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公爵家の転生侍女ですが、どうやら私はヤンデレ悪役令嬢に娶られて王妃となるようです……なんて?  作者: 禍成 黒いの


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第44話 ヤラカシウム検出中

 「で、結局魔法なんだけどね?今みたいに、足なら足が、腕なら腕がばーんってなるようになっちゃって調整出来ないんだよね」

 「……ちょっと意味がわからないんですが?」

 「身体の何処かを燃やすイメージじゃないとうまく制御出来ない感じ?……全部集中させて燃え上がらせるのは出来るんだけど、ちっちゃくすると今度は何も起きないぐらいしか魔力使えなくなっちゃって……」

 あれから一週間ほどちーちゃんをリハビリの間中踊らせてたら、なんか想定外の問題を抱えて帰ってきました。

 身体の一部が燃えるイメージじゃないと制御できないって何!?

 顔を合わせたらいきなり、こんなふうになっちゃったって言いながらちーちゃんが魔法を使い始めて、腕が丸ごと燃え始めたので急いで消火しましたよ!

 唐突に火を出すのはほんとやめてください、冷や汗だらっだらの足ガックガクになりますから!

 くっそぅ、トラウマ残っちゃってるなぁ。

 

 で、今はそんな私にルテとちーちゃんが心配して引っ付いて支えてくれてます。

 ……最近増えてきたちーちゃんのスキンシップにルテが対抗意識を持ってるみたいなんですよねぇ。

 ルテさん?相手は脳みそ12歳ですよ?そんなに必死に対抗しても取られたりしませんからね?

 みたいな事を何度か説明したんですが、逆に「メリーは自覚が足りなすぎですの!」って正座でお説教食らった挙句襲われました。

 ……あ、その後です?

 やだなぁ、防御面よわよわのルテがベッドの上で私に勝てるはず無いじゃないですか。


 それはともかく、ちーちゃんの魔法……、これどうしましょうね?

 「うーん、癒し手としてはおすすめしたくないんだけど、指とかに魔力を込めて爆発する前に切断して投げちゃうのとかは?」

 「わたくしとしては、部位だけではなく血を発動点に出来ればあの、トカゲマルでしたっけ?アレに炎をまとわせることが出来るようになるので火力があがると思いますの!」

 あー、爆弾的な使い方とエンチャントファイアですかー。

 まあ、今までが全身燃やして自爆特攻しか使い道のなかった魔法が指の1本で済むようになるんですから進歩してると言って良い……んですかね?

 

 あ、そうそう。

 なんか篠影さん篠影さんって読んでたら「他人行儀!」って言われたので本人と色々相談した結果、ちーちゃん呼びが定着しました。

 まあ、私はちーちゃん呼びなんですが、ルテは千鶴さん呼びだし、ベルさんは千鶴呼びです。

 ……最初は私もルテと同じく千鶴さん呼びだったんですが、なんでかダメ出し食らったんですよねぇ。

 あと、ほっとけば仲良くなると思ってたベルさんより、なぜか私の方に懐いてきててだいぶ解せぬ状態です。

 

 「でも、魔法を使う度に全身火傷でのたうち回る必要は無くなったならだいぶ成長してますよ。ダンスも上手くなってきましたし、次からもうちょっと実践的なトレーニングを組み込んでみましょうか」

 「ほんと!?私上手くなってる?」

 「はい、ちゃんと練習も続けられて偉いですね。ご褒美は何が良いですか?」

 「しっぽ!ブラッシングして!」

 「はいはい。……今日は、なでなではいいんですか?」

 「それも!んへへー」

 うーん、この、元気いっぱい狐っ娘かわいいですね?


 「ルテ、ルテ、メリーさんのアレって無自覚だよね?」

 「……困ったことに、無自覚ですの。あのメリーの言動、母親を早くに亡くした千鶴さんは特攻ですの。ペガサスナイトに弓兵ですの」

 「一発で堕ちるって事?」

 「……ええ、もう手遅れだと思いますの。メリーに優しく抱きしめられて抵抗できる年下の人間はおりませんから」

 「メリーお嬢様、母性すごいですからね。過度な構いたがりではなく、追いかけさせる言動と行動な辺りが愛情に飢えた子には凶悪すぎる攻撃です。本人がほっとくと無理して倒れそうな辺りも強いですね。……自己管理がしっかりしてる方なので実はそういうことは全く無いのですが」

 「今は、見た目が痛々しいのもそれに拍車をかけてるしね……。ルテ、これ注意しないとファンクラブとか出来て対応が大変なことになるやつだよ!」

 「……それに関しては、手遅れでしたの。会員No.3ですの」

 「ちなみに私はNo.2です。ああ、ルテお嬢様にも出来てますので後で詳細を報告致しますね?ちなみにそちらは惜しくも一桁を逃しました」

 「あ、まって、それどこから入れる?」

 「ベル!?」


 っと、私が狐娘と戯れている間にあちらはあちらで姦《かしま》しい感じになってますね。

 なんだかんだ、ルテとベルさんは仲良いんですよね。セイラさんは誰とでもすぐ仲良くなるのでまあ……。

 ……ってあれ?私、ベルさんをちーちゃんルートに入れようって計画してませんでしたっけ?

