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公爵家の転生侍女ですが、どうやら私はヤンデレ悪役令嬢に娶られて王妃となるようです……なんて?  作者: 禍成 黒いの


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第27話 蹂躙、蹂躙、いちゃいちゃ、蹂躙

 と、そんな感じで自律式の切断攻撃ビットがざっくり30体程空を駆け巡る地獄絵図が完成しました。

 ……まあ、魔王の支配領域テリトリーの影響を受けて一撃で破壊される貧弱ビットにされてるので脅威度は絵面程ではないんですけどね。

 それでも、ルテが回避に集中する必要は無くなりました。

 ふふーん、こっから反撃の時間です!


 「メリー、ハズレを引いたら大変なことになる寓話霊装メルヒェンで無茶をしすぎですの!」

 「ふふっ、シャッフル時のイカサマは禁止されてなかったもので。ルテも心当たりがありませんか?」

 「……メリーがやけにゲームに強いの、そういう事だったんですの!?」

 ええまあ、実際ルテ相手に負けたくなくてイカサマとかズルとか結構やってたのでそこを利用してちょっと眼の事を誤魔化しました。

 ……マイクが付いてるんで今は話せないんですよ!


 「でも、メリーのお陰で攻撃の手が緩みましたの。わたくしの寓話霊装メルヒェン、魔力制御絡みで普段の調子が狂うと、あの弾幕の中では修正できないかもと使うタイミングを逃してましたけど、今なら使えますの!」

 「あ、初手全力解放はダメですよ!?全部見えちゃいますからね!?」

 「もし苦戦したら、完全解放して良いんですの!?……というかメリー、どうしてわたくしの寓話霊装メルヒェンが何か知ってますの?」

 あ、ちょっとやらかしたかも?


 「メリー?後で絶対お話聞かせてもらいますの!」

 あっはい、とりあえず色々話しておいたほうが私も不信感持たれないかなって思ってます、ええ。

 だから、嘘は苦手なんですよぅ!

 「それでは、ご開帳ですの! |王の新たなる装い《アウスツィヒ・マハト・ディヒ・シュターカー》!50%フュンフツィヒ・プロツェント開花ブリューテ!」

 

 こら、ご開帳とか言うんじゃありません!

 それはそれとして、ルテのドレスが光りに包まれ布面積がざっくり半分になります。

 ああもう!スカートの丈短い!背中出しすぎ!肩から北半球まで丸見えじゃないですか!

 とりあえず、お姫様抱っこされてるのを良いことに抱きついて私の身体でルテの露出を隠します。

 「これで、動きやすくなりましたの!色んな意味で!」

 あーもうこの子は!

 恥ずかしいとかより先にその台詞が出るの、どうかと思いますよ!?


 そして、ルテの露出度が跳ね上がると同時に……。

 「あっ、ちょっと強すぎですの!」

 重力制御で空を飛ぶ私達の速度が跳ね上がりました。

 ……ええ、|王の新たなる装い《アウスツィヒ・マハト・ディヒ・シュターカー》。

 裸の王様の寓話霊装メルヒェンの効果は至って単純。

 露出度に応じて本人の魔力バフがかかる、それだけです。

 それだけなんですが……。


 「繝溘ャ繧キ繝ウ繧ー!」

 戦場の推移に苛ついた様子の破壊天使から放たれる黒い光線を鋭角を描く圧倒的な速度で回避。

 そのまま光線を渦巻くような機動で回避しつつ、魔王の直上へとかっ飛び……。

 「射線上の異物、排除クリア!」

 「何も言ってませんのに、完璧ですのよメリー!」

 直後に放たれた圧倒的密度の光線レーザーが何かを予感して身を躱した魔王の翼をあっさりと切断しました。


 と、圧倒的な魔力とその制御能力を持つルテが使えばこの通り最強装備に早変わりなんですよ。

 あ、魔法も崩壊の影響で弱くなってるんじゃなかったかって?

 ルテの魔法、光ですよ?

 放ってから着弾まで秒速30万キロで駆け抜ける光線に、強度がどうとか最早関係ないんですよ。着弾地点が解ってなければ防御すら出来ませんし!

 だから、陸の魔王は相性がいい相手なんですねー。


 ただ、高速機動の弊害もちょっとあって……。

 「っとと、メリー!トランプが!」

 「まあ、こういう事故も起きますよね。はいあっち行ってー」

 ちょっと低空飛行すると、戦場を飛び回る無数のトランプ兵にちょくちょくぶつかりそうになっちゃうんですよ。

 いくら攻撃系の寓話霊装メルヒェンが人間には効果を与えないと知ってても無視して突っ込むのは慣れないと難しいでしょうし。

 これが、風の魔法で推力を生み出して飛行ーみたいな飛び方なら障害物に対して風を噴射して回避とか気軽に出来るんですが……。

 「むぅ、戦場の情報量が多いと飛びづらいですの……」

 ルテの場合、自身の周囲の重力を操って飛びたい方向に「落ちてる」だけですからね。

 咄嗟の緊急回避が何かを放出して飛ぶ系の魔法より難しいのです。

 ……まあ、今は抱きついてる私がフォローに入れるのでなんとかなりますけどね。


 で、そんな時に役立つ寓話霊装メルヒェンがこれ!

