↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/73

第17話 君子、危うきに近寄りたく無かった

「何?」と聞いたら、ギルドからの伝言だった。

「明日、鐘2つ前にギルドへ来て欲しい」と伝えられた。

「良くここに居るのが分かったね。」

「ギルマスから、今日は教会に行くはずだから、伝えてくれと言われまして」

 なんでも、3カ所の教会に伝言を出したらしい。

「何か、嫌な予感かするけど、わかったよ。明日行くって伝えて」

「ありがとうございます」と言い去って行った。

 ホントに嫌な予感しかしないね。


 次の日、早めにギルドに行くと、フェイさんがお出迎え。早速応接室に案内された。

 ギルマスを待つ間、フェイさんが話しかけてきた。


「レンさん、職員への心遣いありがとうございました」

 ボーナスの事だろう。

「オレの所為でもあるからねw」

「確かに、レンさんが来てから、忙しくなりましたね」

「素直ですコトw」

「いえいえ、誉めているんです。こんなに市場を活性化させられる人は居ないですよ」


「職員の皆んなは怒ってるんじゃない?」

「大変なのは変わりませんケド、フォローしてくれましたからね。感謝の方が強いですよ」

「それは良かった」

「〔アルケラ〕のギルドからも、感謝の言葉がありましたよ。ギルマスからは「助かった」とw」

「明日から、他のギルドでも販売出来るので、こちらに買いに来る人は減りましたよ」

「じゃあ、今ある素材を出して良いかな?」

「い・ま・は、仕舞っておいて下さいね!」

「はいっ!」フェイさんの声が変わったよw


「本当に[マヨネーズ]は美味しいですね。癖になりそうです」

「気を付けてね、食べ過ぎると太るよ」

「そうですか、気を付けますね」

「あっ、「マヨネーズ」に[トウガラー]の粉末と[ソイ]を少し垂らすと、味に変化があって美味しいですよw。味見しますか?」

「レンさん、さっきなんて言ったか覚えてます?」

「要らないですか?」

「‥‥味見します」

 [ポテトフライ]と一緒に出すと、諦めて食べてくれた。

 ボソっと「‥‥女性の敵ですね」と言われたよ。


 そんなやり取りをしていると、部屋にギルマスが入ってきた。

「おっ、美味そうなもん食べてるな」

「ギルマスもどうぞ」

 ギルマスが一口食べると、「何だコレ、[マヨネーズ]だよな?」と驚く。

「調味料を加えて、味に変化を付けたんだよ」

「お前さんの頭の中は、どうなっているのかね。新しい物を次から次へと‥」

「レンさんお願いですから、今は内緒にしておいて下さいね!」

 フェイさんから、本気のお願いをされてしまった。


「それでギルマス、要件は何?」

「言い難いんだが……領主様からの呼び出しだ」

「ハァ、君子危うきに近寄りたく無かったよ」

「何だそれ?良く判らんが、諦めろ」

「何で急に呼び出されたのかな?」

「お前さん、他でもやらかしてないか」

「何を?」


 ギルマスから、今迄の行いを羅列された。

 ・[シルクディアの毛皮]確保

 ・〔アルケラ〕でのギルド販売会貢献

 ・人気レシピの登録

 ・短期間でBランク昇格

 ・〈ワイバーン〉の2箇所納品

 ・〈カラードワイバーン〉の献上

 ・〔アグリカ〕での人気メニュー考案


「心当たりは?」

「‥‥あり過ぎだね」


「えっ、〔アグリカ〕の人気メニューって、今話題のですか?」とフェイさんが驚いた。

「そうみたいだな、通信で聞いたよな」

「[唐揚げパン][シャーベット][ポテトサラダ][エッグサンド][ポテサラサンド]が人気と聞いていますケド、どれを考案したんですか?」

「ん?数日前なのに良く知ってるね。全部だよ」


 オレは試作で作った時のを【アイテムボックス】から出した。「食べてみる?」

「「ハァ〜〜」」2人から盛大な溜息を貰った。

「領主様から呼び出される訳だ」

「ですね、レンさん行ってらっしゃい」

「おおぅ」


「2日後にガディ商会と行くぞ」

「ガディさんも呼び出されてるのかい?」

「そうみたいだな。〔アルケラ〕〔アグリカ〕のギルマスも納品で呼ばれてるぞ」


「あっ!それと、〈ワイバーン〉を保管してくれ。お前さんの[マジックバッグ]は時間経過無しだって?」

「良いけど、オレの情報筒抜けじゃない?」

「目立ち過ぎだよ。自業自得だな」


 目を逸らすと、フェイさんが食べ終わる所だった。

「レンさん、どれも美味しいですね!」と力強い感想を貰ったw。可愛い笑顔だね。

 ギルマスは、何故か泣きそうになっている。


 時間と集合場所を聞いて、服装とマナーの確認をした。

 服装は冒険者装備でOK。マナーは言葉遣いに気を付ければ良いらしい。

 領主の館は街の中央にあり、ガディ商会から馬車でい行く。

「何かお土産いるの?」

「要らんぞ、そもそも献上品あるじゃねぇか。くれぐれも余計な事するなよ」

「それもそうか。しかし、酷い言い草だね〜」

(まぁ、土産話はあるから良いか)


