第33話 母、襲来
「うううう、メリーちゃん、こんな大怪我しちゃって……。痛かったでしょう?あ、火傷だと熱いのかしら?あら?あらあら?よくわかんなくなっちゃったわね。でも、ルテちゃんを捕まえたのは本当によくやったわ!私ねメリーちゃん?ずーーーっと娘が欲しかったの!」
いやあの、マイマザー?私、娘……。
まあ、何が言いたいかは解るんですけどね!右目のお陰で!
【娘が手がかからなさ過ぎて育児あるあるを友人と共有できずに不満だった模様。なお、最近はリシェルテとメリーさんの不満大喜利が出来て楽しいらしい】
私の不満大喜利って何!?
アレですかね?良くある旦那の悪口で盛り上がる倦怠期の奥様方みたいな?
……ってウチは新婚ですよ!?倦怠期どころか今一番盛り上がってるところですからね!?
まあ、ルテがメッセージアプリでマイマザーと連絡を取り合ってたのは知ってるので、多分その内容の事なんだと思います。
「この人のここが不満!ここさえなければいい人なのに!」みたいな話題は盛り上がりますからね。やむなしです。
まあしかし、私が昏睡状態の時にはたまにお見舞いに来てくれてたらしいのですが、目が覚めてから怒涛の展開過ぎて中々元気です!って伝えに行くタイミングが無かったんですよね。
王様、本来はそんなに忙しくないはずなんですけど……。
シナリオの中でも、黒ラベルちゃんは女王になってからもホイホイあちこち出かけて、やれデートだ、やれ訓練だ、やれご飯だ、トラブルだ、新種のクリーチャーだ、温泉だ、事件だ、幽霊だ、恐竜だ、ゾンビだ、サメだ、とイベントに遭遇していたのに……。
……いや、アレはアレで色々起こりすぎですねよく考えたら。
ゲームのシナリオあるあるなんですが短期間に事件起こりすぎなんですよ。
それはさておき何故忙しいかと言うと、流石に魔王を討伐し、今後別の魔王も討伐しえる今世紀最強の女王と王妃となれば、これは必ず歴史に名を残す!と、各国のお偉いさんやら何やらのゲストがひっきりなしに面会依頼を投げてくるんからです!
いや、欧州以外の、魔蝕汚染物質を自前で処理してる国々はわかりますよ?
私達に顔を売っておいて、戦闘技術の共有やら有事の際の戦力融通やらを考えてるってのがわかるので。
問題はアトランティスに全部押し付けて守られてる側の欧州諸国ですよ!
こちとらリハビリや訓練に使う時間を削って面会に応じてるのに、どうして「血統が途切れるのは良くないだろう。どうだ?私の甥を王配に貰ってみないか?」みたいな話題ばっかり投げてくるんですか!
こちとら新婚ぞ!?しかも、魔力さえ強ければ大体のことを気にしないノイ・アトランティス貴族ぞ!?
振る話題間違えてませんか!?
……失礼、ちょっとあまりのストレスに興奮しました。
これは、夜ルテを弄くり回してストレス解消するしかありませんね。
あ、ちなみにアレなアレでは私の誘い受けみたいな状態になってます。
……ルテがね?その、全身敏感すぎるんですよ。
反撃食らうとすーぐ防戦一方になっちゃうんです。
うへへへへ、今夜も序盤だけは元気のいいルテと後半のうめいて跳ねるだけのルテを堪能するぞー!
よし!元気が出てきました!
「ところで、父上はどうされました?」
「グライフさん?グライフさんはねぇ、最近ずっと忙しいみたいで。メリーちゃんがすごく活躍したでしょう?だから、その親であるグライフさんにどんな教育をしたらあんなに魔法の制御が上手くなりますかって質問してくる人が物凄く多くなっちゃったのよぉ」
あー、パパンによくわからない流れ弾が……。
当然ですが私、パパンに魔力制御のやり方とか教えてもらったことありませんからね?
というかぶっちゃけ、ひたすら使い続けてれば上達するものにどうやったら上手くなりますかもなにも無くないです?
「それでグライフさん乗り気になっちゃってね?今、上の爵位の人とか、海外から非公式でアポを取ってきた人とかを楽しそうにビシバシしごいてるから。大丈夫、みなさん私やグライフさんより魔力制御が下手っぴでしたもの。こっちで受け継いでるノウハウを伝えるだけで十分満足して帰ってくれるはずよ」
ああ、そういえば実家は魔力制御つよつよ系のお家でしたっけ。
あれ?もしかしてルテに私が魔力制御の練習をさせる際に周囲の誰も止めなかったのはそのへんが理由だったりします?
