[魔力草]も見当たりませんので、今後は只の泉となりそうですね)

「[魔力草]があれば元に戻るの?」

(魔力が流れ出すまでは時間が掛かりますが、戻ると思います)

「じゃあ、試してみようかな」

(何をですか?)

「まあ、見てて」


 オレは【アイテムボックス】から、持っている限りの[魔力草]を出して植えてみる。

 次いでに魔力を泉に注ぐと、漂っていた〈フェアリー〉の光が増した。

(こ、これは信じられません。まだ薄いとは言え[魔力水]になっています)

「流石に完全復活は難しいかw」

(いえ、これならば数年で、元の泉に戻るでしょう)


 すると、泉にいた〈フェアリー〉達がオレに纏わりついてきた。

(〈フェアリー〉達に気に入られましたね。皆んなお礼を言っていますよw)

「そうなの?何か魔力を吸われているんだが」

(気に入った魔力を覚えているんですよ。かなり好かれた様子ですね)

「魔力がおいしいと思ってない?」

(当たりですw レンさん、これを)

 〈ピクシー〉は水滴の様な形の結晶をくれた。

(お礼の品です。それは森の妖精や精霊にとって、友好の証となります)

【鑑定】すると[森の雫]と表示された。

「ありがとう、他にも仲間は居るの?」

(森に点在していますが、普段は姿を隠しています)


 満足したのか〈フェアリー〉達が離れたので狩りの続きをする事にした。

「さて、行くとするよ。此処の事は内緒にしとくね」

(ありがとうごさいます。以前の人間のように、[魔力草]を取りに来た訳では無かったんですね)

「クリスタル系の魔物を探してたら、偶然見つけたのさ」

(クリスタル系の魔物ですか、いる場所に案内しますか?)

「分かるの?助かるよ」


 森のを案内して貰い、歩く事40分ぐらいで反応を見つける。

「この先にいるね、案内はもう良いよ」

(わかりました、それではご武運を)

 〈ピクシー〉が姿を消し【索敵】に反応が無くなった。

 先程の〈フェアリー〉達も直前まで反応が無かったので、姿を消す時は、別の界に隠れるのかな?


 ゆっくりと近づき、目視出来る所まで接近。

 今回は〈クリスタルウルフ〉だね。

 以前の様に弱い魔法を当て、完全体をゲット!

