3・東京馬鹿と上京馬鹿
東京馬鹿?
何言ってんだ、東京に上京して馬鹿だったら、どこにいたって馬鹿なんだよ。
かく言う俺がまさにそうだね。
なんせ「日本史専攻」志望で地方の大学受験して、慣れない一人暮らしに、日頃の不摂生もたたってウツ病になって実家に帰って数年、こないだテレビで「飛鳥時代」ってフレーズ見て
「ヒドリ時代? 何それ?」とか本気で思ったくらいだからね。
あ? 「日頃の不摂生って何?」って?
俺ね、毎朝レンチンご飯に袋茶漬けぶっかけてかき込んで、自転車でダッシュで大学通ってたの。
え? 大学? 近かったよ~ボロいアパート駆け出して二分で校内着いた。うん、俺ギリギリまで寝てたかったの。
いや、袋茶漬けがいけないってワケじゃないよ? 他にもジャンクな食い物ばっかりかっこんで、夜もろくろく寝ないでアダルトなページ見てたからな~。そりゃ普通は体壊すわな。
まあ、そういう自分がようやく引きこもり卒業して、東京行って成り上がろうとしてるワケだな。
うん、馬鹿だよ、ホントに馬鹿だ。東京行ったってどこ行ったって馬鹿はバカって、さっき自分で言ってたのにな。
でもさ、『馬鹿だから見れる夢』ってのもあるんじゃないか?
そう、俺は夢見てないと生きていけない男なの。
てかさ、そんな俺に惚れちゃったお前もたいがい、馬鹿な生き物なんじゃね~の?
脱引きこもり訓練中の俺に、雨の中ビニール傘渡されて「つ、つ、使ってください!」って言われたくらいでさ!
いやいや、嘘ウソ。感謝してるよ、お前には。
こんな俺に惚れてくれて、本当ありがとな。マジで最近救われてるよ。
……なんて言ってはみたけどさ。
上京も夢の実現も、このコロナ禍が落ち着いてからだよな~(泣)




