ep.12 VS使い魔
(撃たれた・・・)
胸の衝撃と共に、世羅は、吹き飛び、地に転がった。
撃った犯人は、フルフェイスヘルメットをかぶったまま、死んだかどうかの確認のため、銃口を向けたまま世羅に近づいた。
確認のため、倒れている世羅を蹴飛ばそうとした瞬間、世羅は、片手と足の先で犯人の足首をひっかけると、空いた足で腹を蹴飛ばした。
犯人は、なすすべなく後方に転倒する、銃が転がった。
すかさず、世羅は、相手の腹の上に乗ると、腕を取って関節を極める、
フルフェイスのシールドを突き破って触手が飛び出して来た。
「なっ?!」
世羅は素早くサイドに飛びのき触手をかわすや、一回転して立ち上がる。
犯人はゆっくりと立ち上がり、ヘルメットを外した。
男の口から触手がうようよと動いていたが、触手が口に戻った。
男が不思議そうな顔で問う。
「なぜ生きている?」
「お前こそ、なぜ俺を狙う?」
犯人が銃を拾おうとした瞬間、世羅が銃口を向ける。
「動くな」
「なぜ、お前も銃を持っている?」
「もう一度言う、動くな」
「はは、はったりだろ?」
世羅がトリガーを引く、地面の銃が弾け飛んだ。
「くそ!」
「さて、改めて質問だ、なぜ、俺を狙う?」
「ブタがしゃべるな!」
言うや、男が世羅に向かって走ってくる。
パン、乾いた音がする。
世羅が、男の片膝を打ち抜いた、
男は、ガクリと崩れたが、かまわず足を引きずり、突進しながら、触手を伸ばしてくる。
世羅は、飛びのいてかわすと、触手は電柱にぶつかる、電柱がジュクジュクと音を立てる。
(強酸か・・・)
「悪く思うなよ!」
パン!
世羅が、トリガーを引くと、男の顔のど真ん中に大きな穴があいた。
男は、後方に吹き飛び、アスファルトに倒れこんだ。
男の顔から触手が消え、顔に穴の開いた死体が出来上がった。
世羅は、銃口を向けたまま、男の状況を慎重に確認し、死んでいることを把握した。
世羅は、電話を掛けた。
「井草だ。どうした世羅?」
「今、マレフィクスと遭遇し、戦闘の上、射殺しました」
「分かった、処理の手配はこちらでする。
お前はそのまま、現場を保存しろ」
「分かりました」
世羅は電話を切った。
世羅はカバンから、テープを取り出すと立入禁止区域の設置を手早く行った。
世羅は、遺体を確認すると粘液は残っているが、触手は完全に見当たらなかった。
「魔女の魔術の一種だろうか?人を使い魔にする術なのか?」
(なぜ、俺は狙われた?)
(たまたま、食料にされかけただけなのか?
それとも、機構関係者と知って狙われた?
確率から行くと、後者と考えたほうがいいだろう)
(じゃあ、どこで?誰が?そうだと気付いた・・・)
人とは思えないほどの美しい少女の顔が、世羅の脳裏をかすめた。
(紅い目の少女・・・まさかな・・・)
遠くから、パトカーのサイレンが聞こえて来た。




