第37章 遠征前の別れ
軍 の準備 が整い、俺 は女皇 に出発 の奏請 を行い、翌日 に出立 した。
男奴隷 の件 は花月 が女皇 に報告 していた が、俺の煽動 に対し 女皇 は驚き を隠せなかった。
あの男奴隷たち がどんな者 か、彼女 は誰より もよく知って いた――あれ はただの 役立たずの集まり だ。
「女皇陛下――男たち を甘く 見ないで ください。
男 とは 眠れる獰猛な獅子 のようなもの です。一度 目覚めれば、豊豊ちゃり大陸 を衝撃させる でしょう 」
女皇 の冷たい不信 に対し、俺 はただ 少し 注意 してやった――
もし俺 が率いれば、雲国 は男 が支配する ものに なるだろう、と。
おそらく 俺 のあまりに多くの 異質な点 を目の当たり にして いたため、彼女 は今回は 反論せず、ただ そっと うなずいた。
翡翠の冠 が冷たく輝き、高貴 でありながら 官能的 に彼女 は言った。
「すべて を狼将軍 に託す。
朕 は柔城 に将軍府 を建設 するよう 命じて ある。一日も 早く 戻って くることを 願う 」
俺 が戦場 へ赴く と知り、柔伊 と素早春香 は泣き叫んだ。
彼女たち は女皇の話 を知って いた――彼女 の最初 で最後の男 は、三日 だけ共に過ごし、戦場 に出て そのまま 戻らなかった。
外見 は天下無敵 に笑って いるが、彼女たち の心 は皆 心配 で一杯 だった。
花月 も涙 を流し、彩陽 と風間ひら に細やかに 注意事項 を伝えた。
今回 の遠征 では、俺 は近衛部隊 と風間ひら を主将 とする四万の大軍 を率いる。
落雲 も風間蘭向き と共に 現れ、情勢 が不安定 なため、俺 はこの剣聖の嫁 に京都 の警戒 を特に 厳重 にする よう命じた。
落雲 は風間ひら に代わって 京統合軍 を掌握 し、柔城 を守る。
花月 はさらに 官位 が上がり、京統合軍、禁衛軍、内宮 のすべての黄金鎧近衛 を掌握 し、女皇 に兵部内閣 に封ぜられ、京都 のすべての兵士と馬 の調度 を任された。
「旦那――今回 の旅 は非常に 危険 です。どうか お気をつけて。
私は 妹たち の安全 を守り、あなたの 凱旋 を待って います 」
俺の女たち の中 で最も 成熟 している のは 風間蘭向き だ。
落雲 と共に 現れ、少しの 気まずさ もなく、最初の言葉 がこれ だった。
表立って 公表 はしていなかった が、帝国 の剣聖 が俺 に対し 無限の愛 を抱いて いること は多くの者 が知って いた。
落雲 もうつむいて 俺のそば に近づき、風間蘭向き とは 異なり、胸元 から桃の色の平安符 を取り出し、羞恥に 赤くなりながら 俺の手 に押し込んだ。
一言 も言わず、すぐに 離れた。
しかしその真情 は死んだ者 でさえ 感じ取れる。
俺 はスケベ でもあり 悪狼 でもある――こんな 若くて 新鮮な女 が優しさ を示し、自ら 抱かれに 来るの を気づかない はずがない。
もし 純凰 が遠く で危険 にさらされて いなければ、出発前 にこの女 を落としていた だろう。
俺 が我慢できずに いたとき、風間ひら も入ってきた。
あの日 見知らぬ 優しいな姉 に諭されて 以来、彼女 はおばちゃん の幸福 を強引 に止める権利 がない ことを 悟った。
それで か俺 に対する態度 もずいぶん 良くなった。
しかしその顔 の氷のような寒気 は消えず、俺 に対して は無表情 だ――それが 彼女 なりの 礼儀 のよう だ。
「よし――ひらも 来たな! 今、俺たち一家 は揃った ぞ 」
目の前 の女たち は花のように 揺れ、百花繚乱、それぞれ 異なる 姿を 持ちながら、皆 艶やか で美しい。
俺の心 の性欲 が大いに 燃え上がり、恥知らずに 叫び、両腕 を広げて 抱 のポーズ をとった。
「もう、もう――誰が あなたと 一家 なもんですか!
