第41章 清凰の変
すべての者の心 の中 で思われて いた――
一人の男、それも ただの 無能なクソ男 が、十万 の女兵 を敗走 させるとは。
この戦争 は本当に 勝負が 読めない。
「豊豊ちゃり大陸 は女 の天下 だ。いつ からクソ男 が指図 をする ようになった のだ?
雲国 は軍中に「蜀に大将なく、廖化が先鋒となる 」 にする とは笑わせる。
舞焔将軍――私 が出陣 を願い ます! 中営 の全兵士 が出陣 を願って います!
明日、再び 総攻撃 をかけ、すべての女兵 に教えて やります――男 は生まれつき 臆病者 だと 」
一人の 大柄な女将――恐竜 のような 体躯 を持つ者 が将たち の中 から進み出た。
その顔 の肉 が微かに 震えて いた。
彼女 こそ赤電大軍 で最も 名高い 殺戮機械――翡倫将軍 だ。
噂 によれば、ベッド の上 では 七人の 最も たくましい男 を相手 にでき、翌日 には 彼ら をベッド から這い出せなく するという。
こういう女 には 誰も 好感 を持たない が、彼女 は確かに 勇猛 だ。
戦場 での殺戮 はその体 に匹敵 する狂気 で、彼女 が出陣 すれば いつも 血を もたらして 帰る。
「男殺し」 と「血塗れ女」 の悪名 が広く 知られて いた。
舞焔 もこの 度を越した淫乱な女 を好んではいなかった――彼女の存在意義 はただ 淫欲 のため だった。
しかし戦争 というもの はそう だ――雲国帝国 があのスケベ を将軍 にする のなら、私 も淫婦 を主将 にしても 構わない。
そう思う と、統帥 の令 を振り、大声 で言った。
「よし――明日 の旭日 が昇る その時、全軍 で攻城 を開始 する!
翡倫将軍――本帥 はお前 を督戦 に任じる。中営 はお前 が全権 を指揮 せよ 」
舞焔 は知って いた――三十万 の大軍 は今日 の光景 に震撼 していた ことを。
もし攻勢 を強めなければ、勝利 の息吹 を帯びた士気 は低下 するだろう。
戦意 を失った兵士 に勝利 の望み はない。
たとえ 最終的 に絶対的 な数 で勝てた としても、得るもの より失うもの が大きい。
だから 彼女 は決めた――月光城 を落とせる のなら、どんな手段 も試す と。
たとえ その 目の前の血塗れ女 が自分 の最も 嫌う軍中 の将 であっても。
俺 は赤電帝国 の将たち の考えや計画 を知らなかった。
興奮しすぎた 猛虎兵営 の兵士たち を配置 し終え、月光城 の総督府 へと歩を進めた。
もし 純凰 が口を開かなければ、清凰 は俺 が入る ことさえ 拒否 しただろう。
まったく 不公平 だ――彩陽 と風間ひら は笑顔 で迎えられ たのに、俺一人 が冷たい視線 を浴びる とは。
しかし純凰 がこっそり 俺の部屋 に来て、俺の腕 の中 に抱かれた とき、
すべて がどうでも よくなった。
しばしの別れは新婚に勝る――すべての想い が激情 の中 で発散 された。
純凰 の体 は少し 痩せて いたが、その美しさと風情 は損なわれて いなかった。
数日 の別れ が彼女 を一層 女の艶やかさ に満たし、
豊かな臀 はさらに 潤い を増し、揉みしだく と柔らかく 弾力 に満ちて いた。
春の呻き が抑えきれず 漏れ、耳元 で春の歌 のように 奏でられる――実に 素晴らしい。
横たわる征伐 がこの 枯れた心 に聖水 の灌漑 をもたらした。
春の潮 が過ぎ、二人 は寄り添い 絡み合った。
豊かな二つの山頂 が俺の胸 に押し付けられ、その弾力 の強靭さ を示して いた。
純凰 の秀麗な瞳 は蕩け、幸せの光 を放って いた。
かつて の悲しみと寂しい は一変 していた――女 は女 であり、愛の潤い を必要 とする。
そうでなければ どんな美しい花 もやがて 枯れる。
「旦那――月光城 は今 こんなに 危険 なのに、どうして 来た の? 」
幸福 の中 でも、この小女 はまた 不安 にかられた。
愛しい男 を毎日 見たい と願い、彼 に愛されたい と願う 一方で、彼 が来なければ よかった とも思う。
月光城 は今 危険な城 であり、いつ 落ちても おかしくない。
彼女 はこの男 に自分 のように 雲国 のために 身を捧げて ほしくなかった。
「小娘――何を 言っている のだ?