 なんでちーちゃんが私に懐いて、ベルさんは遠巻きにそれを眺めてる構図になってるんです?

 強引に治療に行って、その後一緒にトレーニングして、仲良くなって、それから各種イベントが起こるって流れでしたよね?

 

 ……あ゛。

 《《一緒にトレーニング》》してるの、これ私ですよね!?

 結果として、仲良くなったのはベルさんじゃなくて私ですよね!?

 もしかして、やらかしました?やらかしてますね?これは、多量のヤラカシウムが検出されてますよ!!

 そして、困ったことに現状ちーちゃんが可愛すぎて私としてもあんまりこの懐かれ状態を解除したくないという欲がですね。

 だって、ちっちゃい狐娘の可愛さってこれ凶悪ですよ!?

 ねえ、これもう私とルテの娘って事で通りませんか?通りますよね?

 ……ただ、その場合日本の祓魔庁に許可もらう必要があるのが……。

 結構ハードル高そう。


 「んー、じゃあ、指とか落とす用に短刀とか装備品に追加したほうがいいのかな?」

 「いや、待ってください。まずは髪の毛とか簡単に切り離せそうな場所でもそれが出来ないか確かめましょう。……絵面的に、ちーちゃんが戦闘しながら自分の指とかザクザク落としていくの、めちゃめちゃ心配されますよ?」

 「あー、心配されるのちょっとヤかな。髪の毛……。あ、でも抜いた後に出来ないと頭ちりちりになっちゃわない?」

 「……あんまり想像したくない奴ですね。抜いた髪を起点に出来ないかの練習でお願いします」


 うーん、私の教え方が悪いんですかね?

 でも、確かにシナリオ(でんぱ)の中では魔法をあんまり使わないキャラではあったんですよね。

 印象に残る場面としては、終盤の魔王に腕を食わせて腕ごと爆破して吹っ飛ばすシーンでしょうか?

 ……あ、これ現状のちーちゃんの魔法発動そのままじゃないですか!

 文章で書いてるとかっこいいシーンだったんですが、映像付きで考えるとちーちゃんが心配になるシーンですねこれ。

 うん、なんとか髪の毛を起点に魔法が使えるようにトレーニングしてもらいましょう。


 あとは、無理しない程度に軽く実践の経験とかしてもらって……。


──緊急連絡です。魔王軍の出現が観測されました。貴族の皆様は迅速に装備を整え、戦場へ向かってください。また、参《さん》の魔王の出現を確認。大規模な概念変化が予想されます。総員、万全の準備で臨んでください。繰り返します。魔王軍の出現が観測されま……──


 お?お誂《あつらえ》向きの相手が来ましたか?と一瞬思ったんですが。

 「また魔王!?先月倒したばっかりですよね!?」

 「……一応、過去3回だけ2ヶ月連続で魔王が出現したデータがあったはずですの。レアケースではありますけれど、ありえない!と断じるほどで無い……のではありませんの?」

 「対魔王かー。そうなると私は後方待機だね」

 「えっと、私はどうすればいいかな?」

 「ちーちゃんは普段通り出撃してみてください。……ただし、戦闘終了後にベルさんの治療を全力で受けることを条件に」

 「うん、怪我が減らせるようにがんばってみる!」

 

 ……参の魔王の取り巻きってめっちゃ氷結系なんですが、ちーちゃん速攻で凍りついてスルーされたりしません?大丈夫です?

 まあ、死ぬことだけは無いのでその辺り気にせず行きましょうか。

 

 ……ただ、参の魔王を倒すには必要な戦力《ヒロイン》がまだ足りないんですよねぇ。

☆★☆★☆★☆


ヤラカシウムの多量摂取により矢印の方向がやっぱり変更されていました。

これはもう、最終的にメリーさんがベルさんの矢印をかっさらう方向に行くしか……。


で、運動チョットデキル状態にランクアップしたちーちゃんの回避性能は如何に。

あと、次回更新日に仕事が入っててザンギョったら遅れたり1日ズレたりしますのでよろしくお願います。


次回「普通の魔王戦はこうなる」

更新予定は9月5日20時。

どうかよろしくお願いします。



次の更新が楽しみだと思われた方は、良いねコメント★拡散等で応援していただけるとありがたいです。

よろしくお願いします。




最新話までお読みいただき、感謝致します。


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