第24話 ああもう!隠し事は苦手なんですよ!
「あー、いや、これはその……」
普通に困りました!違和感を一瞬で見抜いてくるの流石主人公って感じですが言い訳とか考えて……。
……いや、冷静に考えて言い訳とか必要です?
別に私が転生して前世の記憶持ってまーす。別の世界の記憶でーすとか言っても困る人います?
いないな!良し!全部話します!
秘密抱えて話さないとか苦手なんですよね。これでスッキリ出来るならそれはそれで問題なしです。
「ベルクローラさん、私の魂が肉体と別物って言ってたらしいじゃないですか。正にその通りで、私どうやらほら、日本のラノベとかでよくある転生者らしいんですよ。前世の記憶とか持ってる感じの」
というわけで爆弾投下!
さて、お二方の反応は?
「なるほど、だからメリーは昔から大人っぽかったんですのね!ずっと、お母様がメリーみたいな人だったら良かったのになってわたくし思ってたんですのよ?」
「ははぁ、転生者かー。それは予想外だったなー。……あれ?もしかして、この世界って何かの物語に沿ってたりするの?いやほら、私聖女なんて呼ばれたりするでしょう?これ、主人公か破滅するかのほぼ二択しかないポジションのキャラだよね!?」
お、あっさり受け入れてくれましたね。
「ルテに関してはもう、母親というか配偶者じゃないですか……。あ、嫌じゃないですよ!?嫌じゃないので心配そうな顔しないでくださいね?目が覚めたら寝てる間に結婚してた事実にびっくりしてるだけでダメとは言ってませんからね!?」
いやほんと、起きたら推しが妻でしたとか頭が追いつかないにもほどがありますからね!
……あれ?この場合妻でいいのかな?ルテから見て私が妻?お互いにお互いが妻?
いかん、こんがらがってきたので考えるのを辞めましょう。
「で、ベルクローラさんのお話と目の状態がちょっと関連ある話なんですが……。おそらくこの世界の情報が魔法的な何かで私の脳内に流れ込んできてたんだと思います。……前世の私、ゲームのシナリオライターだったんですがこの世界をモチーフにシナリオ書きましたし」
……ただ、黒ラベルさんが主人公だったって伝えるのはどうしましょうか。
ルテに矢印が向いてる以上、これ説明したらNTRしましたね!?って流れになりません?
いや、事実上やらかしちゃった感じなんですけど!
「へー、そんな事があるんだね?……で、私は主人公?破滅役?あ、でもこの世界のことをモチーフにしただけで私やルテが出てくるわけじゃないのかな?」
あ、そういう受け取り方しててくれるならチャンスです!
「そうですねー。あくまで世界の状況や魔王とかの存在をモチーフにしただけでー、キャラクターとかはー、企画会議で決まるものですしー……。で、眼の話に移るんですが。なんか、右目の視界が2次元なんですよ……」
「……なんか怪しい。けど、メリーさんの様子から見て知ってる展開じゃないんだろうし夢で見た!と変わらない感じなのかな?まあ、私としてはとりあえず魂と肉体が乖離してる理由がわかってすっきりしたからいいかな。……で、眼は、不便?」
うーん、この気になる事より患者の状態と治療が優先なのが正に聖女って感じですね。
それはそれとして、秘密抱えっぱなしなの苦手なのに話しきれませんでした。無念です。
「二重に物が見えてるようなものなので疲れますし、不便ですね。これ、どうにかなったりは……」
「えっと、魂を参照しない方の治癒魔法は欠損部位を再生出来たりはしないから、眼球を抉り出して治療しなおしとかも出来ないし……」
「!?治療のためでも、メリーの眼を抉り出すとか怖い事を言わないでほしいですの!」
気持ちはわかりますがルテ!ちょっと強く抱きしめすぎです!ギブギブ!
……って、今ちょっと冷静になったんですが、なんで椅子が三脚あるのに私はルテに抱かれたままなのでしょう?椅子に座らせてもらっても良くないです?
「だーめでーすのー。メリーの指定席はしばらくここですの!」
アッハイ、……ダメみたいです。
「じゃあ、何か方法を思いつくまで眼帯とかしておくしかないんじゃないかなぁ。幸い、火傷痕酷いし中二病とかには思われないと思うよ」
……今さらっと、中二病扱いは相当なデメリットだといいませんでしたこの子?え?ちょっと屋上行きます?
と、冗談はともかくとして眼帯ですか……。
「どのパターンの眼帯が似合いますかね?アイパッチ?眼科の眼にあてるやつ?包帯?」
「メリーはどれも似合いそうですの!あ、眼帯の表に装飾があしらってあるものとかどうでしょう!?」
「私は包帯キャラとか好きだなー」
んー、でも完全に見えなくなると私の筆跡の謎メモを参照出来なくなっちゃって勿体ない気もするんですよね。
そうなると、包帯を薄めに巻き付けておいて、頑張れば繊維の隙間からものが見えるぐらいにしておくのがいい気がしません?
もしくは、髪の毛伸ばして右だけメカクレ状態にするとか?
