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第12章 宮廷の異変

高座に座する雲ここ女皇 は驚きの表情 を浮かべていた。

娘・柔伊 の先ほどの言葉 は、彼女の予想を超えていた。

数年 の月日 を経て、娘も 確かに 成長し、男を欲する年頃 になった のだ。

だが――純凰 という2番目の妹 がこれほどまでに この男に 夢中 になっている のを見て、どう 言葉をかければいいのか?

たとえ 長年の 姉妹の情 を考慮しなくとも、純字軍団の力 を考えねばならない。

余計な変乱 を避けるために。

女皇 として、彼女は その点を 考慮せざるを得なかった。

雲国 は今、内憂外患 にさらされている。

これ以上 大きな騒動 を起こすわけにはいかない――そうすれば 国基 が危うくなる からだ。


そこで、彼女は 表情を引き締めて 言った。


「柔伊、もう騒ぐな。

叔母の男 に対して、そんな無礼は許さない 」


雲ここ のこの一言 は、純凰 と俺 の関係 を完全に認めた ことになる。

一国の皇 の言葉 は、まさに 詔勅 であり、誰も 逆らうことはできない。

柔伊 でさえも。


しかし――純凰 が喜びの笑顔 を見せる間もなく、

俺 の手 を引っ張っていた 小姫君 は悲憤の極み に達し、

一声 叫んだ。


「やだ……! 」


そのまま、彼女の身体 は力なく 崩れ落ちた。

俺 は思わなかった――これほど幼い女の子 が、これほど 真剣に愛する とは。

そうだ――俺 はひしひしと 感じ取っていた。

まだ成熟しきらぬ愛恋 が、これほどまでに 熱く、

消すことのできない 大火の如く 燃え上がっている ことを。


「柔伊……! 」


俺 の心 は痛んだ――本当に 痛んだ。

誰が ここに愛がない などと言えるだろう?

