第54話 匣の中身はなんだろな。
んで、『匣』なんですが。
再開封するときにやり方がわからなかったらちょっと嫌だなーとか思ってましたが、なんかこう、眼の前に立つとなんとなく方法がわかっちゃうものなんですね。
……いや、まあ解らなかったならト書きさんに質問すれば答えてくれたような気もしますし問題ないんですが。
要はあれですね?このフォトニック・レゾナンス・チャンバー(仮)にクアンタム・ハーモナイザー(仮)をぶち込めばいいんですね?
いや、正式名称がわかんないんでなんかのゲーム用語で代用しましたが、大体そんな感じですよね?
あと、この単語が何のゲームの話だったか思い出せないのに老いを感じます。
……老い、ですよね?
「ほい、じゃあルテ。ここに私とルテの魔力を混ぜ混ぜした物を思いっきり流せば扉がもう一度開くはずです」
「わかりましたの!」
うんうん、ルテは私の言う事なら何でも信じてくれる所が気楽ですけど危なっかしいですね?
私が悪い大人だったら一発アウトですよ?
もしくは、私に化けたナニカが私のフリをしてたり。
……いや、そっちはなんとなく、秒で見抜いて決定的瞬間に首に刃を当てながら「で、本物のメリーはどこですの?」とか言いそうな気がしますね!
「はえー、これが『匣』ねー。ふむふむ、なるほど!これ自体が寓話霊装と同じ様な魔力波長を持ってて、開封時の魔力で構造を維持してる感じなんだわ!だから王が代わって新しい寓話霊装を取得しに来る度に充電が出来ると。逆に、誰も触らない状態でもっと長時間放置すれば自壊して中身を全部ばら撒く可能性があるけど、そこまでの時間を人類が寓話霊装なしで戦えるなら寓話霊装自体が不要になってるか、それ以上のモノが開発された後なはずだから大丈夫って事かな?よく出来てるわねぇ……」
「ね、ねえルテ?メリーさん?なんかこの子が勝手について来てたから捕まえたんだけど……」
で、えっと。
ベルさんは、この後渡すものがあるのでーって呼び出して着いてきてもらったので居るのは当たり前なんですが……。
どこから嗅ぎつけました?この汚姫様。
「ふっふーん、私に掛かれば魔力由来の盗聴器を服につけるぐらいお茶の子さいs……」
……あ、魔力感知に引っかかりました。これですね、ぷちっと。
「あ゛ー!なんでそんなすぐ見つけられるのよ!普通はもっとこう、服を脱いでバサバサしたりして探すでしょう!?脱衣シーンが拝めるところじゃなかったの!?」
あー、そう言えば他人を脱がしたがる設定とかありましたっけこの子……。
確か、海老蟹さんのシナリオでは頻繁にベルさんが脱がされたり際どい衣装着せられたりしてた気が……。
……あれ?何故か今そのターゲットが私になっちゃってるって事ですこれ?
いや、不味いですよそれは!
「……メリーの裸を見ていいのはわたくしだけですの。もしかして、もうお墓に入りたいお年頃なんですの?」
ほら!こんな感じでルテのハイライトさんがマッハで家出しちゃいますから!
「どうどうどう、ほら、実際には脱がずに済んだんだからセーフですよ。必要な人材……になると思うので、まだ殺しちゃダメですよ」
「そ、そうだよルテ!少なくとも、私の前で人殺しはダメ、絶対。そりゃ、あの王様達みたいな生きてるほうが迷惑だった人達はちょっとしょうがないけど……」
「あ、やっぱりあの父親達はそういう扱いだったのね?いやー、死んでもらってよかったわ。おかげでこんなぶっといパトロンが付いたわけだし」
「ちょっと黙って?」
「ぐげぇ!」
おっとベルさん、笑顔のフロントチョーク。
……なにげに、プロレス好きなんですよねベルさん。
私は私で中国拳法が好きだったりしますが!
「おっと、フィアネイアさんをベルさんが押さえてる今のうちに『匣』に入っちゃいましょう」
「ええ、今のうちですの!」
──王と王妃の魔力波長を登録。匣を開封します──
よし!とりあえず、サクッと入って必要なものだけ取ってサクっと出てきましょう。
ルテ的にはどうして私がどの寓話霊装が使えるか解るのかとか疑問いっぱいでしょうけど、その辺りはなんとかスルーして頂いて……。
☆
さて、多分史上最も短時間で『匣』に入り直した私達ですが……。
えっと、私が流体制御の魔法を持ってるからわかっちゃうんですけど、これ。
「ルテが私を抱えたまま歩き回った気流がそのまま残ってましたね……」
「ということは、この中の時間は無人である限り停止している……という事ですの?」
「でしょうねぇ……」
なるほど、保管庫としては最高の性能という事ですね。
まあ、それはともかくお目当ての寓話霊装を探しましょう。
あ、忘れないうちに。
「とりあえず、使用回数は1回だけでしたけど便利でした。お疲れ様でしたハートの女王の配下達。必要になったら、また取りに来ますね」
はい、いくら私でも寓話霊装を何個も装備したら魔力制御が狂っちゃいますからね。
今のとこ、支障のない装備個数は……んー、補助系だけなら5~6個イケそうな気がしますがどうなんですかね?