いや、ここは両方やりましょう。伸ばした髪は髪型でいくらでも調整出来ますし衣装に合わせて目隠れと包帯眼帯を選択できる方が良くないです?
あ、でも……。
「包帯って真っ白じゃないですか。となると顔だけで髪2色と包帯で配色がこう、ごちゃごちゃしません?」
ただでさえ緑黒ヘアー&巻角で目立つところに眼帯まで加えたら情報過多です。
「なら、黒い包帯にしてしまえばいいですの!メリーは黒も似合いますし、お洋服も黒系にしてわたくしが白いのを着ればバランスもいいですの!」
「あ、いいですねそれ。戴冠式の逆配色ですよね!」
……戴冠式?え?私寝てたんじゃないんですか!?
ちょっと、後で確認しなければならない事項が増えましたね。
「じゃあ、今日の治療が終わったらメリーさんの目を隠すアクセサリと衣装をあわせに行きませんか?ルテの衣装もそれに合わせて変える感じで」
「あ、良いですね。私も1か月の昏睡で体型変わっちゃってて今の自分がどんな体型なのかちょっと確認したくもありますし、具体的な数字で」
「……今のメリー、すっごく軽くて心配ですの」
はい、とりあえずそういう事になりました。
しかし、髪色2色の巻角火傷痕眼帯少女……。
だいぶ濃ゆいキャラになりつつありますね私。
「じゃ、治療していきましょう!顔はなんとか見える範囲はどうにかなってきたから、次は首筋とか耳の方とか見えづらい範囲やっていくね?」
「お願いします!」
なお、治癒魔法を受けてる間はとても心地よく、思わず寝てしまったことを追記しておきます。
そういえば、そういうイベントの時にも怪我とか無いけど治癒魔法使って気持ちよくなる話書いた気がしま……zzz
☆
「出来ましたの!メリーの言う通り、黒い包帯で隠す方が配色が自然になりますのね……。念のため用意した《《黒い方のウェディングドレス》》も似合ってますし、今度行う《《結婚式》》の衣装はこれで決まりですの!」
「ルテも、ちょっと布地の量が少なくて心配ですが……、白いドレス似合ってますよ」
「うひぁー、天真爛漫なルテと影のある美人って感じのメリーさんですごく良い……。写真撮って良い?大丈夫、SNSに上げたりしないから」
で、治療後に私の眼帯選び&体型確認でお城の衣装部屋へと足を運んだんですが……。
どうして私はウェディングドレスの試着をしているのでしょうか?
というか、寝てる間に筋肉も脂肪もだいぶ減って前と体型が全然違ってるはずなのにぴったりサイズのドレスが用意してあるのなんなんですか!?
あ、医学的データに基づいて体型を予想して服を用意してた?
……普通にありがたいです、が、やっぱりウェディングドレスまで用意してるのはやりすぎでは!?
しかし、結婚式ですか。
思わず遠い目になっちゃいますね、ほんとどうしてこうなったんだか……。
なんて思ってた矢先、城中に響き渡る聞き慣れたアラーム。
──緊急連絡です。魔王軍の出現が観測されました。貴族の皆様は迅速に装備を整え、戦場へ向かってください。また、陸の魔王の出現を確認。大規模な概念変化が予想されます。総員、万全の準備で臨んでください。繰り返します。魔王軍の出現が観測されま……──
そういえば、私が昏睡してた1か月で2回も侵攻があったって話でしたもんね、魔王が出てくる前兆は確かにありました。
「ルテ!急ぎ寓話霊装を取得しにいきましょう!流石に魔王相手に魔法だけで挑むのは自殺行為です」
「はいですの!メリーが目覚めた今、取得を遅らせる理由はありませんの!」
一瞬、私を重力魔法で浮かせてから立ち上がり再度お姫さま抱っこで走り出すルテ。
「じゃあ、私は装備を整えて後方で待機してます。お二人とも、頑張ってください!」
見送るベルクローラさんもキリッとした貴族の顔ですね。
……しかし、やっぱルテの寓話霊装は裸の王様になっちゃうんでしょうか?
露出狂、矯正できなかったのが悔やまれますねぇ。
☆★☆★☆★☆
隠し事の出来ない性格!
なお、流石に恨まれたくないので矢印を横取りした事はなんとか隠し通した模様。
そして、自分の初陣も相方の初陣もウェディングドレスで行う女王様。
それ戦闘用の衣装じゃねぇから!
ということで、次回「寓話霊装」
更新予定は7月18日20時。
どうかよろしくお願いします。
……学生はもう夏休み入るって、マジ?
次の更新が楽しみだと思われた方は、良いねコメント★拡散等で応援していただけるとありがたいです。
よろしくお願いします。
最新話までお読みいただき、感謝致します。
このお話を少しでもおもしろいと思ってくださった方は、
・「★で称える」の+をお好みの回数押して「★」で評価
もしくは
・作品フォロー
等の方法で、応援していただけると励みになります。
どうかよろしくお願いいたします。




