第27話 ダンジョンミッション
護衛依頼最終日の朝、朝食を取りながら、打ち合わせを行う。
早ければ、鐘2つ過ぎに〔ブリンク〕に到着。
ガディ商会の支店で素材を渡して終了。
素材のお金は、後で振り込まれる事となった。
ゲイルは[エッグサンド][ポテサラサンド][唐揚げサンド]を一心不乱に頬張っている。
(ありゃあ、聞いてないなw)
〔ブリンク〕までの道中、魔物が出たらレティシアの【ライトウォール】の練習をさせて貰う。
素材は充分あるから、討伐はしないで追い払う事としたよ。
草原では、強い魔物は出ないからね。
最初はぎこちない使い方も、3匹目には慣れてきた。
問題はなさそうでなにより。
予定通り、鐘2つ過ぎ〔ブリンク〕に到着。
「レンの飯が食えなくなる〜」と嘆くゲイルに笑いが起きる。
用意していた[おにぎり]を渡したら、「オイラの嫁になってくれ〜」と頼まれたので、「ごめんなさい」と断わった。
ガディさんと別れギルドへ向う。
ギルドでは、ピックとゲイルの素材を引き渡し。
一部素材を残して、新装備の素材に使う予定らしい。
ギルドの買取りカウンターで、素材の量を伝えたら、解体場に案内された。
素材の量にギルド職員が唖然とする。
ピックとゲイルと‥なぜかレティシアまで誇らしげにしているのが見えた。
最後に〈カラードワイバーン〉を出すと、ギルド職員が走り出す。
(ギルマス呼びに行ったかな?)
少しすると、1人の男性が走り込んできて、〈カラードワイバーン〉を見るなり「すげぇ」と目を輝かせた。
「挨拶が遅くなった。ギルマスのレイトだ」
「初めましてレンです」
「初めましてレティシアと言います」
「ピックとゲイルも一緒か」
「あぁ、一緒の依頼を受けててな」
と軽く挨拶をした後、応接室に移動した。
(ギルマスは名残惜しそうだねw)
「して、あの〈カラードワイバーン〉をどうする?」
「オークションに出して欲しい」
「確かに、ギルドで買取れないな。献上品も最近〈カラードワイバーン〉の金が、侯爵様に持ち込まれたと聞いた」
「だから、オークションで金に変えてくれ」
「ピックよ、簡単に言うがな。あの〈カラードワイバーン〉は一番の話題になるぞ。なにせ、全く傷が無い完全体だ!」
「良い金になりそうだなw」
「判ったよ、ギルドの手数料は5%だ」
「相談なんだけど、手数料10%にするから、出品者を内緒に出来るかい?」
「ギルドとしては有り難いが、何か訳ありか?」
「面倒臭いだけさ」
「違いないw 知られれば集ってくるな」
話しを進め、オークションに出す事となった。
ギルドの手数料10%、オークション側手数料10%を除く残りを、5人均等割で決まる。
オークションは20日後、南領都【サウザリアン】で出展となった。
早速【保存】を掛けて状態を保つ。
ギルマスは、「すげぇ」を連発して、〈カラードワイバーン〉に魅入っていた。気持ちは判る。
手続きが終わり解散。
「レン、今回もありがとな」
「また、機会があれば誘ってくれ」
「御二方、お世話になりました」
「またな」と別れる
今回、オレとレティシアの素材は買取りに出さず、帰りの〔アグリカ〕で出す予定。
一度に出さず、値崩れを抑える提案をしたら、ピックとゲイルに感謝されたね。
さて、依頼ボードを見てみますか。
依頼ボードには、鉱物採取・魔物討伐・護衛依頼が貼られでいる。
ボードの隅に募集のコーナーを発見し、覗いてみると前衛や盾役が多い中、回復職の募集があった。
[【ヒーラー】か【錬金術師】、D〜Cランク、1名募集。ダンジョン採掘で回復要員。スポット参加可能。報酬は要相談]の内容。
早速、用紙を剥がしカウンターで詳細を聞く。
依頼主は〈ゴブルの鍛冶工房〉。
回復役が病気で、変わりの回復役を募集。
ダンジョン中層の鉱物採取予定。
レベル的にも問題なさそうだし、紹介して貰う事とした。
場所を聞いて工房へ向う。
大きな建物に、そびえ立つ煙突が印象的だ。
「こんにちは、誰かいますか?」
扉のノックを叩くと、中から声がする。
「今出りゅよ〜」とドアを開けるのは、まだ若い男の子。
「ギルドからメンバー募集の紹介で来ました」
「あっ、どうぞどうぞ」と中に案内される。
「もう少しで親方が一段落すりゅんで、ちょっと待っててくりょ」
独特な喋り方をする男の子に、案内され応接室で待つ。
応接室の棚には、鍛冶に関する本と、トロフィーが並んでいた。
結構、名のある工房みたいだね。
少ししてドアが開き、小柄な男性が入ってくる。
立派な髭を蓄え、ガッシリとした体格はドワーフなのだろう。
「またせたな、工房主のゴブルだ」
「初めまして、レンです」
「初めまして、レティシアと言います」
「堅苦しい話し方は要らんぞぃ。儂が話せん」
ガハハと豪快な笑いに、口元が緩む。