 どうするかはガディさんと相談しよう。

 当初の狩場から結構離れたので、戻る事にした。

 最短距離で進んだ為、数回〈フォレストウルフ〉と遭遇したので素材を確保。


 戻るとガディさんから盛大な溜息を貰った。

「レンさん、〈クリスタルウルフ〉は侯爵様に献上しましょうね」

「又、オークションに出せば、いい金額になるんじゃない?」

「レンさん、判ってて言っていますよね。目立ち過ぎると危険な事が」

「ばれたかw 最初から侯爵様へのお土産用だよ」

「しかし、何度見ても綺麗なもんですな」

「運よくゲット出来て良かったよ」

「運が良すぎる気がしますが……」

 ガディさんから疑いの目を受けたので、話題を逸らす。


「これで今回の素材集めは充分かな?」

「充分以上ですぞ!レア魔物の毛皮も複数手に入りましたし」

「後は〔クラフリ〕で分けますか」

「そうしましょう。今回も大儲けですよ」

 ガディさんは満面の笑みを浮かべる。

「〔クラフリ〕は何日くらい居る?予定が長引いたんで縮めるかい?」

「いいえ、当初の予定通りで構いませんよ。私も素材処理の対応と仕入れに時間が掛かりますので」

「了解!到着は2日後だね」

「着いたら工房を紹介しますよ」

「宜しく!」

 どんな面白い物があるか楽しみだね。


 〔クラフリ〕は王都に接し、流通も盛んで往来も多い。

 街の特産品は、家具・食器・小物・アクセサリー等で工芸の街だ。

 他領の特産品も手に入り易く、流通の要になっていて、王都の流行にも敏感らしい。


 順調に旅程は進み、無事〔クラフリ〕に着いた。

 ガディ商会の支店で素材の仕分けを行い、宿を確保してギルドに向かう。

 買取りカウンターでギルド証を見せると、解体場への案内とギルマスの登場は、お約束となってきた。


「あなたがレンね、始めましてギルマスの〈ラフティ〉よ」

「始めまして、レンです。どうやらギルド間で、情報が伝わっているのかな?」

「当たり!ギルドの買取りカウンターに来たら、解体場へ直接案内しろとねw」

「どれだけ持ち込むと思っているんだかw」

「あら、今回は少ないの?」

「前回よりは少ないかもしれないな。ここに出して良いかい」

「良いわよ、素材を見せて」


 素材を出して行くと、ギルマスの表情が変わり、ストップが掛かる。

「ち、ちょっと待って、まだあるの?」

「これで2/3ぐらいですかね」

「大袈裟な情報と思ったけど、それ以上ね。解体はあなたがやったの?」

「解体用のスキルが有るからね」

「それだけでも助かるわ。丸ごとだと何日かかるやら」

「今回はガディ商会と半々に分けたから、少ない持ち込みだと思ったんだケドね」

「半分!この量で半分と言った?」

 解体場の職員もざわつく。

「しかも〈シルクディア〉や〈ホワイトウルフ〉の毛皮が複数……とんでもないわね」


「他には侯爵様への献上品様に〈クリスタルウルフ〉が有るかな」

「ぇ゙っ、まさかでしょう。この前オークションで〈クリスタルゴート〉が出品されて、大騒ぎになったばかりなのに」

「見てみる?」

「是非!」

【アイテムボックス】から出すと、更に驚きの声が上がる。

「か、か、完全体じゃない!しかも成体」

「献上品には最適でしょ」

「極上品よ!完全体なんて、一生に一度見られるかどうかのレベルだからね」


「して、残りはどうする?まだ、数日滞在するけど」

「後日にして貰えると助かるわ。出したのも、少し持ち帰って貰って良いかしら」

「良いよ、いつ頃持ち込む?」

「3日後であればオッケーよ」

「了解。その辺りに来るよ」

「あっ、レア素材は優先で置いてってね」

「判ったよ、お金は口座に振り込んでおいて」


「す、少し〈クリスタルウルフ〉を見せて貰っても良いかしら」

「良いよ、次に来た時まで置いておくよ」

「盗難や破損が気にならないの!?」

「大丈夫、弁償して貰うから!」

「勘弁して、無理だから」

「冗談だよ、価値が判れば粗雑に扱わ無いでしょ」

「それは勿論!大事に保管するわ」

「それなら良いよ、設置したら【結界】を張るから安心して」

「ありがとう、お言葉に甘えて、堪能させて貰うわね」

「それともあげようか?」

「要らない、狙われるか取り上げられるかのどちらかよ。まだ生きていたいものw」

「www」

 ギルマスの部屋に設置し、部屋に【結界】を張りギルドを後にした。


 時間が空いたので、少し街をぶらつく。

 所狭しと店や露店が建ち並ぶ。

 ガディさんに聞いた話しだと、商業区画・居住区画・生産区画・立法区画に別れているらしい。

 露店では、観光客目当てのボッタクリもあと聞いた。

 アクセサリーの露店を覗いて見ると、ネックレス・指輪・髪飾り・腕輪の種類はあるが、どれもシンプルなデザインの物ばかり。

 彫刻や文字を刻んでいる物が高く、宝石をあしらったアクセサリーは見受けられない。

 ペンダントトップは宝石かと思ったが、ガラスの粒だったよ。


 因みに、アクセサリーの店舗を覗いても、同じ様なデザインだった。

 聞いてみると、宝石の加工は難しく、それだけで高価になるらしい。

(ビジネスチャンスになりそうだな、後でアクセサリー工房も紹介して貰おう)

 食器は、シンプルなのが露店、デザインが店舗とすみ分けがありそうだ。

 陶芸らしき商品もあり、とにかく色んなアイテムが見て取れた。


 一通り商業区画をみて回り、宿へ戻ると丁度夕飯時だった。

 宿に併設している食堂に行くと"本日のメインは唐揚げ"と書いた看板が目についた。

 〔クラフリ〕でも人気になっているのは、ちょっと嬉しいね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。