私は 蘭おばちゃん に別れを 言いに 来た んだ 」
風間ひら は顔 を背け、容赦なく 俺 を非難 した。
「旦那――かわいい女の子 を見たら すぐに 嫁 にしよう とする のは やめて よ!
蘭お姉さん も素早春香 も柔伊姫君 もあなたの女 になった けど、落雲 はどうなの?
それに この近衛の彩陽ちゃん はどうなの?
本当に みんな 嫁 にする つもり? 」
俺 が行く と知って、花月 の嫉妬心 も消え、心 には 未練 だけが 残って いた。
もし 旦那 が無事 に戻ってくる のなら、二人 や三人 の妹 が増えても、彼女 は受け入れよう と思って いた。
いつも 孤高 で傲然 として いた花月 にも、征服されつつある 兆しが 見えて いた。
俺 も少し 気まずく なり、すぐに 言い直した。
「失言 だった。自罰 として 三杯 飲む 」
そう言って、炭酸水 のような酒 を三杯 一気に 飲み干した。
しかしこっそり と観察 すると、落雲 は温かい羞恥 で真っ赤な柿 のよう になって おり、
一度も 表情 を変えたこと のない彩陽 でさえ、初めて 落雲の手 を握り、少女特有 の恥じらい を見せて いた。
「もう 知らない! 皆、奥に 入って 話す よ!この大スケベ は放って おくんだ 」
風間蘭向き の手 を取り、女たち に囲まれ、俺一人 が孤独に 酌み残された。
しかし間もなく、一つの 可憐な影 が門口 からこっそり 抜け出し、一気に 俺の胸 に飛び込んだ。
顔を上げる までもなく、その香り で分かる――小姫君・柔伊 だ。
身体 はいくぶんか 豊か になり、飛行機 が発着できそう な胸 も波紋 を描き始めた。
どうやら この数日 の開発 が効果 を上げて いるよう だ。
今、きつく 俺の胸 に寄り添い、その柔らかな摩擦 が感じられる。
「どうした、柔伊――旦那 に会いたかった のか? 」
他の女たち と話さず、この小娘 が飛び出して きた のは、本当に 俺 を想って いるから だろう。
初めて 出会った時 の可愛く てわがまま な表情 は今 も鮮明 だが、今 は多くの女 がいて、すべての愛 を彼女一人 に注ぐ わけにはいかない。
柔伊 の涙 は乾いて いたが、涙の跡 は残って いた。
しかし今 は泣く気配 もなく、ただ そっと 俺の手 をさらに 強く 抱きしめ、少女 の未練 を帯びた 声 で言った。
「旦那――柔伊 は本当に 怖い よ……本当に 怖い よ……
母上 は戦争 で愛する人 を失った。
柔伊 は母上 のよう になりたくない。
あなたが いなければ、柔伊 の人生 は意味 を失う よ 」
まだ 十三、四歳 だが、皇家 に生まれた ために、未来の女皇 として の教育 は生まれた時 から始まって いた。
少女 の理不尽 さはある が、彼女 は多くのこと を理解 していた――ただ 分かりたくない 時も ある だけだ。
昨夜、母 は彼女 と同じベッド で眠り、戦場の残酷さ を教えた。
「柔伊――母は 愛する人 を自分 よりも 大切 に思って いる。
しかし私 はそんなに わがまま にはなれない。
帝国 のために、皇族 の血 を引く者 は犠牲 を払い、自分の幸福 を捨てねばならない。
もし あなたの愛する人 が本当に 戻ってこなくても、母を 恨んでは いけない 」
「旦那――柔伊 に教えて。必ず 戻ってくる って……
お願い、必ず 戻ってくる って…… 」
その声 は憐れみ と悲しみ を帯び、俺 は思わなかった――
俺の出発 が最も 悲しませる のが 最も幼い柔伊 だとは。
俺 がまだ 口を開かない うちに、中 からもう一人 が出てきた――柔伊 と最も 仲の良い 素早春香 だ。
「柔伊――心配 しなくていい。
旦那 はこんな 可愛い小嫁 を手放す わけない よ。
あなた のこと を思えば、どんな ことがあっても 必ず 戻ってくる。俺たちの 小姫君 を愛でに ね 」
彼女の小さな頭 を撫で、俺たち三人 は一体 になった。
小姫君 はもう 話さず、ただ 熱狂的 に小さな口 で内心の興奮 を発散 させた――