 「こんな時はこれ、ててててん!しゅぴーげる・であ・ゔゅんしぇー」

 「鏡……ですの?もしかして、白雪姫の?」

 「はい、正解ですルテ。鏡よ鏡、この世で最も美しい、私の愛しい女王様はだぁれ?」

 すると私の傍らにほわんと浮かぶ鏡は、真剣な表情で私の髪を編むルテの姿を映し出します。

 いや、のろけてる場合じゃないですよ私!こんな用途のためにこの霊装を取り出した訳ではないのです!


 「メリー、わたくしにとってはとても嬉しい霊装ですけれど、今は戦闘中ですの。もう少し敵の数が減るまでは真面目にやりましょう?」

 ほら!ルテにまで怒られちゃったじゃないですか!

 「はい、ごめんなさい。真面目にやります。全てを識る鏡シュピーゲル・デア・ヴュンシェ!戦場の俯瞰図、レーダー形式!」

 ということで、真面目に指令を下すと鏡の表示が変化し、真上から見た戦場の映像を映し出します。

 同時に、各トランプ兵がどの相手を狙っているかと、その軌道予測。なんなら敵の使用しようとしてる魔法の射線予測まで出てきてハチャメチャに情報過多です!


 ただ、それも一人で見れば、の話。

 「ルテは取り巻きの射線だけに集中!隙の出来たヤツから処理して数を減らしてください。私はルテの機動を邪魔しないように兵を操りながら魔王の行動を妨害します!」

 「では……」

 「3時方向の虎型の雑魚ですね!」

 「んもう、以心伝心すぎですの!」

 二人で見る情報を分けてしまえば問題はないのです!

 そして、それはそれとしてルテがどれから狙いたいかなんて10年も付きっきりで生活してれば手に取るようにわかりますって!


 物理型っぽい虎型の取り巻きはざっくり出力5割増のルテビームを喰らい、縦に真っ二つになって敢え無く消滅。

 「次ですの!」

 「はいはい、あっちですね」

 次いで、なんかいつの間にか3身合体して巨大になってたやつを細切れに。

 敵が脆すぎるように見えますが、まあ、その、崩壊の概念が適用されて防御力が下がってる状態で強化ルテビームを喰らえばそりゃ脆く感じもしますよ。

 

 「おっと防御します」

 「むぅ、仕損じましたの」

 ついでに、私の魔法で射線上の空気はとてもキレイにしてありますからね。

 防御用に魔法を使ってると流石の脱ぎルテでも遠距離から一撃とは行かないみたいです。

 ……いや、全裸まで行けばやれちゃいそうですが今はまだそこまで脱ぐ必要性を感じませんし?


 そんな具合に、流れ作業でろくの魔王の取り巻きたちは全て処理させて頂きました。

 魔王の方ももっと攻撃しておきたかったんですけどね……。

 崩壊で脆くなった岩石や地面をガンガン砕いて粉塵を発生させていやがったので攻撃が通りそうにありませんでしたから。

 流体制御で気流を操作して穴を開けるにしても、逆に穴がくっきり見えてしまって射線が読まれてしまうんですよね。

 これじゃあ光速の攻撃も意味がありません。

 ……その粉塵に取り巻き連中も入れてあげれば良かったのに。


 まあ、あの破壊天使はト書きからして、自分以外どうでもいい系の傍若無人かたわらにひとなきがごとしな性格だと推測できるので取り巻きも助けてやるなんて思考は存在しなかったんでしょう。

 なんにせよ、取り巻きは全滅、魔法の相性でこちらの有利。

 あとは取り巻き以下の雑魚い魔蝕性侵略体(クリーチャー)を戦線に投入するぐらいしか奴の打てる手はありませんが、雑魚の群れを戦闘に参加させるということはあちらが有利に立てる要因であった魔王戦の人数制限が取っ払われるのでこちらも後で準備完了してる貴族連中を解き放って対抗出来るのであまり意味はありません。

 

 対するこちらはまだルテの全裸という切り札を残したまま、取り巻きが居なくなったので20体以上のトランプ兵(ビット)を集中運用出来るようになり、ついでに粉塵やら何やらで視界を塞いでも《《鏡》》の機能で常に位置を細く可能!

 つまり、チェックメイトです!


 それはそれとして……。

 「ところでメリー?もうちょっとぎゅっと抱きついてほしいですの」

 「あれ?ずり落ちたりしそうでした?」

 「いいえ?ただ単純に、わたくし、メリーを強く感じていたほうが強くなれる気がするからですの!」

 そういって私に微笑みかけるルテ。


 かわいいかよ!ちくせう、そんな事言われたら力いっぱい抱きしめるに決まってるじゃないですか!

 ……なお、筋力が落ちてるので現状とあまり変わらなかった模様。

 無念。


☆★☆★☆★☆


む、ギリ生き残りましたね破壊天使。

まあ、次回頭でケーキ入刀して戦後処理のお話に飛ぶ気しかしませんが……。


で、魔法の鏡。

本人の望む情報を映し出す という効果を切り抜いてこんな感じになりました。

戦闘以外でも使える便利アイテムですね。

基本、寓話霊装メルヒェンは相手にダメージを与えたり拘束したりするものが多いので地味にレアものです。

あと、多分メリーさんは途中からピンマイクのこと忘れてます。


では、次回「4代目以来の魔王討伐」

更新予定は7月25日20時。

どうかよろしくお願いします。


次の更新が楽しみだと思われた方は、良いねコメント★拡散等で応援していただけるとありがたいです。

よろしくお願いします。




最新話までお読みいただき、感謝致します。


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