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軍艦族~warship girls~  作者: SINTAROBASU
古鷹カッコカリカイソウ
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4/6

第三番艦――艦族古鷹 対 人工艦族若鷹――

「」で書かれている文は話している台詞

『』で書かれている文は思考


と思ってくれればいいです。

ウォォォォォオオォゥ


ヒュォォォォォ

ォオォォ…

ズドォァォ…


「全艦に通達。現在、敵空母艦載機による攻撃を受けています。出撃可能な艦は速やかに迎撃に向かってください。繰り返し――」


―――――――――

古鷹)「……燃えてる、呉、が…。あ、ぁぁ…」


明石)「お鷹ちゃん!何してるっホ!?早く出撃するっホ!!」


古鷹)「はっ…す、すいません!」

――――――

呉鎮守府。古鷹の新たな家となったそこは、現在人口艦族による攻撃を受けていた。もちろん、そこに情けはない。

あるのは冷徹な合理性と火力のみ。


これが古鷹の初陣となり、数々の艦を見送ることとなる惨劇の始まりなのである。

――――――

古鷹)「ぎ…艤装展開!」

古鷹は艤装を展開し、海面へ降り立つ。

先に戦っている他艦を援護すべく、その身を滑らせて行った。


薩摩)「古鷹さーん!!」


古鷹)「薩摩さん!よかった…無事でしたか?」


薩摩)「はいっ!今回爆撃を受けた倉庫周辺には居ませんでしたから!」


古鷹)「よかった、でも…どうして今更呉を爆撃なんて…」


薩摩)「さぁ!?私にもサッパリ――っ!?古鷹さん!前方に敵影!」


古鷹)「えっ!?」


二隻の前にいたのは、重巡二隻、空母二隻の機動艦隊。


薩摩)「あれはっ…重巡ワ級と空母リ級!」


古鷹)「えっ!?…それ大丈夫なんですか!?」


薩摩)「私にもわっかんない!今の今まで実戦経験皆無だったから!」


古鷹)「はぁっ!?……っ!…敵弾来る!」


ワ級による砲撃が始まった。

重巡ワ級。正式名称を「若鷹級護衛重巡洋艦」それは、古鷹を元に設計された量産型の護衛重巡洋艦である。


薩摩)「きゃっ!…くそぅ!負けてられっかぁ!」


薩摩が砲塔を旋回させる。中間砲の20.3cm連装砲塔。しかし問題は正面へ砲撃出来ない事である。


古鷹)「くっ……私が一方の気を引きます!だから薩摩さんはもう一方を!」


薩摩)「はいっ!」


「……御武運を。」


古鷹)「薩摩さんも、ご無事で。」

――――――――――――


古鷹)『今の私ならこの距離で当たる…でも、沈めるのではなく、敵艦の…目を潰して、戦意を断つ…!』

「主砲、右砲戦用意!榴弾装填、交互撃ち方用意!」


――――――――――――――――――

その頃、薩摩は。


薩摩)「はぁ、 はぁ、 ぅてぇーっ!」


ワ級に対して苦戦を強いられていた。

近代戦に置いて、現在の薩摩は重巡と互角以上に渡り合える性能である。

しかし、薩摩唯一の欠点は水雷防御の低さと速力差。ワ級には52cm魚雷が搭載してあり、いまの薩摩では致命傷になりかねない。

さらには現在の薩摩は最高速力24。対するワ級は速力34。双方、離れすれば砲撃できず、近づきすぎればワ級は蜂の巣、薩摩は被雷。絶妙な距離感で交戦をしているのである。


薩摩)「もっと…せめて一万五千まで近づいてきてくれれば、副砲も――」


その時、後方から聞き覚えのあるいや、忘れることなどできない怒号が聞こえてきた。


敷島)「薩摩ぁぁぁあ!!」

「しゃがめぇぇぇ!!」


薩摩)「ひえっ!?は、はいぃっ!」


高速で突っ込んできた敷島の武装は必要最低限だった。副砲はなく、排煙を補うために煙突が無理矢理増設されている。そして何よりも注目するのは、本来あるはずの主砲30.5cmの位置に、金剛や扶桑と同口径の「35.6cm」が搭載されていることである。


