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第33話 サーエンドに到着

 早速市場へ向い、追加の材料を購入。

 果物・野菜・肉・調味料を爆買いして教会へ戻る。

 調理場を借りて、料理を作っていく。

 レパートリーは少ないながらも、手持ちの材料で[ステーキ][サラダ][シチュー][スープ][唐揚げ][ホットケーキ][肉野菜炒め][薄肉のソース焼き][玉子焼き][シャーベット][唐揚げパン][エッグサンド][ポテサラサンド][ポテトサラダ][ゆで卵]を出来た側からアイテムボックスに入れていく。

 今回は、孤児院の子供達、教会や治療手伝いの関係者、神様と合わせて100人位の目安で調理。


 孤児院の子供達から食べさせて、次は協力者に提供。

 協力者には家族も呼んで食べて貰う。

 人数が多くなるので、バイキング形式で好きな料理を取ってもらおう。


 上位貴族について院長に聞くと、ロイフェル伯爵だと教えてくれた。

 〔アグリカ〕領主様の弟で、兄弟の絆は強いらしい。

 驚くことに、奥さんと子供2人を呼んで、食事に参加してくれた。

 お礼がしたいと言われ丁重に断わったが、素直に引き下がってくれて良かった。

(若くして家督を継いだから、考えが柔軟なのかな?)


 院長とシスターにも、バイキング形式で提供。

 手が空いた順に食べて貰い、交代で食事を済ませた。

 夕方には、訪ねてくる患者も居なくなったので、院長が見学者も帰らせ終了を宣言した。


 最後に神様へのお供えをする為、院長に許可を貰った。

 シスターにも協力して貰い、女神像の前に料理を並べる。

 怪訝そうな表情で手伝ってくれたけどねw

 さて、お祈りしますか。


(女神様、お待たせしました。お供えお納め下さい)

(ぅわぁ、美味しそう!)

(何柱の神様が居るか判らなかったが、料理足りるかい?)

(ありがと〜、充分だよ!早速みんな覗いてるよw)

(こっちは落ち着いたので、神様も打ち上げしたら良いよ。)

 頭の中に、(いゃっほ〜!!)と複合の声が聞こえた。


 料理が目の前から無くなると、初めて聞く声が響く。

(お主がレンか、此度の対応済まなかったな)

(初めまして、厄神様ですか?)

(そうだ、主神に無理を言って話させて貰った)

(俺にも原因がありましたので、気にしないで下さい)

(いいや、未熟な私のせいさ。お詫びにレンとレティシアには、スキルを授けよう。後で確認すると良い)

(ありがとうございます)

(では、失礼するよ)


 突然の声掛けに驚いていると、女神様から声が掛かる。

(どうだった?)と、何かを食べながら話しているのが判る。

(お礼を言われたよ。それとスキルをくれるってさ)

(どれどれ…成る程、面白いかも)

(何のスキルだった?)

(それは後のお楽しみ!特にレティシアにはピッタリだよ)

(そうかい、なら良かった。一番頑張ってたからね)


(教会の人にも感謝だね。どれ、〔サーエンド〕の時と同じく、祝福を授けるね)

(神様に怒られるんじゃない?)

(大丈夫!一緒に宴会してるからw)

(なら良いかw)

(今回は本当にありがとう。又、何かあったら協力してね〜)

(程々にな)

(じゃあ、料理楽しんでくる!まったね〜)


 目を開くと、驚いた院長やシスターが固まっていた。

 苦笑しながら、レティシアにスキルの事を話す。

「レンさん、【ディスペル】がスキルに加わっています」

「オレも同じスキルを貰ったよ。どうやら、呪いを解くスキルだな」

「初めて聞くスキルです」

「怪我・病気・呪いに対応出来る様になったら、本当に聖女様だよw」

「なら、レンさんは聖人ですか?」

「いや、オレは只の冒険者だw」

「説得力ゼロですねw」

「さて、院長とシスターを戻すか」

「ですねw」


 固まっている皆んなを我に返し、祝福の話しをすると、何故かオレにお祈りを始めたよ。

 皆んな興奮して、何を言っても聞いてくれない。

 落ち着くまで、オレは銅像になっていた。


 翌日、ギルマスに治療の終了を報告をすると、領主様からも報奨があると聞かされる。

「伯爵様からの口添えもあったらしいな」

「申し訳ないね、お礼言っといてくれる?」

「それで良いのか?欲が無いな」

「お金なら充分あるからね。そうだ、素材買取りしてね」

「いいぞ、解体場で出してくれ」

 解体場で素材を出すと、途中でストップが掛かる。

「ギルドを破産させる気か!」と言われたけど、言い掛かりだよね?

