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第30章 戦う勇気

軍営の視察 を終え、風間ひら の報告 を聞いて いたところ、女皇 が早速 使者 を遣わして 呼び寄せた。

風間ひら が俺 と喧嘩 する時間 すら与えられなかった。

雲国第一の 剣豪 で大将軍 が、クソ男 に管理 されなければならない とは――

彼女の怒り は言い表せない ほどだった。


しかし今 は風間家 がおばちゃん の言うこと を聞く。

ただそのおばちゃん がこのクソ男 に異様に 優しい ことが 彼女 には 理解できなかった。本当に 理解できなかった。


女官 の案内 で、俺 は一路 滞りなく 皇殿 に到着 した。

女皇 はちょうど 数人の重臣 と何かを 協議 しており、時折 口論 の声 さえ聞こえた。

青浮 も含め、皆 表情 はあまり 良くなかった。

皇殿の門口 には 斬情剣術 を操る 荷蓮 が守り、花月 もそば に立ち、内宮近衛 の動向 を監視 していた。


「戦狼、女皇陛下に 拝謁 いたします。陛下の ご聖寿 を祈り ます――万歳! 」


岡見 と名乗る のは面倒 でも うやめた。

戦狼 はこの世 で最も カッコいい 名前だ。

周り は女 ばかりで、花 だの草 だの香 だの艶 だの――本当に 俗っぽくて 耐えられない。


「起きよ、狼将軍―― 朕 は お前と 相談 したいことが ある 」


雲ここ はなぜか この男 を異様に 重んじて いた。

それは 彼 が娘・柔伊 の男 だから だけではなかった。

おそらく 彼女の 直感 を信じて いた――この男 が今 彼女 の唯一の希望 であり、柔城 の成否 を握る鍵 だと。


「女皇陛下――ご命令 をおください。戦狼、全力 を尽くします 」


最後 に「精を砕いて」 と付け加えた。

この 高貴で 優雅な女皇 に対し、ちょっとした妄想 も当然 だ――それが スケベの本性 というもの だ。


女皇 は異変 に気づかず、むしろ 戦狼 を見て 少し 安堵 し、澄んだ声 で言った。


「先ほど 知らせ が入った――並肩王 が赤電帝国 と連合 し、純凰 と清凰 の兵団 を大いに 打ち破った。

今、右翼の国境 は危機 に瀕して いる。

朕 は重臣たち とこの件 を協議 していた ところだ。

狼将軍 はどう思う? 」


俺 がどう思う って? くそっ、本当に 俺 を神 だと 思っている のか?

あ、そうだ、俺 は確かに 小さな神 だ――創世神訣 と混沌心法 を持つ 以上、神 になら ないほう が難しい。

しかし純凰 が敗れた と聞き、俺の心 は乱れた。

鋭い気配 が一瞬で 漲り、大声で 言った。


「これ以上 考える 必要はない。兵士たち は帝国 のために 戦って いるのに、我々 はここ で空想 にふけり、役に立たないこと ばかり考えて いる。

それ は帝国 のために 命を捧げた 兵士たちの 忠誠 を無駄 にする だけだ 」


「では 狼将軍 はこの状況 でどんな 良策 がある のか? 」


また もあの年老いた巫女 だ。

なぜ 同じ巫女 でも、紫根 はあんなに 可愛い のか?

青浮 の質問 に、全員の目 が俺 に注がれた。

その瞬間、俺 はまるで 雲国帝国全体 の運命 を背負った かのように 重く なった。


「良策 とは 言えない が――死地に陥れて後生 を求める。

最後の一兵一足 に至るまで 戦い抜き、決して 敵に 屈服しない。

それが 雲国帝国の 誇り であり、無数の兵士たちの 誇り だ。

俺・戦狼 は女皇 のために 戦場 で死ぬ ことを 厭わない! 」


その瞬間、豪気 がほとばしり、俺 は無敵の 狂乱 を抱き、

その気勢 が大殿全体 を覆い、女たちの呼吸 さえも 圧迫 した。


「よし、よし! 雲国 に狼将軍 がいる限り、朕 は悪魔と怪物 など恐れない!