「して、どっちが依頼を受けるんじゃ?」
「私です。【ヒーラー】Dランクです。」
「お前さんは、保護者か?」
「連れだけど、今回は訓練の付き添いだな」
詳しく内容を確認して合意する。
レティシアを含めた4人で、ダンジョン中層の鉱物採取。[鉄][銀][魔鉱石]が狙い。
30階層で採れ、レア鉱石が出たら上乗せ有り。
大体2日間の予定となった。
ダンジョンは明日から潜るが、レティシアは1階からなので、この後20階まで進む約束をした。
ダンジョンは街の少し外れにあり、ダンジョンの近くに作られた街で有名だよ。
早速、2人でダンジョンに潜り、20階のボスを目指す。
まぁ、【オートマッピング】と【索敵】があれば楽勝だよね。
最短距離を進み、20階のボスと戦闘。
10階ボスは〈ホブゴブリン〉、20階ボスは〈ハイオーク〉と〔アルケラ〕のダンジョンと同じだった。
【ライトランス】と【ライトウォール】の良い練習台だったね。
あまりにも早く進んだ為、30階までクリアすることに決めた。
25階から〈ロックゴーレム〉が出現し、〔アルケラ〕ダンジョンとの違いが出てきた。
ま鉱石のドロップ品が多いのは、鍛冶の街所以だね。
30階までに、〈ロックゴーレム〉〈アイアンゴーレム〉〈カッパーゴーレム〉〈アメジストゴーレム〉を倒し素材と[魔石]をゲット。
30階ボスは〈ジャイアントスネーク〉を倒し終了。
帰りに〈ゴブルの鍛冶工房〉に寄り、30階クリアを伝え今日は終了。
宿併設の酒場で、夕食を取り解散とした。
次の日、〈ゴブルの鍛冶工房〉に行くと、工房前で2人が待っていた。
挨拶をして、軽く自己紹介をする。
1人目は【トリ】。馬人族でCランク。【掘削】【槍術】のスキル持ち。今回のリーダーを努める。
2人目は【ケラ】。竜人族でCランク。【鍛冶】【剣術】のスキル持ち。
3人目は【トプス】。ドワーフでDランク。【粉砕】【斧術】のスキル持ち。いつもギリギリに来るらしい。
3人は共に17才で、工房の職人として働いており、素材の採取は、新人の役目みたいだね。
何故か3人は、最初から親近感が湧いて、気が合うと紹介された。
(何か判る気がしたよw)
鐘1つが鳴る頃、トプスがやって来た。
「おはよう、今日も頑張りょうね」
ドアを開けてくれた青年がトプスだった。
オレは、危険にならない限り、干渉しない旨を伝え、4人を見送った。
レティシアには、課題を与えてた。
課題といっても、イメージして【ヒール】を使う事。
考えが正しければ【ハイヒール】を覚える近道になると考えている。
レティシアには言ってないけどね。
メインの採掘場は33階、35階。余裕があれば36階でも採取予定らしい。
先ずは33階を目指すのかな?
オレは、メインルートから外れた所で、狩りをする予定。
4人の状況は、【オートマッピング】と【索敵】て把握しながら、オレはオレで楽しむ事にした。
〔アルケラ〕ダンジョンの[水晶]と同じく、〔ブリンク〕の採掘場では、[鉱石]が集中している。
採掘場以外でも[鉱石]は採れるが、運任せな所が強い。魔物も出易いしね。
少し広いスペースに入り、【サーチ】を使う。
点在する光点をタップすると、[鉄鉱石][銅鉱石][亜鉛鉱石][魔鉱石][???]が表示される。
([???]は何だろう?)
試しに掘ると[ガーネット]をゲット。
宝石も出るみたいだね。粒はビー玉位の大きさで、小さい方かな?
ここでは、[魔鉱石]を採取して次に向う。
3カ所周り、[サファイア][ルビー][アメジスト][魔鉱石]をゲット。宝石をメインに採掘したよ。
3カ所目で【採掘】のスキルをゲット!
掘るのが楽になったね。
4人に合わせ、32階に降りる。
32階では5か所を周り、宝石と[魔鉱石]、[聖鉱石]をゲット。
新しい宝石は、[アクアマリン][オパール][トパーズ]が採れた。
[聖鉱石]を【鑑定】すると、[聖力を内包した鉱石]と出た。[魔鉱石]が[魔力を内包した鉱石]と出たから、魔力の他にも聖力があるのかな?
(後で、工房主に聞いてみよう)
4人は33階に降りて、無事採掘場に到着。
トリが掘って、トプスが回収。ケラが見張りの役割分担かな。レティシアは回収を手伝うみたいだね。
33階でも[聖鉱石]をゲット。以外と採れるのかな?
確かに、採掘場以外では【サーチ】が無いと難しいと感じた。
まばらな上に上側が多く、見つけるのは難しいかも。
33階の採掘場は2箇所あり、順調に進んでいる。
33階の魔物は問題無いと判断して、隠し通路を探すが、33階は見つから無かった。
34階では、少し魔物に苦戦した場面もあったが、無事4人でクリア。
やっぱり、複数体の対応は時間が掛かる。
レティシアが【ヒール】を使う頻度が多く見られたよ。




