↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
39/73

第39話 引き抜き

 翌日、4人を連れて〔アルケラ〕へ向う。

 乗り合い馬車は使わず、【身体強化】の訓練とレベル上げが目的だよ。

 1日目は、森までの移動。

 2日目は、森でレベルアップ及び素材集め。

 3日目は、〔アルケラ〕到着及び素材売却。

 不足していたレベルも、全員40以上までアップ。

 森の奥で[ヒールマッシュ]の群生地があり、採取しておいた。

 [ヒールマッシュ]は[ハイポーション]の素材となるが、知られていない素材だ。

 一般に[シロタケ]と呼ばれていて、食べても苦いとしか認識されていない。

【鑑定】と【検索】があるので、[ハイポーション]のレシピもバッチリ。

 特産品にするか、レシピ公開するかは領主様と相談だね。


 4人には、道中【クリーン】のレベル上げも指示していて、全員レベル3まではクリア。

 順調ですな。

 宿を取り、ギルドで査定待ちの間は自由時間。

 鐘3つに宿の酒場集合として解散する。

 素材はレア魔物の毛皮と[ヒールマッシュ]を残し売却。

 お金は五等分として、4人とギルド運営の口座に振り込みとした。

 ギルマスは不在。侯爵様の所に行っているみたいだね。


 ミリーに明日行く事を伝えると、夕食奢ると言い出した。

 何でも、レシピの配当金が凄すぎて、少しでもお礼がしたいみたい。

 確かに、オレも毎日配当金が入っていて、働かなくても生活出来る位貯まっている。

 夕食の時に、「お金の心配が無いのは、錬金術師にとって憧れさ!」と力説してたのが印象的だった。

 どうやら他領地の貴族が、商人を使ってレシピを買っているらしい。まだまだ売れるみたいだね。


 翌日、工房へ行き自己紹介を済ませると、工房の職員が喜んだ。

 理由はレベルが高く、35階までの素材採取が可能な事で、採取を増やせるのが嬉しいみたい。

 ギルドに頼むと、品質が安定しない場合があるのと、臨機応変で欲しい素材が手に入らない。

 自前で採取すると、それぞれ欲しい素材を手に入れられるので、採取出来るレベルの人数が増えると嬉しいみたいだね。

 両手を挙げて歓迎された。


 明日は、オレの引率で40階まで連れて行く。

 素材の要望を聞いたら、目を輝かせたので、リストにして貰おう。

 4人を工房に預けて、オレはミリーさんに相談を持ちかけた。


「ミリーさん、〔サーエンド〕で工房を開いてみない?」

「なかなか魅力的な提案だね!支店かい?それとも移転が望みかい?」

「出来れば移転かな、これから多くの錬金術師が必要になるから」

「何かするのかな?」

「〔サーエンド〕の特産品開発さ。詳細は言えないケドね」


「勿体ぶらずに教えておくれよ」

「ん~~、じゃあ[ハイポーション]のレシピがあるとしたらどうする?」

「なに!!作れるのか?」

「試すのはこれからさ!レシピはオレの頭の中」

「今作ろう!直ぐ作ろう!!作らない選択肢は無い!!!」

「領主様の確認が出来てないから駄目だね。それと、特産品たから〔サーエンド〕でしか作らないよ」

「さあ、〔サーエンド〕に行こうか!」

「早いって。決めなきゃならない事あるだろw」

「判ったよ。資金もあるし、支店も考えていたからね」


 どうやらミリーさんは、元々支店を考えていたらしい。

 〔アルケラ〕での素材がマンネリ化していて、刺激が少ないみたいだね。

 新しい素材の可能性がある〔サーエンド〕は第1候補のようだ。


「こちらで、工房や器具は用意するよ。その代わり、錬金術師育成と試作品の共同開発をお願いしたい」

「ん~~、育成に時間が取られそうだね」

「最初だけ大変かな? それと、レシピは公開せず領主様預かりになるよ」

「特産品で人を呼ぶのかい?」

「そう、だから関わる人は誓約書を結ぶ事になる」

「厳しいね」


「内容は、今度確認して貰うとして、誰が来てくれそうかな?」

「勿論私さ!後2名くらいかな」

「工房の要望はある?」

「ここと同じ様なら良いよ」

「判った、探してみるよ。それとも、オレと〔サーエンド〕に行くかい?」

「それも良いね、お願いするかな。」

「判った、3日後出発だよ」

「了解、楽しみだw」


 次の日、4人を連れてダンジョンに潜る。

 目的は、40階の転移ゲート解放となる。

 25階までは引率し、26階からの戦闘は4人で行わせる。

