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あれから三か月の月日が流れた。僕と夏帆は、平見大学を卒業していた。
でも、今いるのは大学のプレハブの中。
学校内に建てた小さなプレハブ、それが僕の今の会社。
学校側から、土地を一年だけ借りて会社として運営していた。
僕の肩書は、学生から完全に変わっていた。
「社長、通信が来ています」
唯一の女性社員、夏帆がOL風の制服を着て歩いていた。
「ああ、ご苦労」
最近着なれた茶色のスーツを着た僕は、自分が開発したタッチパネルを見ていた。
『クサナギエージェント』の社長になって、早一年。梅雨時期で、プレハブの外は雨が降っていた。
「『ナムラコーポレーション』か。なるほど、回線を開こう」
タッチパネルを操作して、出てきたのが一人の中年の男性。
彼が『ナムラコーポレーション』の社長であることを、僕は知っていた。
「お久しぶりです、『クサナギエージェント』さん」
「何用ですか?先方の方から……」
「最近新しい試みをしたいと思って、単刀直入に言いたいが……」
「なんですか?」
「簡単な事ですよ、ソフトの運営に参加してほしい」
いきなり言ってきたので、僕は面を食らっていた。
「どういうことでしょうか?」
「この『DEXSY』、実はSNSサイトとして知っていると思うんだけど」
「ええ、僕も『DEXSY』のユーザーですよ。
なかなか使いやすいですよ、日記とか。コミュニティとか」
「草薙社長、ありがとうございます。そこで提案なんです」
「なんですか?」
「端末と『DEXSY』のイメージキャラクターを作ろうと思っているんですよ」
画像の中に写っている男が、首を横に振っていた。
「イメージキャラクター、ねぇ」
「そうそう、何か『クサナギ』さんの方でいいアイディアがあればお願いします。
時間はそうですね、二か月あれば十分でしょう」
そう言いながら、『ナムラコーポレーション』の社長が回線を切ってきた。
僕は、首をひねりながら端末の画像を見ていた。
「どうしました?」
「全く、あの社長には困ったものだ」
火のついていない煙草を口にくわえて、疲れた顔を見せた。
「おおい、戻ったぞ」
そこに、うちの会社で最高齢の白衣の男がなぜかアニメ雑誌片手に戻ってきた。