そのまま敷島は沈めた片足を軸にドリフト旋回し、照準を重巡ワ級と空母リ級へと向ける。


敷島)「ってぇぇぇえ!!」


敷島が放った35.6cm砲弾は吸い込まれるようにワ級に着弾。

二発はリ級の腹部を、もう二発はワ級の艦橋、詳細に言えば文字通りワ級の「頭」を抉り飛ばした。


薩摩)「敷島教官っ…!来てくれたんですね!」


敷島)「あぁ、明石に無理言って即席で改装してもらったよ。だが、私はもう戦えそうにないな。」


薩摩)「なっ…!?どうしてです!まだ教官の主砲残弾はあるはずです!」


敷島)「薩摩、考えてみろ。この砲は即席で搭載したものだ。そう簡単に私が慣れることはできないし、このまま撃ちつづければ過負荷で腹から割れて沈むんだ。」


薩摩)「じゃあ、なんでそんなことしてまで――」


敷島)「決まっているろう?この日本戦艦の大姉御が妹達を犬死にさせるわけがないだろう。」

「それに、ただの機械が…愛し合う事も友情を育むこともできない鉄屑共が、この地を踏み荒らす事だけはさせたくない。」

「たとえ、それが自分の死を意味することでも。私には、それが我慢ならんのだ。」


薩摩)「教官………」


―――――――――――――――

そして場面戻り古鷹と若鷹へ。


古鷹)「ってぇぇっ!」


古鷹と若鷹の砲戦が続いていた。

致命打こそないものの、古鷹は小破、顔左側面と正面腹部に被弾し応急止血。若鷹は主砲1基故障、右腕と左胸に被弾し内部構造が見えている。頭へ損害を与えることはできなかった。


古鷹)『相手も私と同じでボロボロ…今ここで決めなきゃ…!』


古鷹)「…使うしかないか。」

「主砲、鋼製徹甲弾!」


鋼製徹甲弾とは。

通常の徹甲弾とは違い、爆発しない質量砲弾である。明石が古鷹に持たせた即席品、言わば鉄塊を固めました的なもの。

弾体の強度を高め、敵艦の損傷部に撃ちこみ貫通させる。

威力こそ低いが、貫通すれば艦内設備の破壊や過貫通による浸水を起こし、砲口径と重量にもよるが、徹甲弾でも届かない重要部への攻撃ができる。


古鷹)「今度こそ、頭をっ…!」


――――――――――――


敵弾が来る。


―――――――――


被弾する。

 

――――――


それでも、古鷹は狙う。


―――


古鷹)「ってぇぇっ!」


6発の鋼鉄塊が古鷹から放たれた。

着弾まで…


5……


4……


3……


2……


1――


――――――


命中数3発。

ワ級に着弾した一発が腹部に刺さり込み、一発が頭を過貫通し、一発が肩を抉った。

ワ級沈黙、戦闘不能。



古鷹は感じた。

私は軍艦。人ではない。でも、これは戦いごっこではない。未知の生物と戦う訳でもない。

己と同じ人工物と争う――


戦争なのだと


彼女らも、自分たちと同じように

血を流すのだと


古鷹)『なんで、私達は戦うんだろう。こうしてみると、ほんとにあの子達は″人工″なのかな。』


その時、明石からの通信がくる。


明石)「あ~、あ~~。聞こえるっホ?」


古鷹)「はっ、はぃっ!聞こえますよ?」


明石)「よかったっホ!ということはお鷹ちゃん生きてるっホね?このすぐ後に増援が来るっホ、残りは任せて帰投するっホ。」


古鷹)「えっ…でもまだリ級が一隻…」


明石)「たかが一隻の空母でなにができるっホ?敷島教官も心配っホから、早く帰って来るっホ~」


古鷹)「は…はい……。」


そして呉に近づいてきた頃、古鷹の耳にあの声が聞こえる。


薩摩)「古鷹さぁぁぁん!」


敷島)「古鷹、無事だったか…」


薩摩が敷島を引っ張っていた。


古鷹)「薩摩さん!敷島教官!無事だったんですね!…敷島教官、あの…どうして薩摩に引かれて…?」


心臓辺りを指さしながら、敷島は言う。


敷島)「あぁ、少しここに無理させてね。故障やらなんやらで出力がガタ落ちしてしまったんだよ。」


古鷹)「だっ、大丈夫なんですか!?」


敷島)「幸い爆発までとはいかなかったが、こりゃしばらく海には出られそうにないな。」


古鷹)「えぇ…そんなぁ……」


薩摩)「そんなに落ち込まなくて良いじゃないですか、敷島教官は沈んでも蘇りますし!」


敷島)「私は不死身かなにかとでも思われてるのか…?」


古鷹)「ふふっ……薩摩さん、よくこんな状況で冗談言えますね…」


薩摩)「えへへ…」


こうして、呉襲撃はひとまず改装後古鷹と薩摩の初陣として幕を下ろした。

だが、なぜ今更人工艦族は呉を狙ったのか、そこに何の意図があったのかは誰にも分からないまま、三隻は呉へと帰還した。


――――――――――――


???)「あれが、軍艦族……」


―――――――――



次回「第四番艦――古鷹と大和とアイオワ――」


う~ん…確かに古鷹 対 若鷹だけども…。

薩摩 対 若鷹の方がメインっぽくなっちゃったなぁ…

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