 レティシアの口座に半分入れて貰うように頼み、明日〔アグリカ〕を発つ事を告げた。

 素材は半分位残ったので、〔サーエンド〕で買取りして貰おう。

 一部の毛皮はガディさんへのお土産にするかな。


 翌日、乗り合い馬車で〔サーエンド〕に向う。

「レンさん、色々と教えてくれて、ありがとうごさいました」

「お礼はいいよ、頑張ったのはレティシアだからな」

「最初は【ハイヒール】を教えて貰う予定でしたね」

「すまんな、自分の考えが他に通用するかを試したんだ。レティシアは見事に応えてくれたよ」

「これからどうするのですか?」

「暫く〔サーエンド〕にいるよ。試したい事があるからね」

「私もお手伝い出来ますか?」

「その内お願いするよ。」

「その時は是非声を掛けて下さいね」

「あぁ、頼むよ。厄介事も片付けなきゃならんしな」

「厄介事ですか?」


「多分、今回の聖女様騒動は、王家や貴族の耳にも届くだろう」

「ですよね〜」

「まぁ、〔サーエンド〕に帰ったら、ギルマスに相談だね。領主様にも報告かな?」

「ひと騒ぎありそうですね」

「なるようにしかならんさw」

「院長に何と説明したら良いのでしょうか…」


 魔物の襲撃も無く、数日して〔サーエンド〕に到着。

 今日はゆっくり休み、明日ギルドへ報告する予定とした。

 翌日、教会に寄りレティシアとギルドに向う。

 ギルドに入ると職員が"ビクッ"とし、奥に走り出す。

 奥から、フェイさんが現れた。相変わらず素敵な笑顔だね。


「おはようございます、レンさん。〔ブラクス〕から戻られたのですね。お帰りなさい」

「ただいま。昨日着いたばかりだよ」

「それで、今日は奥ですか?作業場ですか?」

「両方!」

 途端、ギルド職員が作業場に走る。

「では、作業場から先にどうぞ。お連れ様もご一緒で?」

「あぁ、紹介するよ。南教会シスターのレティシア」

「レティシアと申します」

「こちらは、ギルドで専属対応してくれるフェイさんだ」

「何回か依頼を受けて頂いてましたね。フェイと言います」

「今回の依頼を一緒に受けていたんだ。買取り素材の半分は彼女の物だよ」

「では、ご一緒に解体場へ案内しますね」


 解体場に素材を出すと、感嘆の声があがる。

 どうやら、あまり持ち込まれない素材があるらしく、珍しいみたい。

「しかし、いつもながら量が多いな。品質は問題無く極上だ!」

「半分はレティシアの口座に宜しく。後、オレの分で毛皮と食肉の一部は持って帰るよ」

「了解した。持って帰る素材を教えてくれ。ある意味助かるw」

 仕分けを行い、査定は後で教えて貰う事として、応接室に移動。


 応接室では、ギルマスが待っていた。

「よぉ、帰ってきたなトラブルメーカーw」

「会っていきなりだねw そんなに仕事増やしたい?」

「ギルマス、不用意な発言しないで下さい!」

「軽い挨拶じゃねえか、そんなに怒るなよ。まんざらウソでもなさそうだしな」

「えっ、それはどういった…」

「初めまして聖女様。オレはギルマスのハッシュだ」

「初めまして、レティシアと言います。只のシスターですよ」

「聖女様といったら、〔ブラクス〕と〔アグリカ〕で奇跡を起こしたと噂された…」

「なっ、トラブルメーカーだろ?」

「心外だね!否定はしないけどw」


「そうだレン、領主様からの謝礼と家が決まったぞ」

「あっ、忘れてた。家をくれるんだったね」

「後で案内させるよ。して、領主様と合う必要は有るのか?」

「多分、レティシアの事でね」

「判った、午後から行くぞ!」

「手回しが良いね?どうして?」

「聖女様の噂を聞いて、十中八九レンの仕業と予想したのさ。戻ったら直ぐに招待しろとのお達しだ」


「判った、レティシアも良いかい?」

「私が領主様に会っても良いのですか?」

「今回は主役だよw」

「こんなに目立つなんて思っていませんでした」

 レティシアは、なぜか深い溜息をついた。

 ギルマスとフェイさんは、頷いてるし。

「手土産無いよ?」

「要らんぞ?呼ばれた冒険者は、手土産なんぞ用意出来んからな」


 昼食を取った後、ギルドの馬車で領主邸に向う。

 門では、連絡が行っていたらしく、簡単な確認で通された。

 応接室に案内され待機。レティシアは緊張しっばなしだね。

 少ししてドアが開き、領主様が入ってくる。

「やぁ、レン久し振りだね。頭をあげなよ」

「お久し振りだね領主様。家を頂いてありがとうごさいます」

「まだ、見てないのかな?きっと気に入るよ。して、そちらが聖女様かな?」

「は、はっ、初めまして。レティシアと言います」

「緊張しなくて良い、噂は聞いているよ。レン、勿論教えてくれるよね」

「ここで良い?」

「場所を移そう」

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