お前 が危険 の中 で苦しんで いるのに、旦那 が来ない わけには いかない だろう。
並肩王 の反乱 がなければ、もっと 早く 来ていた。
数日 の遅れ で嫁 に苦労 をかけて しまった 」
大きな手 がこの 美しい嫁 の可憐な顔 を撫でる。
俺 は自分 の行い がすべて 価値 がある と思った。
「私 がいなくても、旦那 には 柔伊 や花月 たちが いるじゃない。あなた は幸せ に生きられる のに 」
かつて のない心の動き が静かに 醸成 されていた。
この小女 の言葉 がますます 本心 と逆 になって いるよう だった。
その瞳 には 枯れ木 が春 に出会った ような悩殺の光 がある のに、なぜ 来た のかと 責める のか。
俺 は仕方なく 首を振り、女の 変わりやすさ と口と心 の不一致 を嘆いた。
「純凰の嫁――お前は 俺の女 だ。彼女たち と同じ だ。
もし 今日 お前 ではなく、彼女たち の誰か であっても、俺 は同じ ことをした。
愛した のなら 徹底的 に愛する。一生 に渡って。
誰一人 軽んじず、誰一人 俺のそば から離れさせない 」
赤く染まった頬 に柔らかな笑み が浮かんだ――その瞬間、彼女 は美しく 輝いた。
「旦那――本当に 強引 だね 」
しかし彼女 は好き だった――その強引さ が、その温かさ が。
こうして 愛される ことができれば、純凰 はもう 柔城 に他の女 が待って いること など気にしなかった。
「お前 が好き であろうと なかろうと、純凰の嫁――俺 はお前 を離さない 」
手 は彼女の胸 の柔らかさ を揉みしだき、再び 欲望 が愛 を氾濫 させた。
門 の彩陽 には 低く 婉曲な呻き が再び 聞こえ、彼女 は七月 の梨の花 のように 赤く 艶やかに なった。
どれほど の時間 が経った のか――俺 と愛する女 にとって、時間 は決して 足りない。
その時、門 から彩陽の声 が聞こえた。
「清凰将軍――狼将軍 は今 面会 をお断り しています。後ほど お越し ください 」
そして 刀剣 の音 が聞こえた――どうやら この小娘 は強引 に入ろう として いるよう だ。
まさか 数度 の敗戦 を喫し、雲国帝国 の強固な国境 を死の谷 に陥れた この鳳将 が、これほど 教養 がない とは。
礼儀 さえ身につけていない――鳳将 の身分 が女 として注意すべきこと を忘れさせた のか。
「まったくもって 言語道断 だ 」
俺 は不満 の声 を漏らし、一気 にベッド から起き上がり、手 を伸ばせば 服 が身 についた。
純凰 は俺の顔色 が変わった のを見て 驚き、慌てて 俺 を抱きしめ、低く 懇願 した。
「旦那――清凰 を責めないで。彼女 はまだ幼い し、数度 の敗戦 で今 は苛立ち の絶頂 にある。時間 が経てば 落ち着く から 」
「純凰――お前たち は雲国 の崇拝 であり、民衆 の希望 だ。
清凰 のような 未熟な者 にこんな 重責 を負わせる べきではなかった。
女皇 は情 に免じて 見逃す だろうが、俺 はそう はしない。
俺 が必要な のは 本当の 人材 であり、本当の 大将軍 だ 」
この点 について 俺 は譲らなかった――四鳳将 の姉たち がこの妹 を甘やかし てきた せいで、彼女 は図に乗って いた。
門口 で彩陽 は清凰 に押され 後退 を強いられて いた。
腕前 では 彩陽 は下級 から昇進 した剣士 であり、鳳将 に敵う はずもない。
しかし彼女の敏腕と粘り強さ は大きな伸びしろ を持って いた――俺 は一目 で彼女 が優れた体質 を持つ ことが 分かった。
少し の指導 で彼女 は落雲 に劣らない 実力 をつける だろう。
「やめろ! 」
俺 が叫ぶ と、背後 の純凰 は慌てて 服を着 て駆け出した――少し 乱れた ままで。
仕方ない――女の服 というもの は面倒 だ。
もし 急いで いなければ、半時間 はかかった だろう。
