第94話「承・今後の予定」
ドアの世界から謎の電車のドアを繋ぎ、第2章のメインヒロイン、桜愛夜鈴ががEW風の第2章の進行をGM姫にどうしようかと聞いてきた。
手には大量の駅弁を袋いっぱいに詰めこんでいた、詰め込みすぎなくらいにネタ弁当が大量にある。
「ねぇ姫ちゃん、EW風の第2ゲームは進めていいの?」
環境という名の掃除清掃も終わったので、実質物理的に風のプロット&ネームは再開可能である。
ただ、初めたらドコまで行ったら一旦終わりかのゴールが見えないのが。シナリオ&プロットの特徴でもある。GM姫自身も〈読み切り〉ならともかく〈長期連載〉の経験は少ないので。やはり未熟である。
「たぶん第2ゲーム進めたらそっちに脳が意識行くんだよなあ~、第1ゲームはプロットは終わってるけど本ネームはまだ終わってないし……。あとアナログかデジタルのネームかも決めかねてるから迷ってるし……まあ今の作業環境ならB4ネーム行けそうだけどな。プロットの書き込み量もデジタルの方がやりやすいのもある。唯一無二性が必要ならアナログだけど……まあ使い分けるのが良いんじゃろうな」
姫が気にしてるのは文字シナリオも良いのだが、頭でっかちになり結局シナリオ書いても一からプロット書き直しというのが困る。だったら最初から無目標でプロット書き殴ったほうが漫画は出来る、という手法である。出来るのが速そうに見えて遅いと言うか……。
ここらへんは一度じっくり考えてローテーションを組むのが良いと桃花は思う。
「ずっと続ける気があるってのが難しいよね。ローテーション組むのが良いと思う」
とはいえこの手のスケジュールを決めたとしてもまともに持続できて守れた事も無いのも事実である。
理想を全部掲げて1日で守れるローテーションは自分自身をよく理解していないと難しい。
とはいえ〈絵を描かない日を作らないほうが良い〉というのは確かで、基本的に〈1日1コマペース〉がスローペースだけれど確実に進む最も最良の進行なのは確かだ。
現在の進行確認。
1、無計画プロット進行で各章分完結まで描き切る。
2、計画的B4ネーム進行、アナログの鉛筆で唯一無二性のある設計図を作る。
3、作画はGペンで主線を描き、細かい所はデジタル作画。
ここまでは決まっているのだが、第1章のプロットが終わったから第1章のネームをすぐに描ききってしまうか? という所が問題である。ストックという意味では第2章や第3章までプロットはどこまでも先読みしてネームを切りたいのは山々だが。ドコまでプロットを描いたらネームに専念するかはまだ決めていない。締切が無い分そこも自分の気分しだいである。
シナリオを書きすぎてネームに出来ない、という天上院咲みたいな事が起こらないとも限らない。
「いやー、どうなんだろ? 描きたい時に描き切るのが良いと思うんだけどな」
桃花は日々の細かな迷いのほうが敵と判断し、感覚を優先する。
「むーやっぱ読み切りとは違うなあ~~……」
姫は腕組しながら悩む……。
「第1章は92ページ分だったよ?」
夜鈴は前回の経歴を調べて前例を提示する。
となるとやはり第2章もそれくらいの分量になることは想定しておいたほうがいい。
「あーじゃあ各章100ページぐらいを見積もったほうが良いのかねえ~……100ページの読み切り?」
桃花はそう言う。一度サイクルの起動を確立すれば速そうだが、確立するまでが難しい。前回つまずいたキャラデザの件もあるし。
アニメ化することを想定して考えると、やはり色指定、背景指定も欠かせない。
今度はキャラデザも背景もゼロから想造するのだ、二次創作のつもりで描いたらまた痛い目にあう。
「ん~~、じゃあメインは1日1コマ作画で、残った時間をプロットやネーム、キャラデザ&色指定に時間を当てる。終わった余力でウオーキングかな?」
GM姫は今後の指針を示す。
大学生時代は中学&高校のスポーツ選手としての体力がストックされていたが、今はもう無いと思ったほうが良い。体力づくりも立派な作家作業だ。
体力づくりの習慣化もしないと机作業も仕事もその他雑務作業などの全体の質も下がる、体力が資本な以上、体力は多いほうが良い。むしろこのままじゃ下がり続け、速度低下は免れない。
その中でやはり優先順位、第1位はペン入れ作画である。
作画の体力作りのために朝方運動して、疲れてから執筆してたらいつ体力がつくか解らない。やはり執筆を第1位にして次に第2位に余力で運動をして鍛えるのが良さそうである。
「じゃあ第2ゲームのプロットは?」
「ん~……まず第1ゲームのキービジュアルかな?」
夜鈴の問いに、姫は普通に第1章のキービジュ作業の方の固定化が先、と決めた。
で、数分を経て第1章のキービジュアルが出来上がった。第1ゲームの内容・ないし方向性はこれで固まったと思って良い。
「……このイラストの解説をするなよ? 毎回やってたらバカらしく思える」
桃花はそのように愚痴を言う。ギャグ漫才のここの場面が面白いシーンなんですよ? と解説されるものほど白けるものはない。と言うニュアンスである。しいて揚げるなら「何となくそうしたかったから」以外の配置的・論理的理由はない。だけは言える。
「おーけー、理屈じゃないって意味ね」
夜鈴は桃花の理解者として、それ以上突っ込むのはヤボだな、と解説&解析をやめた。考えてもムダだ。感覚や本能がそうしたかったから以外の感情はこのキービジュアルには入っていないことを意味する。
「ふーむ、次の駅、まだ着かないね?」
「まあ方向はこっちで合ってるし一本道だから着くのも時間の問題さ」
GM姫は未知を自分で冒険しないことの不安と、プロが作った線路という安全性により、一応安心は出来ないが信頼はしていた。
何より、前回は諦めたが今回は諦める気はサラサラない覚悟であるからして。いずれ終点駅までたどり着くのは時間の問題だと思っている。
何より外部からのサポートも万全だし、下手な無鉄砲方向音痴より線路が整っている分外部も安心できるだろう。という他人任せである。
自分がハンドル? 手綱? を握っていない不安感はあるものの、この電車に乗らなきゃいけなかった必要的動機もあり、そこは気にしてない。つまり再度言うが時間の問題である。
そんな思惑も知らず、電車はただタダ真っ直ぐに線路を進んで行った。




