表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
海にいだかれて  作者: 雪本 風香


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
50/76

9章 4

 コンコン、とドアをノックして、顔を覗かせたのは千尋だった。


「陽太くん、ちょっといい……? あっ……」

 千尋が目を止めたのは、オレのパソコンの画面。

 そこには、先ほどまで見ていた学校のサイトが、バーンと映っていた。


「……そういうこと、か」

 いたずらっぽく笑う千尋に、オレは恥ずかしくなって目線をズラす。


 その学校は船と海のことが学べる、高等専門学校だ。

 愛媛県にある学校というのもあるけれど。

 一番の魅力は、寮生活ができる、という点だ。


 それに。

 タケさんと千尋と一緒に住んでいる内に、気に入ってしまったのだ。

 この県が。この町が。


 そりゃあ東京に比べたら、刺激は少ないよ。

 町全体がのんびりしているし、車がないと不便だし。

 遊ぶところも限られているし、高校や大学の選択肢もグッと減る。

 

 けどさ、あるんだよな、ここには。

 オレが東京で見なかった、いや、見る余裕がなかった世界が。


 自然ってこんなにも、きれいなんだって。

 人間って、こんなにも暖かいんだって。


 赤の他人に等しいオレでも、受け入れようとしてくれるこの町が。

 離れがたくなるくらいには、気に入っていた。

  

「タケちゃん、頑固だからねー。きっと説明しても、折れないよ」

「……わかってる」 

「じゃあさ」


 千尋は、なにか(たくら)んでいるような、笑みを浮かべた。


「私と行こっか、そこに」


「へっ……?」

 

 意外すぎる千尋の言葉に、オレはポカンとしてしまったのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