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YAYOI(下)  作者: 葉月 優奈
六話:旅立ちの夏
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あれから一週間が過ぎた。

自分の会社に向かった後、『ナムラコーポレーション』の会議室に来ていた。

スーツ姿で呼ばれた僕と夏帆は、ナムラ側の『DEXSY』担当ディレクターと会議中。


会議室で、パソコン代わりに情報端末があった。

前には、ホワイトボードを片手に説明するサラリーマンの姿。


「こうすることで、音声を読み取るサービスを開始して……」

相手(ユーザー)は高齢者だから」

会議では、薪島で展開するサービスを開発していた。僕が提案していた。

村長の冬子さんからの依頼で、ナムラ側としても開発に意欲的だった。


少し前に、僕は薪島と式部島に帰った。

冬子さんに頼まれて、情報端末を持っていって薪島村の村民に説明会を行った。

だけど、そこでは機械に慣れない高齢者。説明会は、なかなかうまくいかない。


「画面をもっと大きくしたり……」

「それもいいが、後はマニュアルとか」

「マニュアルは、難しい。高齢者が分厚い説明書を読むのができないから」

頓挫(とんざ)してしまう議論、説明書で悩んでいた。


「そうだなぁ。後は……」

「『月歌人』」

僕は、そこで考えたことを伝えた。

そして、タブレット端末を開いて『月歌人』が出てきた。

僕達のマスコットにして、『DEXSY』のイメージキャラクター。


「月歌人は、キャラクター。それは僕達のシンボルであり証。

でも、キャラクターとしての価値はあってもイメージしかない。

だからこそ、イメージキャラとしてチュートリアルを……」

「大体わかったが、具体的には?」

「月歌人は十二人いますよね」

「ああ、旧暦ごとに……」

「簡単ですよ、月ごとのヘルプです。そして、その月ごとに専用のシステムを作るんです」

僕は、アイディアを思いつく限り話した。

いろいろ考えた事、レポートに書いたこと、それらすべてを話した。


「なるほど、ならばそのアイディアを採用できるな」

「僕達の新しい端末ならできるはずです」

「ほう、初耳だな」

「ええ、僕が考えた『YAYOIシステム』ですから」


自信たっぷりに、迷いなく言った。それは僕が、弥生から与えられたものだった。

そして、僕はもう一つ考えたとこを話し始めた。


「『YAYOIシステム』?」

「そう、弥生は薪島村にかつて存在していた女の子。僕の妹です。

僕にとって、彼女の数字を絶やすわけにはいかない。それが僕なんです」

力説した僕の想い、ナムラ側の社員はただ聞いていた。


「それより社長」

「ああ、そうでした。取り乱してすいません。それじゃあ、僕達の会社で作った試作品がありますので……」

僕はそういいながら、カバンから大きな箱を取り出した。

そこには、僕達が試行錯誤の末に完成した情報端末が入っていた。


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