第82話「承・世界種ザナドゥ」
今現在歴2030年4月5日〈金〉
ここに来て世界種、有何無鏡〈ザナドゥ〉を観測することが出来た。主観で観た場合世界が鏡映しになっているように〈視えないほど大きな世界観〉のおよそ神獣とも呼べるほどのカラスである。
とりあえずミュウはこの世界種ザナドゥを〈視える化〉した。
「世界種ってさ……およそルールの具現化みたいなものでデカすぎて視えないって特徴があるよね……」
湘南桃花は自身が破壊した吸血鬼大戦の歴史がこの反射による視えないルールの具現化が原因だと断定した。
デジタルも反射するしアナログも反射する、アナログは普通鏡では無いので反射出来ない、と思っていたが、そうでも無いと言うことがはっきり解った。
故に注意すべき事は。〈何を反射しているのかはっきり明記していない〉事にこそ、この存在の厄介さがある。
デジタルならデジタル、アナログならアナログ、科学なら科学、魔術なら魔術、時間なら時間、空間なら空間、世界なら世界など〈何〉を反射しています、と作中で何も明記されていない。
「こいつ弱体化か?」
GMミュウは一応桃花に聞く。はっきり言って大損害を与えたこのモンスターを野放しにすることも出来ず、誰かが飼うことになった。
「カー!?」
世界種ザナドゥは「なんで!?」とか言った表情であるが、今回ばかりは言い逃れは出来ない。自業自得じゃ取り返しの付かないことをこの神獣はしでかしたのだし……。
こんな世界種普通のプレイヤーじゃ扱い切れるはずもなく……。
「じゃあ私が飼うわ……」
無害に何でも手で持つ以上、桃花が適任なのだろう事に誰も異論は挟まなかった。
とりあえずミュウはEWの法則の定義の言語化だけは済ませることにする。
【世界種ザナドゥ〈有何無鏡〉は〈何〉を反射しているのか、作中ではっきりと明記しなければならない。デジタルならデジタル、アナログならアナログ、科学なら科学、魔術なら魔術、時間なら時間、空間なら空間、世界なら世界など。明記していない場合違法となる】
「……こいつってさ、双矢鏡が外界へ出て汚染想子くっついて姿形を変えたって認識でいいよね?」
元ネタと二次創作? の話である。桃花がミュウに聞く。
「まあまず間違いない、勝手に動いてたのも含めて……」
とりあえずブチギレられても文句の言えない事をこいつはやらかしている。
「鏡の弱体化って難しいな……とりあえず〈視える化〉じゃね?」
知っている人にとっては〈そんなこと〉かもしれないが、知らない人にとっては〈かなり恐ろしい〉存在である。自分のイメージ・紙面の内容が世界規模で〈これはあなたです〉何て言われてビビらないはずがない。
例えば眼の前に小さな氷があったとして〈これは地球が凍っています〉みたいに言われる感じである。
溶けたら地球が消える。実は鏡です、みたいな……。
世界種ザナドゥに早速桃花はしつけをする。
「とりあえずお前は反射させるなら〈何を〉反射させてるかちゃんと〈言う〉なり〈明記〉するなりしろ。私には私が映ってるはずなのに他人に視えるんだぞ……?」
「カァ~~~~……、カァーーーー!!」
ザナドゥは「そっかぁ~~……解ったーー!!」と元気いっぱいである、ほんと勘弁して欲しい。
というわけで、とりあえず地面タイプのモンスターを模写してノートには存在させた。無敵というわけではないがこれで電撃のマヒ攻撃は効かない対象は存在する。でもゲームな以上ちゃんと別方向で弱点が存在する。
「さて、て事はキューブの模写やファッション誌の模写は勉強したけど……雪葱師匠の返答? を見る限り、たぶんハリウッド実写映画か特撮ヒーロー映画をノートに模写した方が……たぶん良いんだろうな……」
妄想だけの表現力の限界と言うところだろう。フィギュアの模写やファッション誌の模写は確かに勉強にはなったが、大量のフィギュアが欲しかった訳でも、実写の服を着飾りたかった訳でも無かったし……。たぶん映画の模写がリアルの俳優を動かす動機としては良いのだろう。その方が映画館にも反映されるし何よりエンタメの範囲内だった。
「でも左手の本の模写も整骨院では勧められたよね?」
医者は本を薦めたし、漫画の一番の参考資料は漫画、というのも引っかかる。
「まあ今は両方やればいい、アナログのノートが悪目立ちし過ぎている」
再度基礎特訓のやり直しと言った所だろう。本編の原稿を進めたい所だが、心身が健康にならないとたぶん無理な話だった。無理をして、無茶が祟ったらまたぶっ壊れてしまう。
「う~~ん、まさかアナログの紙が技術の基礎以外にも役に立つとは思わなかったなあ~~……」
これも社会科見学なのだろうなと思ったミュウであった。




