ep.11 ハンバーガー店での邂逅
放課後、世羅と矢代は、逆瀬川駅付近にあるちょっと高級なハンバーガー店に来ていた。
「で、なぜ、俺がおごらなければならない?」
「下着のぞいた罰じゃ」
「もう、罰は受けただろ」
「私は、アボガド海老カツバーガーセットで、ドリンクは、オレンジジュースで」
「けっこう高いの行くね?
俺は、ハンバーガーセットで」
世羅は言った。
「矢代、真剣な話なんだが」
「え、何?」
「チキンもつけるから、もう一回みせてくれないか?」
「あほか、このド変態が!」
世羅達は、トレーを持って席に着く。
「このファストフード店、けっこう長いよな」
「うん、私が生まれた頃には既にあった」
「矢代はここから家が近いんだっけ?」
「うん、近いよ。
なんで?」
「いや、この辺り、物騒な事件が続いているから、食ったら送っていこうかと思って」
「え、心配してくれているの?」
「ま、まあ、一応、女子だしな」
「一応は余計じゃ」
世羅達は、ハンバーガーを食べながら、とりとめのない話をしていた。
・・・・・・
(はあーっ!ハアハアハア・・・)
「・・・・・・」
「どうした世羅、いきなり黙りこんで?」
「・・・・・・」
矢代が世羅の視線を追うと、そこには中学生であろう制服姿の女子が二人、しゃべりながら、ハンバーガーを食べていた。
矢代が思わずつぶやく。
「えっ、紅い瞳、すごく綺麗な子、ガラス細工みたい・・・」
「め、女神だ・・・」
「えっ、ちょっと世羅?」
「・・・・・・」
(ハアハアハアッ、か、可愛すぎる・・・)
(俺の人生・・・今まで見た中でランク最高を差し上げます!)
(お兄さん、ざこざこだねーとか言われて、尻を蹴飛ばして欲しい・・・)
「世羅、おい、世羅、帰って来い!」
矢代に頬をつねられ、世羅は原状復帰した。
「ああ、矢代いたのか?」
「いたのかじゃない!
女子と食事に来ているのに、他の女子に目が釘付けとか、ちょっと失礼だぞ」
「いや、俺は・・・別に、何も、見てないよ・・・」
「嘘つけ、桔梗に言いつけてやる」
「大野池さんは、今、関係なくなくな~い!」
私と文香は、逆瀬川駅付近にあるハンバーガー店で食事をしていた。
文香が言った。
「なんか、あそこのカップル、やけにこっちを見てない」
「そうね」
「お兄さんのほう、夜月のことガン見してない?」
「してるね」
「まあ、夜月の場合、良くあることだから、慣れているか、アハハ」
「そうね、ただ」
「ただ?」
夜月は、ポテトをつまみながら言う。
「お兄さんのほうは、ただ人ではなさそうだね」
「そうだよね、夜月も気づいているよね~
向こうはこっちのこと、気づいたかな?」
「気づいていないと思うけど。
まあ、私はどっちでもいいし」
「夜月、私、ちょっとトイレ行ってくるね~」
「・・・・・・」
夜月は、チーズバーガーをほおばった。
(ケチャップが効いて美味しい)
世羅は、矢代を家まで送って行った。
家の前で、矢代が言った。
「そう言えば、ハンバーガー店で世羅が見ていた子たち、聖神女学院の制服だったね」
「そうだったのか、聖神女学院・・・」
(いい匂いがしてきそうな学校名だな・・・)
「今日はありがとう、じゃあ、また学校で!」
「おう、またな」
世羅は来た道を一旦戻り、家に向かって歩いていた。
神社下のトンネルを抜けて、少し歩いた時だった。
後方からバイクの音とヘッドライトが近づいて来る。
「今日の女の子、可愛かったな~」
キキーッ、ブレーキの音がして、世羅は振り返る、
パン、パン、パンと乾いた音がすると、胸に衝撃が走った。