決まった――屈服の平和 はない。あるのは 血に染まった戦意 だけだ 」


女皇・雲ここ は一気に 玉座 から立ち上がり、大声で 言った。

重臣たち はもう 何も 言えなかった。

ただうつむいて 考え込む 青浮 の目 が怨めしい 光を 放ち、俺 に向かって 静かに 漂って いた。


一同 が退くと、俺 は女皇 に残された。

彼女 に従い、一つの偏殿 に来た。

茶 が出された 後、部屋 には 俺と女皇 だけが 残った。

雰囲気 は異様 で、女皇 も黙ったまま 沈思 していた。

俺 は口を開く べきか、開かざる べきか 迷った。

普通の女 ならからかって もいい が、彼女 は女皇 だ――敬意 も必要 だ。


その時、女皇 の顔 にかすかな笑み が浮かんだ。

彼女 は顔を向け、軽く 尋ねた。


「どうした? 風間家 に行ったとき はすごかった と聞いた ぞ。

剣聖・風間蘭向き でさえ お前の女 になった とは――お前の魅力 はなかなか のもの だな。

今 はどうして 口が 重い のだ? 」


冷や汗 が出た――こんな 噂話 を女皇 がこんなに 詳しく 知っている とは。

この時 の俺 は思わなかった――これは 怒り狂った花月 が言いふらした ことだ とは。

この小娘 は腹が立って、女皇 に止めてもらおう と思った のだ。

何しろ 今 の俺 は柔伊姫君 の旦那 だというのに。


「女皇陛下――これ は戦狼 のせい ではありません。風間家の家訓 のせい です 」


俺 はすぐに 仕方なさそうな表情 を装った。

しかし女皇 はまるで 俺 をよく知って いるよう に変わりなく、むしろ 少し 冷たい 口調で 言った。


「戦狼――こういうこと には 朕 も口出し はしない。

ただし 柔伊 に対する 真心 を決して 裏切るな。分かっているな? 」


女皇 はやはり女皇 だ――その瞬間、プレッシャー を感じた。


「女皇 ご安心 ください――おっしゃらなくても、柔伊 に対する 愛 は決して 変わりません。

彼女 はもう 俺の女 です。彼女を 幸せに し、一生 守り ます 」


それは 嘘ではなかった――心からの 真情 だった。

柔伊 に対し、俺 は非常に 愛おしさ を感じて いた。


「それでいい――

お前は今 重任 を担い、雲国帝国 の存亡 に関わっている。

まだ 言っていなかった が――翠鳳 と氷鳳 の援軍 はともに 阻まれ、当分 戻れそうにない。

今 は本当に 最後の一兵一卒 まで戦う しかない。

だから 今 のお前 を責める ことに 意味はない 」


女皇 は先ほど 俺 を支持 したが、それ も虚勢 だった。

雲国 は確かに 絶体絶命 の窮地 にあった。


女皇 の怨めしい表情 を見て、初めて の出会い とは まったく 異なる――

一輪の 可憐な花 が短い数十日 で一気に 枯れ、生命力 を失った ようだった。

その 失われた 光彩 が俺 にも 胸の痛み を与えた。

こんな 美女 にこれほど の プレッシャー を背負わせる のは、男として 屈辱 だ。


「女皇 ご安心 ください――戦狼 は必ず 方法 を見つけます。

純凰 は俺の 最も愛する者 です。彼女 を絶対に 死なせません。

雲国 を守り、女皇 を守り、俺の 愛する女たち を守ります 」


彼女たちの 真実の愛 を得た のなら、真心と 男の勇気 を示す べきだ――それが 俺・戦狼の 流儀 だ。


その瞬間、俺 は戦意 を漲らせ、狼の性質 を露わにした。

しかし女皇 が俺の言葉 を聞いて、蜜のように 紅潮した 顔 を胸 に垂れた ことに 気づかなかった。

「女皇を守り、俺の愛する女たちを守る」 という言葉 が、女皇 に無意識の 誤解 を与えて いた。

彼女 は口 には 出さず、ただ 心の中で 少女のような 悸動 を感じて いた。


「朕は 狼将軍 を信じて いる。

非常時 には 非常手段 を用いる べきだ。

さあ――この 女皇金札 は、雲国帝国 の誰 にでも 先に斬って後に報告する 権利を 与える。

朕と柔伊 はここ でお前の 良い知らせ を待って いる 」


もし 今までの日々 が俺 にとって 試練 だった のなら、

この瞬間 から、雲ここ は本当に 女 としてすべきこと をした――それは 男 に身を託す ことだ。

その男 は俺 という大スケベ だ。


宮中 を出る前、俺 は柔伊 と素早春香 を見舞った。