柔伊 がその証 だ。

あるいはこれからの歳月、柔伊の柔情 がずっと 俺 を支え続ける だろう。

俺 は常にそう思っていた――豊豊ちゃり大陸は 救える と。


俺 が純凰 のきつく握る手 を振りほどき、

柔伊の身体 を抱きかかえた とき、

背後 で純凰 が涙に濡れている ことに気づかなかった。

そして当然、高座の雲ここ女皇 の目 に一瞬 走った光 にも気づかなかった。

なぜなら 俺 の目 に浮かぶ 関心と心痛 が本物 であり、一片の偽りもなかった からだ。

その瞬間、大殿全体 が俺 の愛 で満たされた――ここにはかつてなかった 男の愛 で。


「女皇陛下――どうか、この 柔伊 のそばに いさせてください。

宮中に 滞在する お許しを 」


俺 は腕の中の人 をきつく抱きしめ、美しい女皇 に願い出た。

心の中 では疑問 もあった――この女皇 は純凰と そう変わらない年齢 なのに、こんなに大きな娘 がいる とは。

だがそれ以上 考える わけにはいかなかった。

今の柔伊 はすぐに 医師の診察 を受けるべき だった。


「よかろう―― 朕 が許す 」


奇妙なことに、雲ここ は拒絶せず、余計な考慮もなく、

即座に 承諾した。

長年 男の侵入を禁じてきた 宮中の掟 を破って。

彼女は自分でも 不思議だった――今の自分 は娘のことを 少しも心配していない ことに。


「旦那…… 」


俺 が立ち去ろう としたとき、背後から 純凰の 傷ついた声 が聞こえた。

情愛に満ち、女の 憂いを帯びた 怨 が隠されていた。


「ああ、嫁よ。すまない。

本当に この小娘が 心配なんだ。

安心しろ――俺はお前の旦那だ。永遠にそうだ。

この小娘を 落ち着かせたら、戻るから……

もちろん、お前が 俺に会いに来てもいいんだぞ 」


その時 俺 は初めて、心配のあまり 自分の嫁 をなおざりにしていた ことに気づいた。

だが今の俺 の心 はどうしても 冷酷にはなれなかった。

ただ 純凰 に謝る しかなかった。


彼女はもう 口を開かなかった。

だがその目から は一層 二層と 涙が溢れ、

ついに 口を覆って 振り返らず 駆け去っていった。

俺 はその様子 に戸惑った――別に 生き別れになるわけでもない。それほど 悲しむことでもないだろう。


今の俺 は知らなかった――

これが 宮中の 百年のルール だと。


――いかなる男も、一度内宮に入れば、

生は宮中の人、死は宮中の鬼となり、

永遠に 宮の外に出ることはできない。


幸い 宦官にされるわけではない が、それでも 俺 はやばい と思った。


それは 広大な寝宮 だった。

格別に 典雅で清楚な 装飾 が施され、

淡い清香 が小姫君の体臭 とまったく同じ だった。

俺 が彼女をベッドに 横たえた とき、

彼女の手 はまだ 俺 の袖 をしっかりと掴み、一刻も離さなかった。

だから 俺 もベッドのそばに 座るしかなかった。


診察に来た女医 が小姫君の服を 解こうとした とき、

一瞬 そばに座る女皇 に視線 を送った。

女皇 がうなずいた のを見て、それ以上 何も言わなかった。

しかし俺 はまたしても ラッキーな目 に恵まれた――

柔伊の 小さな胸の半分 が露わになった。


柔伊 は絶世の美人 だった。

その玉の顔 は花のような容姿 を持ち、

帝王の家 に生まれた ため、その上品な気質 は並みの者の及ぶところではない。

どの角度から見ても、格別に 高貴で 可憐だった。

その白い首の下 は水晶のように輝き、柔らかな光 を放っていた。

そびえ始めた 小さな椒乳 は発育途上 で、純凰の それには 比べるべくもない。

だが――それでも いくぶんかの 誘惑的な 春の色 が漂い、

俺 の目 を釘付け にした。

奇妙なことに、そばの女皇 は何の反応も示さず、ただ静かに座り、

俺 のスケベな目 が娘の身体 を見尽くす のを許していた。


「女皇陛下に申し上げます――姫君は一時の 気の逆上 によるものです。大事はございません。

しばらく休めば 治ります 」


宮廷の御医 がついに口を開いた。

女皇 は手を振って、彼女たちに 退出を命じた。


「女皇陛下――姫君が無事なら、あなたはお戻りください。

私が 小姫君の世話をします 」


雲ここ女皇 がここで 沈思 にふけっている のを見て、俺 は少し気まずかった。

何と言っても、美人の前で 別の女 のおいしいところ を占い、

しかも 母娘関係 の二人 に対して だ。

さすがに 気が引けた。


「ああ、そうだ――まだ お前の名前 を聞いていなかったな 」


女皇 はついに 俺 の言葉 で思いから覚め、

玉の顔 を上げて 優しく尋ねた。


「ああ、失礼しました。女皇陛下――

私の名前は 岡見 といいます。

『 岡見 』とお呼びください 」


もちろん、俺 は言わなかった――いつか 俺 の女たち に『岡見』と呼ばせたい と。


「岡見……岡見…… 」


突然、威風堂々たる女皇 が言葉を止めた。

その名前 を何度か 口にした とき、

彼女の心 に何か見知らぬ羞恥 が生まれ、

すでに 枯れ果てた 彼女の心臓 が思わず 鼓動を打った。


彼女は 表情を引き締め、内心の 熱い高まり を抑えながら、

俺 に言った。


「岡見――お前が ここに 入る 決心 をした なら、

柔伊に 優しく接し、私のような道 を歩ませるな。

分かっているな?

もし 朕 を失望させれば、お前は 二度と 日の目を見ることはない 」


最後 の言葉 はいくぶん 厳しく、耐え難い苦痛 を含んでいた。


「女皇陛下、ご安心を。

柔伊は こんなに可愛い。彼女を傷つけはしない。

必ず 彼女を 幸せにしてみせます 」


それは 俺 の保証 だった。

だが 雲ここ女皇 はそれを 一つの約束 として受け止めた――生涯の約束 として。

聞き終えると、ただうなずいて、無言で退いていった。

あるいは娘は 自分より 幸福になるだろう――

俺 が柔伊 を深く見つめる のを見て、振り返った雲ここ は心の中で そう思った。


女皇が去ると、寝室は静かになった。

清香が 鼻先をかすめる――俺 は夢の中 にいるのか と思った。

一つの世界 から別の世界 へと来て、これほど多くの 情愛の糸 が絡みつく とは。

ああ、小姫君――早く よくなってくれ。

そうしなければ、純凰の嫁 が今ごろ どれほど怒っているか。


寝ている人 を見つめると、

その顔 には人を惹きつける 可憐な表情 が浮かんでいた。

愛を渇望し、温もりを渇望する その姿は、

純凰 の寝顔 とまったく同じ だった。

俺 は不思議に思った――

この世界の女たち は愛の滋養を 味わったことがない のか?

愛とは何か を知らない のか?

そうでなければ、なぜ どの女の表情も これほど 淋しく、孤独 なのか?


彼女は 姫君 であり、人々の愛玩の的 であり、

すべての寵愛 を一身に集めている。

それでも楽しくない時 がある のだろうか?

傷つくこと もある のだろうか?