「なぜ 私 があなたの言うこと を聞かなくちゃ いけない の! 斬って やる! 」
果然、殺気 がほとばしった。
数度 の挫折 で清凰 の身体 に溜まった 鬱憤 が魔気 に変わって いた。
もし 誰か が彼女 を助けなければ、魔道 に堕ち、二度と 戻れなくなる だろう。
純凰 の言う通り、この小女 の心志 は確かに 弱い。
身形 が暴進 し、彩陽 が手 を引いた のを見て、
鳳将 として 斬り殺そう とする 姿勢を 見て、俺 は本当に 腹が立った。
風 が起こり、雲 が動く ように、皆 に「パシッ」 という音 が聞こえ、
清凰 は三丈 の彼方 へ吹き飛ばされた。
その顔 は青ざめ、小さな口元 から一筋 の鮮血 が流れ、異様 で不気味 だった。
「あ、あなた……私 を打った の! 」
清凰 の顔 は痛み で歪み、表情 は驚愕 に満ちて いた。
長年 に渡って、彼女 は常に 最も 高貴 であり、殴られる ことは もちろん、叱られる ことさえ なかった。
今、男 に辱められ、彼女 は耐えられなかった。
手 の剣 が雪花 を散らし、網 のよう に俺 に向かって 襲いかかった。
魔性 が彼女の心性 になって いた――彼女 はすでに 危険 な状態 だった。
軍中 に留めて も役に立たず、むしろ 大軍 の足手まとい になる。
心 を鬼 にして、純凰 の懇願 も無視 し、真力 を凝縮 して彼女の体脈 に注入 し、心魔 のエネルギー を封じた。
「カチン 」
剣 が落ち、鋭い表情 を浮かべた清凰 は顔色 を蒼白 にし、叫んだ。
「このクソ男――何 をした の! 」
修練 のエネルギー を失い、彼女 は立って いること もできず、よろめいた。
殺す ことは できない が、少し の教訓 を与える ことは できる。
「鳳将・清凰 は軍職 に適さず、清の兵団 の任 を解く――即時 発効 !」
俺 は無駄話 も省き、大声 で宣言 した。
周囲 の衛兵たち は顔色 を変えた。
四鳳将 は軍中 で神 のような存在 であり、誰 がその軍権 を剥奪 できよう?
清凰 も声 で叫んだ。
「お前 は何者 だ! 私 に無礼 を働く とは!
来い! 彼 を捕らえよ! 」
彼女 に従う親兵 はためらわず、動こう とした。
純凰 も顔色 を一変更 させた――彼女 は俺 がこんなこと をする とは思わなかった。
さっき の様子 をよく見て いた――清妹 の全身 の真力 は気海 に封じられ、もはや 武術 を持たない者 に等しい。
さらに 兵権 を奪う された のは、殺される よりも 辛い。
彼女 は一歩 前に出て、止めよう とした が、
俺 が懐 から一つの聖物 を取り出す のを見た――女皇金札 だ。
これ を見る ことは 女皇 を見る ことに 等しい。
この神聖 な御用女皇金札 は純凰 も知って おり、四鳳将 の全員 が知って いた。
「女皇陛下に 拝謁 いたします――陛下 のご聖寿 を祈り ます! 万歳! 」
周囲 は一斉 にひれ伏した。
女皇 は雲国 の王 であり、その権威 を軽んじる者 はいない。
心の闇 に侵された清凰 でさえ その例外 ではなく、震えながら 地面 に跪いた。
「清凰将軍――異議 はあるか? 」
俺 の気勢 は漲り、清凰 に対し 絶対的 な圧力 を与え、彼女 の先ほど の傲慢 を消し去った。
その心 は悲しみ で満たされて いた。
「清凰……聖令に 従います 」
その言葉 が終わる と同時 に、彼女 の体 は耐えきれず、
「プッ」 と一筋 の鮮血 が噴き出し、
一筋 の根性 で支えられて いた清凰 はついに 完全 に崩れ落ち、深い昏睡 の中 へと沈んだ。
純凰 は彼女 を抱きしめ、愛おしそう にその脈 を探った。
しかし彼女 のこの母性愛 が清凰 を成長させなかった ことを 彼女は知らない。
「慈母に敗子あり」 という道理 が再び 証明 された。
純凰 を除き、その場 に跪くすべての兵士 は知った――
俺 が女皇 の尊権 を持ち、月光城 では 王 のような存在 である ことを。




