↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
37/73

第37話 決戦終了

「さて、団体戦の前にミーティングを行おう」

「レン、最初から狙っていただろう」

「何のことかな?」

「全員参加だよ!しかも人数増えてやがるし」

「ザッハ、良く判ったね」

「お前にしちゃあ不自然なんだよ。違和感しか感じねぇ」

「レンさん、そうなんですか?」

 キャロが小首を傾げて聞いてくる。


「まぁその前に、対戦はどうだった」

「はっきり言って弱い!」「拍子抜け」「逆にやり難い」との声があがる。

 予想通りの感想だった。

「だから、人数を増やしたのさ」

「どうゆうこった?」

「奢りと慢心さ。それが油断に繋がる」

「……」

「確かに君達は強くなった。でも、最初は違っただろう?」

「確かに…」

「はっきり言って、勝ち負けはどうでも良いんだ。お互い得るものがあればね。それに、最後の騎士団を見ただろ」

 ザッハは少し考え「団体戦は油断しないか…」と呟く。

「だから、団長を入れたのさ」

「レンの考えている事は判らん」

「対戦すれば判ると思うぞ」


「さて、団体戦は他のスキルと無詠唱を解禁しよう」

「良いんですか?秘密だったんじゃ」

 ギルの言い分はもっともだ。

 対戦前に【身体強化】以外のスキル禁止と、無詠唱がバレない様にと言われてていた。

「最初に出したら対策されるからね、これも作戦の内さ」

「相手が不憫に思えてきたよ」

「ゾフィー非道いなぁ、まるでオレが悪者みたいやんw さて、作戦を少し変えるよ」


 時間となり、会場へ移動する。

 両端にはフラッグが立てられ、赤と青に分かれて配置。

 ギルマスのルール説明が終わり、両陣営配置に付いた。

 騎士団は鶴翼の陣形で後ろに団長。その後ろに魔術師団が横一線に並ぶ。師団長はフラッグに付いている。

 対して、こちらは、4人が横一線。ギルとズイが両端に並び、ジンがフラッグに付いている。


「初め!」の合図に騎士団がゆっくり前進。

 ジンがフラッグを【ストーンウォール】で囲み合流する。

 横一線で騎士団に向い前進。

 騎士団と残り15メトルで、ギルとズイが【瞬歩】を使い、騎士団の横をすり抜ける。

「「「「なっ、なにぃ!」」」」

 驚いた騎士団が団員が振り向くと、後ろから各【ボール】が直撃し、3人が脱落。

 副団長が「前を見ろ、固まれ」と指示するも、団長から「私を護れ、戻るのだ!」と言われ混乱する。

 そこに、2発目の【ボール】が放たれ、2名が脱落する。さすが、副団長は避けたね。

 既に騎士団は2名となった。


 一方、【瞬歩】で魔道師団に向かったギルとズイは、両端を剣で倒すと、続けて【スラッシュ】を放つ。

 魔道師団は、魔法を唱える間もなく2名となった。

 混乱する師団長は「フラッグまで戻れ」と叫ぶが、時すでに遅く、5人目が倒れさのを目にする。

 判断が遅い。


 ギルとズイは踵を返し、騎士団へ向う。

 挟み込まれた副団長の判断は早かった。

 団長の元へ向い、防御姿勢を取る。

 魔法を躱しつつ、後ろからの2名を倒し、その後魔法師と対峙する考えだった。

 しかし、予想外の攻撃が加わった。

 師団長からの魔法が直撃しそうになる。

 魔法を躱しながら「味方に当てる気か!」ど怒鳴り、援護?を止めさた。


 更に、予想外な事が副団長を窮地に追いやる。

 戦闘職の2人が【スラッシュ】を放ち、遠距離攻撃を仕掛けてきた。

「戦闘職が遠距離攻撃だと!」

 団長が驚く間に、2発の【スラッシュ】が直撃。


 しかも、魔法職が近接攻撃を仕掛けてきた。

 想定外の連続に、副団長の動きが止まる。

 その隙に、5方向を囲み遠距離攻撃を放つ。


 3発は躱すも2発が被弾。

「まだ、戦える!」と相手を見るが、既に陣形を整えられていた。

 前衛2名、後衛3名の基本陣形。

 後衛の魔法援護と前衛のスキル攻撃に、成す術も無く倒された。

 残りは師団長ただ一人。


 闇雲に魔法を放つも、コントロールが未熟で当たらない。しかも、詠唱が長く連発出来ないらしい。

 試しに威力の低い魔法で詠唱を邪魔すると、「む、無詠唱だと!」と驚いて詠唱も止まった。


 5人が一斉に遠距離攻撃を放つ。

 派手な着弾音の後には、倒れた師団長。

 5人は師団長に攻撃を当てていない。

 近くに着弾させただけで気絶してしまった。

 悠々とフラッグを取り、勝利宣言。

 掛かった時間は10分程度。圧勝で終了。


 対戦後、領主様から声が掛かる。

「先ずは両者ご苦労。大変興味深い物を見せて貰ったよ」

「楽しんで頂けましたか?」

「レンよ、楽しめない者もいるようだぞ」

 騎士団と魔術師団が下を向く。

「お、驚いて油断しただけだ、本来の力さえだせれば…」

「ま、魔法さえ当たれば、威力は負けん」