「昨日、教会に行って来たよ。領主様への相談は、お願いしますだってさ。孤児の人数が増えて、今の支援金じゃあ足りないみたいだね。北の教会は時間が無くて行ってないケド」

「そうか、それも伝えておくか」


「貴族様とは、余り関わりたくないな〜」

「利用されるからか?」

「そうだね~、上から目線で話してきそうだしさ」

「ギルドへの依頼も、無茶言う方が多いですよね」

「全員が嫌な貴族では無いんだが、男爵や子爵が多いな」


「ポケ子爵は典型ですね」

「そんなに酷いの?」

「納品された品にケチを付けて、無料にしようとするんですよ。それも新人を狙って。爵位を振りかざした割り込みをして、冒険者とトラブルになったりと‥」

「関わりたく無いね。そう言えば、北の教会とつるんでいるのもポケ子爵みたいだね」

「あぁ、ポケ子爵・アグー商会長・北の教会院長で悪さしてるらしいな」


「北の教会で、孤児の受入れを断られて、他の教会に流れたらしいね」

「孤児院の運営も兼ねた、支援金なんだがな」

「孤児の受入れ少なくして、運営費着服してるのかね?」

「大方そんなもんだろう。働ける年齢の孤児だけ受入れて、金稼がしてるって噂だしな」

「子供達が可哀想ですね」


「孤児院で[ホットケーキ]作ってあげたら、皆んな喜んでくれたよ」

「レンさんは、優しいですね」

「嬉しい事言ってくれるね〜。[ホットケーキ]食べる?」

「惜しいケド、結構です!さっきから、どれだけ食べたと思ってるんですか」

「ありゃw」


「まっ、なんにせよ孤児院の件は、領主様に報告だな。レンも見て気づいた事あれば、教えてくれ」

「わかった!」


「さて、連絡は以上だ。2日後遅れるなよ」


 レンが去ったギルドでは。

「ギルマス、レンさんに暫くレシピを作らない様、釘を刺しておいて下さいね。」

「あぁ、やっと落ち着いたのに、また?と思うと、暴動が起きかねん」


「それにしても、凄まじいですね。登録してから日が浅いのにコレですからね」

「領主様を通じて、侯爵様にも伝えて貰うか」

「後、他の貴族の方々にもですね。本当に嫌になったら出て行きますよ」

「ここもそうだが、〔アルケラ〕〔アグリカ〕の経済効果は測り知れん」

「なにせ、この数日で、過去半年以上の利益ですからね」


「これまで無名なのが変だよな?」

「はい、だから以前、密偵の可能性があると、考えましたよね」

「目立ち過ぎるから、その線は消したがな」

「判明しているスキルだけでも、あり得ませんね」

「結界、無詠唱魔法、自動解体、時間停止付きマジックバッグ、索敵、料理が判明しているか」


「しかも、本人は隠そうとしてませんよね?」

「あぁ、人前で使って、説明のオマケ付きだ。多分、サーチ、分析、錬金術もあるとみた。」

「1人でそんなにスキルを持てるんでしょうか?」

「信じられんが、そうでもなきゃ説明つかん」

「ちょっと恐いですよね」

「あぁ、魔法の威力も高いらしいしな。街1つなら滅ぼせるかもしれんな」


「貴族の方々が、怒らせなければ良いのですが」

「それは、オレも懸念してる」

「今回、領主様も見定めるつもりだろう」

「関わった人達に話を聞くつもりですね」

「表向きは依頼の納品となっているがな」

「まだまだ秘密がありそうですね」

「レンから打ち明けて貰える様、信頼を積み重ねるか」

「それまで、ギルド職員が持ちますかね?」

「レンには強く自重して貰おう。お願いすれぱ判ってくれるさ」

「だと良いんですけど‥‥」


「そんな事より‥‥」

「何ですか?」

「オレの分まで食っただろ!」

「だって、美味しかったんですよ![シャーベット]は話している内に、溶けちゃいそうでしたし!!」

「オレも食いたかったんだよ。気づけば全部食ってるし」

「すみませんでした。 が、美味しかったですよ〜」

「ちくしょう。食いもんの恨みは怖ろしいぞ!」

「てへっ」


 今日もギルドは平和だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。