「や……やめて……行かないで……行かないで…… 」


小姫君・柔伊 の口 から恐怖の呟き が漏れた。

その手 は無意識に さらに強く 俺 の袖 を掴み、全身全霊で しがみついている ようだった。

俺 の腕 が痛む。

閉じた目尻 から一筋の 水晶の涙 が溢れ、

瞬く間に 可憐な顔 に二筋の 湿った跡 を残した。


「行かない。行かないぞ。

岡見兄ちゃんは お前を離れたりしない。

絶対に 」


俺 は逆に 彼女の柔らかい小さな手 をしっかりと握り、

彼女への愛おしさ を伝えた――本物の愛おしさ だ。

一片の偽りもない。

その瞬間、俺 はこの小美人 を心から愛していた。

人生が こうも 計らうなら、徹底的に 愛し尽くしてやろう。


将軍府 内。


戦場のような 慌しさ だった。

女護衛たち は皆 肝を冷やし、

純凰の寝室 には今や 二人 だけがいた――

主人の純凰 と近衛隊長の純鷹 だ。


「将軍! 将軍! おやめください! おやめください! 」


純凰 はまたしても 高価な装飾の陶器 を叩き割っていた。

その狂乱の心情 を余すところなく 発散させて。

純鷹の なだめ も顧みず、ただ 青ざめた顔 で物を投げつける。

床 はすでに 荒れ果て、破片 が部屋中 に散らばっていた。

宮中 から戻ってから三時間――彼女は 一度も 止まらなかった。

そばでなだめる純鷹 も疲れ果てていた。


「将軍、一人の男など何だというのです!

我が純字軍団には どんな男だって おります!

将軍がお望みなら、いつでも 連れてまいります! 」


純鷹 は純凰の手 を押さえ、そう言った。


「黙れ! 私の前で もう男の話はするな!

するな! するな!

なぜなの? なぜなの?

岡見……なぜ私を置いていくの? なぜ? 」


力づくで純鷹の手 を振りほどき、

最も高価で美しい花瓶 が床に砕け散った。

その時、純凰 も玉の手 を垂れた。

彼女の心 は今、本当に 疲れ果てていた。

なぜ あの男は 自分を 選んで去るのか、分からなかった。

――まさか、私が それほど 価値のない女 なのか?

男に愛される資格 もないのか?


「はい、分かりました。言いません。言いません 」


純凰 の怒りの形相 を見て、純鷹 は怖気づいた。

もう 口を開けなかった。

だが彼女の心は知っていた――将軍の心 はずっと あの男 を思っている と。

自分も 忘れられない あの男を。


純凰 は力尽きて 地面に崩れ落ち、

声も かすれていた が、なおも 呟き続けた。


「……なぜ……? なぜ……? 」


「純鷹……教えてくれ。なぜあの男は私を拒むんだ?

なぜ私を選ばないんだ?

私が醜いからか? 私が優しくなかったからか? 」


彼女は 純鷹の手 を掴み、まるで水の中 で藁にもすがるように、必死に問い詰めた。


この美しい将軍 がこんなにも 沉迷し、狂乱する 様子を見て、

純鷹の心 は本当に痛んだ。

たった一人の男 が、この偉大な鳳将 をここまで 苦しめる。

彼女たちが 共に過ごしたのは たった一夜 に過ぎない。

――愛とは、本当に これほど 人を傷つけるものなのか?


「はい、分かりました。言いません。言いません 」


純凰 の怒りの形相 を見て、純鷹 は怖気づいた。

もう 口を開けなかった。

だが彼女の心は知っていた――将軍の心 はずっと あの男 を思っている と。

自分も 忘れられない あの男を。


純凰 は力尽きて 地面に崩れ落ち、

声も かすれていた が、なおも 呟き続けた。


「……なぜ……? なぜ……? 」


「純鷹……教えてくれ。なぜあの男は私を拒むんだ?

なぜ私を選ばないんだ?

私が醜いからか? 私が優しくなかったからか? 」


彼女は 純鷹の手 を掴み、まるで水の中 で藁にもすがるように、必死に問い詰めた。


この美しい将軍 がこんなにも 沉迷し、狂乱する 様子を見て、

純鷹の心 は本当に痛んだ。

たった一人の男 が、この偉大な鳳将 をここまで 苦しめる。

彼女たちが 共に過ごしたのは たった一夜 に過ぎない。

――愛とは、本当に これほど 人を傷つけるものなのか?

純鷹 はその時、深い迷い に陥った。


「そんなことはありません! そんなことはありません!

将軍は 世界で最も美しい女です!

絶世の美貌 だけでなく、比類ない英知 もお持ちだ。

あなたは 雲国の希望 であり、雲国子民の偶像 です!

私たちは あなたなしでは生きられません! 」


純鷹 も泣いていた。

純凰将軍の顔 には、いつの間にか 涙の跡 が広がっていた。


「それなら……なぜ あの男は 私を拒むんだ……? 」


この 痛々しい言葉 が、

かつて 敵の前で 決して退かなかった 鳳将 の口 から漏れた。

それがさらに 一層の 哀れさ を漂わせていた。


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