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第23話 ブラクスまでの道のり

 翌朝、[肉]の調達と料理の仕込みを行い、落ち着いた頃合いにギルドへ顔を出す。

 ピックとゲイルの情報を聞くと、〔サーエンド〕に戻っていた。

 北の教会査察時にも居たらしく、すれ違いになったみたいだね。

 今日は、討伐依頼を受けているみたいで、戻るのは夕方かな?

 ガディ商会の予約をお願いして、ギルドに伝言を頼んでおいた。

 [夕飯奢りのお誘い。鐘3つ〈熊の住処〉酒場で待つ。 レン]

(さて、来るかな?)


 鐘3つと共に、2人はやって来た。

「やほーレン、お久だね〜」

「久し振りだな、レン」

「久し振り、ゲイルもピックも元気してた?」

「おぅよ!奢りと聞いて、更に元気出たぜぃw」

「それは良かったw」

 軽く挨拶をして、近況を確認した。


「えっ、Bランク?オレらと会った時は、Dランクだったよな?」

「えっ、あの一斉検挙の時、領主様の護衛してたのか」

 ピックとゲイルが目を丸くする。


 2人は、武器と防具のフルメンテ後、〔サーエンド〕に戻り、のんびり依頼を受けていた。

 ギルド受付で、一斉検挙の要請を受け参加したが、呆れた状況だったみたいだね。

「冒険者は手を出すな。ここは我ら騎士団が先陣を切る」

「騎士団に先を越させるな。魔法師団こそ先陣に相応しい」

 と連携フル無視で進み、冒険者は呆れて後方支援に徹したらしい。

「領主様も頭を抱えていたよ」

「だろうな」


「で、今日呼んだ要件は何だ?」

「2人はガディさんの護衛依頼受けないの?」

「暫くゆっくり依頼を受けようと思ってな。遠出の依頼を受けていないんだ」

「それは残念。また一緒に旅が出来ると思ったのに」

「「!!」」

「オレも同行するから、声掛けてみようかと思ったけど仕方ないか」

「「それなら話は別!!」」

 綺麗にハモるねw


「ガディさんからは、1日狩りの日を取って欲しいと、お願いされてるから、依頼期間伸びるかもしれないしね」

「いゃあ、護衛依頼受けたくなったな〜」

「充分休養したから、そろそろ本格的に動かないとな」

「2人共現金だねw」

「「当たりの依頼を逃してたまるか!」」

 ホント息ビッタリwww


「依頼埋まっちまったかな?」

「ギルドに3人分予約しといたから大丈夫だよ。あと1人は、オレの知り合いで良いか?」

「ありがたい、明日早速依頼を受けるよ」

「狩りの分配は、4人の均等割でOK?」

「「文句無し!!」」

「食事もお願いされてるから任せて!」

「「最高!!」」

 2人は、新しい武器や防具の皮算用を話してたよw


 翌朝、オレは南の教会に向かった。

「院長とレティシアさん居るかい?」

「ちょっと待っててね、呼んでくる」

 少しして、中に案内された。


「レンさん、今日もお祈りですかな?」

「いいや、レティシアさんに提案があって来たんだ」

「私に?何でしょう」

「レティシアさんは冒険者登録してたよね」

「はい、今はDランクですね。薬草採取や乗り合い馬車半額がありますので、登録はしています」

「それは好都合。院長、レティシアさんを護衛依頼に連れてって良いかい?」

「私をですか?戦闘に役立ちませんよ」

「それは大丈夫。お礼をしたかったのさ」


 訝しむ2人に訳を理由を話した。

 レティシアさんのお陰で【ヒール】を覚えた事。

 レベルと熟練度が上がると【ハイヒール】を覚える事。

 知り合いばかりだから、気兼ね無く誘える事。


「安全も保証するよ」

「レンさんには、ご恩がありますので、宜しいですよ。レティシア次第ですね」

「是非参加させて下さい。もし【ハイヒール】を覚えられたら、更に多くの人を助けられます」

(おおぅ、崇高過ぎて眩しい)


「孤児院の運営は大丈夫?」

「はい、北の教会閉鎖中、シスターが振り分けられていますので」

「よし、決まった。ギルドで受付しよう」

「宜しくお願いします」


「はいコレ、支度金。余ったら寄付でOK」

「き、金貨10枚‥‥レンさん、有り難いですけど、多過ぎます」

「護衛依頼は〔ブラクス〕までで、ちょっと遠いからね。あっ、旅の間、料理はオレが作るから、食料は最小限で良いよ。なんなら要らないかも」

「何故ここまで良くして下さるのですか?」

「確かに胡散臭いよな。理由は‥‥」

「「理由は‥?」」

「オレにも判らんw」

 院長が盛大にコケてくれた。グッジョブ!


「多分、応援したいってだけなんだろうな。オレ自身判ってないよw」

「変な人ですねw」

「変はひどいなぁ」

「ゴメンなさい、ありがとうございます」

「じゃあ、護衛の時宜しく。その時に他の2人を紹介するよ」

「宜しくお願いします」


 これで準備はOKかな?


