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あれから一週間が過ぎた。
自分の会社に向かった後、『ナムラコーポレーション』の会議室に来ていた。
スーツ姿で呼ばれた僕と夏帆は、ナムラ側の『DEXSY』担当ディレクターと会議中。
会議室で、パソコン代わりに情報端末があった。
前には、ホワイトボードを片手に説明するサラリーマンの姿。
「こうすることで、音声を読み取るサービスを開始して……」
「相手は高齢者だから」
会議では、薪島で展開するサービスを開発していた。僕が提案していた。
村長の冬子さんからの依頼で、ナムラ側としても開発に意欲的だった。
少し前に、僕は薪島と式部島に帰った。
冬子さんに頼まれて、情報端末を持っていって薪島村の村民に説明会を行った。
だけど、そこでは機械に慣れない高齢者。説明会は、なかなかうまくいかない。
「画面をもっと大きくしたり……」
「それもいいが、後はマニュアルとか」
「マニュアルは、難しい。高齢者が分厚い説明書を読むのができないから」
頓挫してしまう議論、説明書で悩んでいた。
「そうだなぁ。後は……」
「『月歌人』」
僕は、そこで考えたことを伝えた。
そして、タブレット端末を開いて『月歌人』が出てきた。
僕達のマスコットにして、『DEXSY』のイメージキャラクター。
「月歌人は、キャラクター。それは僕達のシンボルであり証。
でも、キャラクターとしての価値はあってもイメージしかない。
だからこそ、イメージキャラとしてチュートリアルを……」
「大体わかったが、具体的には?」
「月歌人は十二人いますよね」
「ああ、旧暦ごとに……」
「簡単ですよ、月ごとのヘルプです。そして、その月ごとに専用のシステムを作るんです」
僕は、アイディアを思いつく限り話した。
いろいろ考えた事、レポートに書いたこと、それらすべてを話した。
「なるほど、ならばそのアイディアを採用できるな」
「僕達の新しい端末ならできるはずです」
「ほう、初耳だな」
「ええ、僕が考えた『YAYOIシステム』ですから」
自信たっぷりに、迷いなく言った。それは僕が、弥生から与えられたものだった。
そして、僕はもう一つ考えたとこを話し始めた。
「『YAYOIシステム』?」
「そう、弥生は薪島村にかつて存在していた女の子。僕の妹です。
僕にとって、彼女の数字を絶やすわけにはいかない。それが僕なんです」
力説した僕の想い、ナムラ側の社員はただ聞いていた。
「それより社長」
「ああ、そうでした。取り乱してすいません。それじゃあ、僕達の会社で作った試作品がありますので……」
僕はそういいながら、カバンから大きな箱を取り出した。
そこには、僕達が試行錯誤の末に完成した情報端末が入っていた。