ただ、5個も6個も寓話霊装持ち出しちゃうと今度は運用の方で頭が付いてこなさそうな気がします。
なんだかんだ一度に使うのは2~3個にしておくのが無難なんじゃないでしょうか。
で、今回用事があるのは……。
「あ、メリー、これではありませんの?」
「お、ナイスですルテ!それですそれ!」
おかしなおかしの家!
使用条件は……。
【誰からも好かれる、清い心の持ち主……だよ。誰が使えるんこんなん?】
ふっ、少なくとも私には使用不能ですね!
……まあ、ベルさんは誰からも好かれるとても良い子なので、現状でもちゃんと使えると思います。
これ、案外ちーちゃんとかも使えたり……、いや、昔の恥ずかしいネタで強請って訓練をサボりまくる子は清い心の持ち主かどうか怪しい所ですね。
駄犬姫?どう考えても無理でしょ……。
で、後は……。
あった!三匹の子豚モチーフのこれ!
ちなみに使用条件は【度重なる失敗にもくじけない強い心の持ち主】なのでスーパーメンタルつよつよキャラにしか使えません。
これも私には無理ですね。
ただまあ、これが最適装備な汚姫様が居るんですよねぇ……。
たしかにまあ、くじけない事にかけては最強なのかもしれませんが。
あとは、私用の寓話霊装ですね。
次に侵攻してくる魔王がどれなのか予測不可能な現状、色んなパターンをカバー出来る汎用性の高い寓話霊装が欲しいところですが……。
主に、ルテのメインウェポンが通用しない場合とかの攻撃手段と、あとバフ系の奴。
あ、《《これ》》なんて良さそうですね。
えっと、使用条件は……。
【100時間以上連続して眠っていた経験があること】
まあ、元ネタを考えればそんな感じの条件になりますよね。
100年間なんて言われなかっただけいいと思いましょう。
しかしこんな条件、誰が満たせると……。
満たせると……。
満たしてますね、私。
よし、メインウェポンはこれにしましょう!
あとは、皆へのバフが配れるやつを……。
なんかあったかな?
いや、色々ネタを考えたりはしましたが、その中に実在する寓話霊装がどれだけあるのかは知りませんからね?
実質、効果を確実に知っている寓話霊装はシナリオで受け取った奴だけって事になります。
……あれ?総数から考えると案外少なかったりします?
ここは有識者に聞いてみましょうか。
ト書きさん、何かおすすめとかありません?
【←これなんてどう?】
そんなかんじで、ト書きさんにおすすめされた寓話霊装。
使用条件は……。
【爬虫類相手でも怯まずにキス出来る乙女】
またニッチな条件を!
でも、これなら私でも条件を満たせますね!
友人が蛇飼ってましたし、私は爬虫類を可愛いと思ってる系女子ですから!
……しかしこう見ると、存外条件に「乙女」って入ってる寓話霊装多くないです?
あ、別にこれヤったかヤってないかはそんなに関係なかったりします?
なんか、深く考えたら負けな気がするのでやめましょうか。
「メリー、寓話霊装を3つも使って大丈夫ですの?」
「え?ルテも3つぐらいならなんとかなりますよね?」
「……多分、ギリギリですの」
あれ?ルテと私、魔力制御の精度は同じぐらいだと思ってたんですが、もしかしてそれなりに差があったりします?
ま、まあ、これで装備は整ったのでいつ魔王が侵攻してきても大丈夫ですね!
……あ、でもその前に皆に寓話霊装配ったら練習する時間が必要なのかな?
正直、私もルテもぶっつけ本番で使って普通に使えちゃったのでそのあたりの感覚がわかんないんですよねぇ。
【チート乙】
チートじゃないわい!努力の結果じゃい!
☆★☆★☆★☆
なお、現状で魔力制御がかなりアレなちーちゃんには新装備の寓話霊装が与えられません。
頑張って練習してね!
ということで新装備調達回でした。
使用条件から元ネタは想像できるかと思いますが、実際の効果がどうなるかは魔王の襲来をお待ち下しあ。
さて、では次回更新予定は9月28日20時。
プロットを書き殴ったメモ帳を洗濯してしまったので実はそれなりに焦ってたりしますが多分、なんとかなります!
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