その深い別れ惜しみ に、俺 も彼女たちと 愛の喜び を交わしたい と思った。

しかし遠く で純凰 が生死不明 であり、柔城 の吉凶 も予断 を許さない。

そんな気分 ではなかった。

ただ 小娘 を優しく 慰め、外 に出た。


花月 は一緒に は出てこなかった――彼女の 最も重要な任務 は内宮 だ。

禁軍 の実力 は十分 に強力 だが、予測不能な変数 が多すぎる。

特に 副手の荷蓮 と青浮 は問題がある と分かって いるのに、証拠がなく、

今 の時 に内部 で大騒動 を起こす わけにもいかない――緊張している 空気に さらに 圧力を かける ことに なり、崩壊 を招く かもしれない。


しかし花月 がいれば、俺 も安心 できる。

黄金鎧近衛 は皆 一騎当千の剣士の達人 で、女皇一人 の指揮 に従う。

何か が起きて も大した ことは ないだろう。

ただし 念のため、風間蘭向き に返書 を送り、こっそり 宮中 に入る ように とも 伝えた。

彼女 を最も 静かな 素早春香 の医薬室 に滞在 させ、ここ のすべて を守る ように した。


内部の憂い が去り、俺 はすぐに 気を 整え、宿舎 へと戻った。

遠く から、落雲 が門口 で待っている のが見えた――その小さな顔 は冷たい風 に吹かれて 凍え、蒼白く なっていた。

俺の馬車 を見る と、彼女 は嬌声 を上げ 駆け寄って きた。


「狼将軍! 狼将軍! 」


まさか 何か あった のか?

俺 が心の中で 考えて いると、落雲 はすでに 俺の前 に来て、慌てて 一礼 し、焦って 報告 した。


「狼将軍――あの間者 はもう 去りました。

風将軍 から連絡 が入り、並肩王 が軍を 整列 させ、まさに 攻撃を 始めよう として いるそうです。

狼将軍 に現場 で指揮 を執って ほしいと 」


紫根 はもう 去った のか?

心 には 少し 残念 だった――それは 彼女 が任務失敗 を並肩王 に報告 し、彼女 を激怒 させたこと を意味 している。

だから すぐに 怒りの攻城 を始めた のだ。

思索 している間 に、かすかな砲火 と殺戮の声 が響き始めた――

異世界 に来て 最初の戦争 が始まった。


これら はすべて 女たちの戦争 だ。

俺の印象 の中 の女の戦争 と言えば 唾を飛ばし合い、罵り合う ものだ。

目の前 のように 屍が 野に 横たわる ものではない。

その 暴烈な残酷さ に、初めて戦争 を経験 する俺 でさえ 戦慄 した。

初めて の攻城 と撤退 の命令 で、数千の遺体 が残された――

艶やかな血 と柔らかな女性の魂 が融合 し、最も 奇怪で 美しい 風景 を形作って いた。


なぜか、目の前の 怒号 と殺戮 を見て、俺 は錯覚 を覚えた――

眼前のすべて があまりに 現実 だと。

女 もこうして 残酷に 殺される ことができる のか。

前世 で男 に対し ては、手段 を選ばず、生死 は運命 と思って いた。

しかしここ でその 若く可憐な 少女たち が一瞬 で屍 に変わる のを見る と、その 感慨 は誰に も分からない だろう。


これ は俺 の望むもの ではない。本当に 望むもの ではない。

戦争 は男 がするもの だ。

男 が戦場 に立つ のが 真の勇者 だ。

女 は生まれつき 愛でられ、守られる べきもの だ。

その瞬間、俺 は本当に 純凰 を思った――最も愛する女 よ、お前も 今 の目の前 の光景 を経験して いるの か?

悲憐、博愛――俺 は女が 殺される のを見たく はなかった。

心 の中 で火 が燃え上がり、全身 を血に染めた 風間ひら が俺の前に 来た とき、

俺 はもう 抑えきれない 赤い目 を露わに していた。

婉柔 な可憐さ は汚血の悪鬼 に変わって いた――それが 彼女の傷の血 か敵の血 か区別がつかなかった。


「狼将軍――敵の 第二波の 突撃 がもうすぐ です。

どうか 主帳 に戻って ご待機 ください。

血に染まる戦場 は、女 がするべきこと です 」


怒りの心 が思わず 消えた。

俺 は思わなかった――風間ひら がこんな 大女尊主義 の言葉 を俺 に言う とは。

彼女 はもう 自分 が俺の 部下 だという ことを 忘れて しまったの か?



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