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二度目の異世界召喚で再会したのは、かつてお世話していた王子でした  作者: リィズ・ブランディシュカ


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第4話 説明



 とりあえずどこぞの危険施設から脱出して、最寄りの町まで逃げた。


 小さな町だけど、よそ者に対して警戒心がないようだ。


 街道の近くにあり、商人や旅人がよく訪れるかららしく、私達も変に悪目立ちしなくて助かっている。


 勇者時代に旅をしたことはあるけれど、町の中では色々苦労したから、今回は何事もなくてよかった。


 落ち着いたところで私は王子様から説明を受けた。


 この世界は十年で色々と変わったらしい。


 以前はなかった組織ができたり、小さかった勢力が増えたりして、混迷を極めているのだとか。


 かつて魔王という脅威を前に一致団結していたように見えた世界は、実は奇跡的なバランスの上で成り立っていたもので、一歩間違えていたら魔王を倒す前に人類が絶滅していたかもしれないという。


 王子様がいうには、特に暗黒の教団という者たちがまずいらしい。


 死こそが人類の救済と考える彼らは、各地で大変な騒動を撒き散らし、復興に向けて努力している者たちの足を多いに引っ張っているのだとか。


 そんな中、暗黒の教団は勇者を洗脳して世界をめちゃくちゃにする案を思いつき実行。


 私が再び召喚されたというわけだ。


「ごめんね、助けに来るのが遅くなって。あの時はあんなに世界のために頑張ってくれたのに、今回のことは本当に申し訳なく思うよ」


 最後に王子様が謝罪の言葉を口にする。

 たしかに理不尽な仕打ちに怒りが込み上げていたのは事実だけど、それは暗黒なんちゃらに対して。


 眼の前の王子様にぶつける怒りなんてこれっぽっちもない。


 私は顔を上げるように言って王子様を励ました。


「ぜんぜん怒ってなんかないわよ。あなたは悪くないもの」


 しばらくしてから王子様はこれからのことを尋ねる。


「僕はあれから王になったんだ。父が病で急性して、母も色々あったからね。各国の統治者たちと話し合わなくちゃいけないし、たまっている仕事も片付けなくちゃ。本当なら君につきっきりでいたいけど、やらなくちゃいけないことが多くて」


 放置されて寂しそうにしていたあの王子様が、成長したものだなと思う。


 これからの予定を話す彼は、もう立派な王の顔をしていた。


「君はこれからどうする? 君が望むのなら、さみしいけど帰還用の魔法をこっちで準備させてもらうけど」


 私は少し考えてから話した。


「ううん、帰るのはもうちょっと後にするわ。王子様、じゃなくて王様が本当にちゃんとやれてるのか、少し心配だし。せっかくこの世界にまた来たんだから、あれから何があったのか見てみたい気持ちもあるしね」


 1度目の時にお世話になった人たちに顔を見せてから帰るのも悪くないだろうし、これが最後の別れになるかもしれないとなると、決断を先延ばしにしたくなる。


 もう危ないことはこりごりって気持ちはあるけど、この世界で1年も過ごした記憶があるんだから、築き上げてきたものをないがしろにはできない。


 そう伝えると王様はほっとした顔になった。


「そっか。じゃあそれまで快適に過ごせるように手配するね」


 大きくなったといっても、寂しがり屋なのは変わらないんだな。


 私は少しほっこりした気持ちになりながら王様になった、元王子様を見つめた。


 これから暫くの間よろしく、と手を差し出して握手をする。


 すると王様はさりげない動作で私の指に指輪をはめてきた。


 うん?

 これは?


 首をかしげて説明を促すと、王様は何の裏もなさそうな笑顔でニッコリと笑う。


「特別な魔法のかけられた指輪だよ。今回みたいなことがあってもすぐに助けにいけるように、位置を特定する魔法をかけたんだ」


 それはありがたい。

 誰の助けも見込めずに敵地に孤立する恐ろしさは身を持って学んでいる。


 何があっても諦めるつもりはないけど、できれ場精神的な支柱はほしいものだから。


「あ、あとこれもつけててね」


 王様はついでとばかりに私に髪飾りをつける。


「一度だけ魔法の攻撃を無力化してくれる道具だよ。あと、ついかで録音機能もあるから、やっかいなことに巻き込まれたら活用してね」


 説明する彼の表情に、何か不穏なものがよぎった。


 私は、ちょっとひっかかりながら、頷く。


 すると王様はさらに、きらびやかなローブを取り出して私にはおらせた。


 最初の見た目は薄いハンカチみたいだったけど、魔法で大きくなるらしい。


「これには一度だけ人の動きを完全に停止させる魔法が込められている。ローブに念じてくれれば、使えるから有効活用してね」


 私は顔をひきつらせた。


 もしかして、とても危ない世界に再召喚されてしまったのではないのかしら。


 予定を早めようかなと思ったけれど、嬉しそうな王様の顔を見ていると、やっぱりためらいが。


 一人できちんと頑張れているか、最低限確かめてからにしようと思い直した。



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