今考えれば、一応予算は元アルトシュリア公爵家から最低限は出てたはずなので魔法の教師とか普通に雇えたはずなんですよね……。
あの頃はまだ若かったとは言え(今も若いですよ!)セイラさん辺りがその辺手抜かるとは思いませんし。
「だからね、メリーちゃん?私達に迷惑かけてるだなんて思わないでね?むしろ、一人で勝手に育っちゃって何もさせてもらえなかった私達がやっと貴方の手伝いが出来てるって事だもの。喜びこそしても、迷惑だなんて欠片も思ってないから!」
そういってニッコリ笑うルヴィエッタお母様。
「そして、誇りなさいジェイドメリア。貴方はパーティー会場で大規模魔法を考えなしに放つ狂人から皆を救い、病み上がりの身体で戦場に立って魔王を倒したの。貴方とリシェルテちゃんは、他の誰にも出来ない事をした自慢の娘なのよ?」
……げ、激励までされてしまいました。
うーん、前世と合わせての年齢ならマイマザーより上なはずなんですが、敵う気がしません。母は強しってやつでしょうか……?
「メリー?やっぱり、お義母様は素敵だと思いますの!」
「いや、まあ、はい。無敵すぎて一生勝てる気がしないぐらいには」
うーん、受け取ったシナリオに登場する親が大抵ろくでもないので若干申し訳なさがあるというかなんというか。
あ、でも一人だけ立派な母親が居ましたっけ。
篠影さんちのお母さん。
自分の呪いを娘に受け渡すことで命を救った、立派ではあるんですが若干もにょるお母さん。
……って、そういえばルテと結婚しちゃったので忘れかけてましたが黒ラベルちゃんとくっつく、私がシナリオを担当したキャラはあと2人居るんですよね。
巫女さんと、王女様。
王女様はちょっとツン度合いが高すぎるツンデレなのでツン期が終わるまであんまりこっちから近づきたいとは思いませんが、巫女さんは根がいい人過ぎておせっかいが過ぎるだけで普通にコミュニケーション取れる人なんですよ。
ちょっと気になるんで様子を見に行き……。
「……メリー?今、他の女の人の事考えてた気がしますの。わたくしの気の所為かしら?」
ひっ!
急に瞳孔かっぴらいてハイライトふっ飛ばした目でこっちを見るのはやめてください!いくらなんでも怖すぎです!
「あら、大丈夫よルテちゃん。この子、旦那に似て不器用だから、浮気なんてそうそうできやしないから。……お相手の方が一方的にお熱を上げることはあるかもだけど、そういうときはね?めっ!ってしてやればいいの」
……滅っ!ってするんですね?わかります。
これは、こちらから様子を見に行くのは難しそうですね。
……ってあれ?そういえば。
ふと思い出したことがあるのでスマホをポチポチしてスケジュールをチェック。
あ、やっぱり入ってるじゃないですか!日本の巫女さん達との面会予定!
この時に様子を確認しましょう!
……せっかくなので黒ラベルちゃんも呼んで同席してもらいましょうか。
私がフラグ折っちゃったので、せめて別のルートで幸せになってもらわないと申し訳ないですからね!
「お義母さま、やっぱりメリーが別の女のことを考えてますの!」
「考えるぐらいは許してあげてねー?メリーちゃんやさしいから、多分誰かの心配してるのよ。……そうじゃなかったら、そうねぇ。ルテちゃんの好きにしちゃっていいからね?」
「……好きに?どんな事でもですの?」
「ええ、私が許すから」
あの、聞こえてるんで、怖い会話しないでくれますか?
☆★☆★☆★☆
はい、母は強し 回でしたー。
ほわほわ系に見えて重要な場面ではしゃんとする系マザー、ルヴィエッタさん。
これが母親ならメリーさんがメリーさんになる理由もちょっとわかろうというもの。
で、2章メインヒロインの篠影さんと顔合わせ回が次回ですかね。
果たして、【】にはなんと書いてあるのか!
あとシナリオ書いた人間としての感想とかその他諸々。
具体的なヴィジュアルも出してないのでそのへんも次回ですねー。
……ところで、一部熱狂的なろりきょぬー推しが居るみたいなんじゃが?
で、更新予定は8月10日20時です。
次回もどうかよろしくお願いします。
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