「おはようございます。ガディさん、レンさん宜しくお願いしますね」

「シスターレティシア、おはようこざいます。」

「おはようございます。レティシアさん早いですね」

「ちょっと楽しみで、早めに来てしまいました。それと、呼び捨てでお願いします」

「了解!」


 間もなくして、ピックとゲイルもやって来た。

「初めまして、レティシアと言います。Dランク【ヒーラー】です。宜しくお願いします」

「初めまして、オレはピック Cランク【剣士】だ」

「宜しく、オイラはゲイル Cランク【レンジャー】」

「おっ、ゲイル。Dランクに絡まないのか?」

「もう勘弁してくれ。それより、この美人さんはレンの良い人かい?」

「そうだよ!だから手を出すなよ」

「ちょ、ちょっとレンさん!」

「あっ、ゴメン。内緒だったっけか」

 レティシアの顔がみるみる赤くなる。

「さて、冗談はこの辺までにして、出発前の打ち合わせするか。」


 ボソッとゲイルが「容赦ないな」と呟き、ピックが「かわいそ〜」と哀れんだ。

 レティシアは「ホントでも‥‥」と聞き取れない声で囁いた。


 日程・道程・狩場を確認し、出発となった。

 荷馬車の中では、フォーメーション・素材配分・優先素材の確認を行なう。

「あのぅ、野営のローテーションはどうなりますか?」

「レンと一緒の時は不要だぜ」

「最初の時は疑ったがな」

「「あり得ない!」の連発でしたなw」

「オレの【結界】で魔物は防げるから、野営は要らないよ」

 不思議そうな顔をしてるけど、夜になれば判るか。


「レティシアはオレと組んで、レベルと熟練度アップだね」

「なんか、ズルしてるみたいで、気が引けるのですが」

「普通はNG、実力が伴わないからね。レティシアは教会での回復がメインだから、今回はスキル優先!」

「レンから説明は受けてるよ。オレらも教会の【ヒール】には世話になってるからな」

「そうそう、しかも【ハイヒール】まで使える様になれば、オイラたちも助かるさ」

「ありがとうございます。皆さん、どんどん怪我して下さいねw」

「ひでぇ、普通逆だろw」

 出だしは和やかに進んでいた。


 〔ブラクス〕までは魔物も少なく、順調に進む。

 乗り合い馬車より早く進み、今日は〔ブラクス〕寄りの街道沿いて野営。

 それぞれ野営準備を行う。

「さぁ、お楽しみの飯だぜぃ」

「昼に食べた[エッグサンド]も食べ易くていいな」

「〔アグリカ〕で人気のサンドは、全てレンさんの発案ですよ」

「レンさんは、何でも出来るんですね。【結界】を見て驚きました」

「ありゃあ、化けもんさ。人間と思っちゃいけねぇ」


「ほ〜、ゲイルは化けもんの作った食いもんは、要らないとみた!」

「げっ、いつの間に後ろに‥‥レン様は化けもんでは無く、神様ですよ〜〜」

「手のひらを返すの早っ!飯出来たよw」

「待ってました、何作ったの?」

「[肉野菜炒め][唐揚げ][シチュー][パン]だよ」

「[唐揚げ]大好き〜〜」

 ゲイルはムードメーカーだねw


 レティシアは、初めての料理に驚いていた。

 お祈りをしてから食べるのはシスターらしい。

「ガディさん、〔アグリカ〕で果物調達して良い?」

「良いですよ。明日[シャーベット]期待しますね」

「了解だよw」


「皆さん、気心知れた仲なんですね。何度も一緒に、依頼受けているんですか?」

「レンとはこれで2回目だぞ。ガディさんの護衛は数回あるがな」

「私も2回目ですよ、前回一緒になったメンバーですね」

「えっ、それにしては打ち解けてるような‥」

「レティシアも依頼終了したら判るぞw」

「最初は驚きの連続だぞw」

「狩場は楽しみですな〜」

 それぞれ好き勝手に言ってるね。ガディさん、目が金貨になっていますよw


 食後、レティシアの魔力確認を行う。

「レティシアは【魔力感知】は出来る?」

「はい、持ってます」

「じゃあ、【魔力操作】は?」

「ありますよ」

「OK!ではコレ出来る?」

 オレは魔力ボールを両手から出した。

「!!それは無理ですね」

 大体の状況が判ったので、【魔力操作】の練度を上げる。


 身体中に魔力経路を這わせる事からスタート。

 地面に簡単な絵をかき、魔力経路の這わせ方をイメージさせた。

 今日は両手・両足まで出来たよ。【ヒール】が使えるから飲み込みが早い。

「明日の移動中も、魔力経路を這わせる訓練、継続してね」

「結構、集中力要りますね」

「慣れれば、意識しなくても出来るよ。頑張ってね」


 レティシアが集中している間、ピックとゲイルにお願いをする。

「【結界】で試したい事があるから、明日は日の出前に起きて貰って良い?」

「構わんが、何をするんだ?」

「方向性を持った【結界】のお試しだよ。結果は明日のお楽しみだね」

「レンのお楽しみは恐ぇな」


 さて、明日が楽しみだ!

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