 両団長の言葉にオレが呆れると、領主様の一喝が響き渡る。


「この期に及んで、まだ戯言を吐かすか!」

「「ヒィ」」っと両団長が黙り込む。

「レン、敗因を教えてやれ」

「騎士団は、筋力重視の訓練でスピード不足。咄嗟の対応も出来ていない。傲慢なので油断する。魔法への対処が不十分かな」

「魔道師団は、魔法の発動が遅く、精度も低い。近接戦に弱く、魔法を失敗すると打つ手無し。騎士団同様、傲慢なので油断する。多分、体力も無いんじゃあないかな。」

「これが個人戦の感想」

「まだあるのか?」

「団体戦は連携不足。いや、無いに等しいね。指揮系統がバラバラで纏まりが無い。お陰で個別撃破しやすかったよ。定型の訓練しかしてないから、イレギュラーに対応出来なかったね」

「領主として耳が痛いな」


「能力的には騎士団の副団長が高いな。後は似たりよったりだね」

「副団長、褒められてるぞ」

「レン殿、惨めにさせてくれるな。領主様、今ならレン殿の言っている事がよく判る。完敗だ」

「では、この結果を踏まえ、両団を見直そう。レンに鍛え直して貰え、お主らはまだまだ伸びるぞ!期待している」

 団員から歓声が上がるり、感極まって泣いている者も見られた。


 その後、領主様の計らいで食事が振る舞われた。

 全員参加出来る様に、立食形式だ。

 パーティーでは、謝る者、議論する者、教えを乞う者様々だ。

 対戦に出ていない4人も参加している。


「レン殿、話しをさせて貰って良いか?」

「良いよ、えっと…」

「自己紹介がまだだったな、副団長をしていた【ゼフ】だ」

「改めてレンだ。殿を付けるのは止めてくれ」

「判った、それにしてもレンの言葉が一番効いたぞ」

「ちょっと言い過ぎたかな? 団員のプライドを折りたかったんだ、許してくれ」

「それは構わん、本当の事だから応えたのさ」

「皆んな、気落ちしてないかい」

「逆だ、やる気を見せている。短期間で伸びた実例を見せられたからな」

「それは良かった」


「あれはスキルを使ったのか?」

「そうだよ、【身体強化】【瞬歩】【スラッシュ】を覚えさせた」

「聞かないスキルだな?てか、バラして良いのか?」

「良いんでない?これから覚えるスキルだし」

「確かにw」

「領主様の言う通り、皆んなまだまだ伸びるよ」

「おぅ、期待してるぜ、レン教官」

「教官と言わなけりゃ教えるよw」

 握手を交わし、ゼフはザッハの所に向かって行った。


 程なくして領主様に呼ばれ、別室に案内される。

 部屋にはギルマスと領主夫人が同席していた。

「レン、此度の対戦見事だったぞ」

「やり過ぎたかな?」

「あれくらいが丁度良い、両団長は解任する。お陰で問題が片付きそうだ」

「今迄出来なかったのかい?」

「大きな問題が無く、しがらみもあったのでな。心配するな、相談役として現場を離れて貰うだけだ」

「それは良かった。して、新しい団長は?」

「レンが決めて良いぞ」

「はっ?越権行為では?」

「私が任命すれば問題無い。」


「現場の能力はレンが一番判ってるだろ?」

「ギルマス、オレは適性しか判らないよ」

「普通、それが難しいんだよ!」

「そうなの?」

「お前なぁ…それと、教えたスキルは何なんだ?」

「全員に【身体強化】、戦闘職に【瞬歩】【スラッシュ】、魔法職に【ボール】【ウォール】、他は生活魔法だよ」

「呆れて物も言えんな。良く短期間で…」

「皆んな頑張ったからね」


「メンバーは騎士団や魔法師団に入れるのか?」

 領主様からしてみれば、当然の質問だね。

「ギルとキャロは戻すよ。元々団員だからね」

「他は?」

「独自の組織を立ち上げようかなと」

「独自の組織?」

「自警団さ、〔ブラクス〕の憲兵隊の様なもの」

「活動は?運用出来るのか?」

「街の巡回や雑用、魔物退治、低レベルの護衛かな?ギルドの依頼や素材を売って、資金調達の予定。最初は資金が掛かるケドね」

「効果は?」

「騎士団と連携で街の治安向上、低レベル冒険者の育成、貧民街の雇用と所得改善って所かな」


「そこまで考えてるのか」とギルマスも驚く。

「貧民街はね、仕事があれば変わると考えてる。だから、新しい雇用の拡大が必要なのさ」

「確かに、それだと既存の雇用と被らんな」

「スキルや習得方法の流出は考えているのか?」

「誓約書で強制するか、信用するかだね。ここの特別とするなら誓約書かな?」

「誓約書ならスキルの悪用も防げるか…」

 領主様が考え込む。

「スラムの改善は願ってもない。協力しよう」


「領主様にお願いして良いかい?」

「何だ?」

「貧民街の住民は、スラムと言われる事が嫌みたいだから、使わないで欲しかな」

「俗称だったな。判った気をつけよう」

「ありがとう。お礼に、【砂糖】の計画も教えるよ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。