キス は嵐のよう に激しく、香りの良い液体 が俺の口元 にあふれた。
今夜 は眠れぬ夜 になり、今宵 は無限の春の風景 の歓喜の夜 になる。
花月 が来て、風間蘭向き も来た。
四人 の女 は羞恥 を忘れ、誰も 未来 がどうなるか 知らず、
今 は酒 があれば 今宵 を楽しむ。
薄手の服 はすべて 脱ぎ捨て、体 は露わ になり、可憐な風情 が次々と 現れる。
潤い は滑らか に溢れ、春の蕩け が満ちる。
情欲 に目覚めたばかり の小姫君・柔伊 でさえ 最後 には 俺の腰 にまたがり、力強く 腰を下ろし、首を振り 揺れながら 求めた。
別れ は放蕩の口実 になった。
朝 に目を覚ます と、何度 の快感の絶頂 を経験 したか 覚えていなかった。
四人 の女 の艶っぽいな姿、それぞれ に異なる 春の誘惑 を見て、本当に 未練 があった。
しかしなんとか 服を着て 立ち去ろう とすると、風間蘭向き と花月 が目を覚ました が、起きる 気配はなかった。
「旦那――私たち は泣きたくない ので、見送り は行かない。
あなたが 戻ってきた 日に、思い切り 泣く から 」
どうやら 彼女たち は話し合って いたようだ――別れの悲しみの涙 を俺 に見せない と。
これ が女 だ――心の奥底 まで愛させ、そのために すべて を捧げさせる 女だ。
柔城の城門 に出ると、風間ひら と彩陽 の他 に、女皇・雲ここ と落雲 がいた。
今回 の救援 はあまり 大きな意味 はない――四万人 と何十万 の大軍 を比べれば、大した 差はない。
しかしこれ は女皇 が純凰 と清凰 のために できる 唯一のこと だった。
男奴隷兵営 には、俺の要求 で女兵 と同じ 装甲と武器 が支給 された。
これ は以前 とは まったく 異なる ことだ。
今、隊列 の先頭 を歩く 彼らは、いくぶんかの 気勢 を見せて いた――それが 俺 が唯一 慰め に思える 点だ。
「狼将軍――道中 お気をつけて 」
女皇 の表情 もあまり 良くない。
「壮士一たび去りて復た還らず」 の嘆き があった――おそらく 彼女自身 も今回は 大きな期待 を抱いて いなかった のだろう。
「女皇 ご自愛 ください――戦狼 は必ず ご期待 に応えます 」
軽く 一礼 し、振り返って 立ち上がり、大手 を振って 叫んだ。
「出発! 」
「朕 は翠鳳 と氷鳳 の二軍 をなるべく 早く お前たち と合流 させるつもり だ。
しかし その間、狼将軍 は必ず 持ちこたえよ。
雲国帝国 のため だけでなく、柔伊 のため にも、どうか お前自身 を大切 にしてくれ。分かっているな? 」
そこ まで言う と、彼女 は自分 が女皇 である ことさえ 忘れ、「本皇」 ではなく 「私」 を使って いた。
うなずく――ただうなずいた。
俺 がいる限り、雲国帝国 は決して 敗れない。
なぜなら この帝国 には あまりに多くの 愛 が絡み、あまりに多くの 愛する女たち がいる。
彼女たちの情愛 は、最も 鋭い 慧剣 でも 断ち切れない。
「あなたも――再び お会いする ときに、
女皇 の最も 美しい笑顔 と最も 典雅な風姿 を見ることが できれば、戦狼 はそれで 十分 です 」
この言葉 は大いに 不敬 だった――女皇 は帝国の模範 であり、クソ男 にからかわれる べき存在 ではない。
しかし女皇 は大きな反応 を示さず、むしろ その顔 には 見知らぬ赤潮 が浮かんだ。
おそらく 何か 恥ずかしいこと を思い出した のだろう。
彼女 は少し 苛立たしげ に振り返り、声 が聞こえた。
「本皇 はここ までだ。狼将軍 の凱旋 を祈る。その日 には 杯 を挙げて 祝おう 」
落雲 は言葉 を発さず、女皇の後 を追い、護衛 しながら 去っていった。
俺 も馬の向き を変え、特別な近衛 を率いて、未知の遠征路 へと歩み出した。
まだ 空 は完全 に明けて はおらず、すべて が変化 の中 にあった――
ちょうど 今 の豊豊ちゃり大陸 の戦況 のように、変化 に富み、予測 がつかない。