 レベル40なのと【身体強化】があるので、40階のボスでは難なくクリア。

 一度転移ゲートで地上に戻り、野営をしながら反省会。

 翌日は、採取をメインとして31階からスタート。

 多分、50階はクリア出来ると思うが、Dランクなので安全マージンをとって40階までとした。


 オレは4人と別行動で50階層の素材集め。

 リストにちゃっかり50階以上の素材が載っていた。

 戻ったら、出し惜しみして意地悪しようかなw


 午前中に要望品が集まり、早い内に戻る事とした。

 要望品以外はギルドで買取りして貰い、後は4人を工房に任せる。

 翌日、ミリーさんと一緒に乗り合い馬車で〔サーエンド〕に向う。

 道中色々聞かれ、はぐらかしておいたが疲れた旅程だったね。

 一度屋敷に招待して、翌日物件を見る予定。


 フェイさんに案内されて物件を見ると、ミリーさんが驚いていた。

「ちっ、ちょっと!どんだけ大きな工房にするつもりだい?」

 案内された物件は、1階が元店舗、2階が住居、地下に倉庫があった。

「この店舗は…」

「レンさんの活躍で空き店舗となった物件ですねw」

 そう、案内されたのは、元アグー商会。

「これだけ大きな店舗は中々買い手が見つからないんですよ。勉強しますからお願いします」


 依頼したのは、大きなスペースが取れる物件。

 確かに、これなら1階の改装で大丈夫そう。

「ミリーさん、工房の1画を支店として使い、共同で管理しませんか?」

「それなら大丈夫かな?うちらは5人程度の広さで充分だよ」

「了解!フェイさん、改装も依頼して良いですか?」

「判りました。午後から職人を向かわせますね」


 午前中は家具や器具の確認や、住居部分と地下倉庫の使用ルールを話し、午後からはミリーさんの意見を参考に、改装部分を話し合う。

 器具は〔アルケラ〕で購入予定とし、ガディさんに頼もうかな。

 改装には10日間かかる見通し。

 領主様に面会を求めたが、侯爵様の所に行っているので不在だった。

 ギルマスも付いていったみたいだね。


「凄いねレンは!物事が次から次へと進んで行くよ」

「疲れたかな?」

「いや、楽しかった。改装まで待ち遠しいよw」

「他に気になる所はあるかな?」

「充分だよ、逆に恐縮しちゃう」

「素材が必要なら、ギルド・自警団・ガディ商会に依頼か自力採取だよ」

「了解!先ずは地固めしなくちゃね」

「オレの予想だと、一般販売は無いと思うよ」

「作る内容によるもんね」

「改装完了までには領主様も戻るから、それから本格的な動きだな」

「判った。それまで預かった4人を育てるからね」

「間に合わなかったら、〔サーエンド〕で続けて貰えるかい?」

「もっちろん!【錬金術】のスキルを覚えれば良いんだよね?誰かさんは、その日に覚えたみたいだけど」

「誰だろうね〜w」


 ミリーは明日帰るので、一応一段落。

 明日は自警団と魔法師団の様子を見ようかな。



 その頃、侯爵邸では…

「よし、やりきったぞ!あの嫌味に耐えきったぞ!」

「侯爵様はすんなり了承してくれたが、屑貴族達が厄介だったなw」

「自分達はレンを御せると言っていたのには呆れたよ」

「侯爵様の「貴殿らはどう御す?金・名誉・女ではなびかんぞ。怒りを買って領地を見放された場合、どうなるか判っておろうな」は痛快だったw」

「あぁ、全員黙り込んだなw」

「土産も利いているんだろうさ」

「何せ、ワイバーンを無傷で狩れる実力だ。しかもギルマス2人からの報告もあったからな。これで暫くは安泰だよ」


「領主様、宜しいですかな?館から連絡がありました」

「用件は何だ?」

「レン様がお尋ねになり、不在を伝えるとお帰りになったそうです。」

「もう帰ってきたのか」

「ハッシュ様にも、ギルドから連絡です」

「嫌な予感しかしないな」

「レン様が錬金術師を連れて、例の大型店舗を購入したと聞きました」

「元アグー商会の空き物件か!もう動きだしたのか」

「あやつは落ち着く事を知らんのか」

「侯爵様に【砂糖】の件は伝えた方が良いんじゃないのか?」

「はぁ、仕事を増やしおって」

「まぁ、悪い報告より良いだろうさ」

「確かにな、領地繁栄の為だな」

「お疲れさん」


 2人の大きな溜息を、〔アルケラ〕のギルマスは静かに聞いていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。