表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/5

4・紅茶と日本茶のあいだ

 やっぱ、ホテルで逢ってた方が楽しかったな。


 いや、お前のことが嫌いになったんじゃないよ?


 でもさ、「不倫用のアパート借りて、そこで逢う」って、つまんねえよな。

 ま、良いんだけどさ。なんか冒険感がないっつーか……。

 新鮮味がないっつーか。


 ……あ? 何? 「言いたいことがある」って?

 何よ。何なの? 何でも言えよ。


 ……え? 「他に男が出来た」?

「その人はあなたよりもっとハンサムで、あなたよりずっと優しくて、あなたよりずっとお金持ちよ」?

「その人ね、あたしを自分のマンションにちゃんと呼んでくれるの。そうして美味しい紅茶を毎回淹れて、お茶菓子をふるまって一緒にずっと話してくれるの」

「そうしてね、その人独身よ。あたしと結婚したいって!」


 ……は? いやいやナイっしょ、その展開……ってオイ! 「サヨナラ」一つだけ!? そんでオサラバってか!? おい待てよ! おーい!!


* * *


 ……やれやれ、まあしょうがないか。


 でもあのオンナも馬鹿だよな。例の男は俺の古い友人なのにな。

「後腐れなく別れたい」って俺の相談に乗ってくれて、あのオンナの気をそらす手伝いをしてくれただけなのにな。


 まあ、まんまと引っかかってくれて、こっちとしては助かったけどな!


* * *


 そうして数か月後、女と「古い友人」はめでたく結婚した。

 そう、友人は本当に彼女のことを好きになってしまったのだ。


 結果、どうしようもない男は「女と別れた」代償として、古い友人を失った。

 それからは何かとついていない人生を送り、数十年経った今は妻とも死に別れ、ぼろぼろの縁側で今日もまずい茶を飲んでいる――。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