第78話「承・心の強度」
「……1つ誤解の無いように補足しとくぞ。設計図という名の〈根〉は生きてる」
「だろうね……お優しいこって……」
GM姫が一応桃花に助け舟を出す。これがブラック企業なんだろうなあ~~、とか思いながら解っている姫と解っている桃花は再びゲーム進行を進める。
今回問題になった部分で言うと、アナログ系とデジタル系という媒体の違いと引く力や押す力など、ジャンルが違う所で恐らく〈法的判断〉が別れたのだろう。だから法律上デジタルは無効になった……のだと思う。まぁこれは憶測の話だが……。
「というわけで、今回は〈心の強度〉の話をしようと思う。あくまで普通の強度だと〈物の硬さ〉になるのじゃが、……まあ簡単に言うとその物理法則が通用しない。防御力の方じゃな」
本来、物の強度というなら水より岩の方が硬く、鋼だって強度は硬いはずだ。だがこの心の力、エレメンタルワールドではそれが通用しない。幽霊が岩を砕ける世界観であり、普通の人間が幽霊を殴れる世界観なのだ。
例えば桃花の親という名の建築家は岩の男で、その岩の男には桃花の紙やデジタル作品は砕けなかった。それは桃花が〈子〉だから触れられないし奪えない、という性質もあったのも確かだが。それがソロモードの場合。
対してワールドモードだと、各国のトップがミサイルなどを撃ってそれこそ岩や鋼、ビル群や山など〈何でも〉破壊出来てしまう。
よって岩や鋼の強度は普通は硬いが、〈心の強度〉で言えばもっと硬くもなるし柔らかくもなる。つまり通常の常識が通用しない範囲での強度になっている。
で、あまりにも夢観心地なのでソロモードで〈付加価値をつけない場合〉の内界での純想子での心の強度なら一応数値化出来る。
簡単に言うとどれだけ〈壊したくないか〉というのが基準点になる。今回は私情は入れず〈思い出補正や信念・感情〉を絵や文字に載せるという魂の部分は排除する。それによって心の強度はこの基準値によって上下するからだ。
〈ソロモードの場合〉
内界での純想子での心の強度を数値化したもの。
簡単に言うとどれだけ〈壊したくないか〉というのが基準点になる。今回は私情は入れず〈思い出補正や信念・感情〉を絵や文字に載せるという魂の部分は排除する。どれだけの時間と工数をかけたか。それよって心の強度はこの基準値によって上下するからだ。なのでこの段階では変換や付加価値といった〈深い気持ち〉は入っていない。右手だけとか左手だけとか両手を使っている、は判断に入っていない。どれだけ心が籠もっているか? が焦点になる。
ただ例外もあって、今回のような神楽スズVS湘南桃花のように、コピー用紙のアナログシャーペンがフルカラーデジタル動画を倒すことがある。これは感情が入っている場合である。つまり、神楽スズの勝ち。
心の強度1、妄想の場合、魂や無意識下での強度なので実体も無くふわふわして、すぐに忘れる、とても柔らかくて淡い存在。
心の強度2、意識している場合、これはコントロールできるイメージの領域。これは他の人にも真似しやすく理解も得やすい。
心の強度3、ここから手足の領域に入ってくる。押す力、引く力で出来た創作物が物に定着した物を指す。コレだけだと紙に書いた一単語程度の強度しか無い、思い出もなくただの単語で簡単に〈消す、消える〉という行為に躊躇はほぼ無い。
心の強度4、ここから片面になる「アナログだけでいいや」とか「デジタルだけでいいや」とか、消えたら困る、復元できないとか唯一性のある一品物じゃないと意味がないとか。アナログだけでも、ノート、コピー用紙、鉛筆、ボールペン、Gペンとかプロ用原稿用紙とか証券用インクとか色々と縛りが出てくる。ただしここには紙と紙の、画像と画像、話数と話数、動画と動画の連続性・連結性が入ってくる。
心の強度5、ここから両面になる。アナログでも存在し、デジタルでも存在する。前例としてデジタルで作画してプロ用原稿用紙に機械的に印刷しいた、なども有るがあれは元データが複製できてコピーが用意で簡単に言うと何枚でも印刷できる。つまり簡単にシュレッダーにかけられるとか、そうでないか。デジタルデータを消したいかどうかの強度になってくる。〈バックアップがあるか〉や〈完成原稿か〉もそう。
心の強度6、今のところ確認できる最大の強度。プロ用原稿用紙と証券用インクとGペンで手書きで作画し、カラーはデジタル着色でデータ的なバックアップもアナログでの紙も印刷として存在する最も〈長期間残りやすい物質〉と定義する。
湘南桃花がこれらを見て、桜愛夜鈴もこれをみて解説する。
「この心の強度を見ると、よく普通のノートが生き残ってるよな……」
「私の場合は術中というか策略だった訳だけど〈忘れてただけ〉というのも絶妙なポイントね。意識するほど紙として残したいか、どうでもいいほどのアイディアで無関心だったか。そこら辺が分かれ目かな……」
コピー用紙というのもあるが、これでよくフルカラーの桃花先生に紙一重で勝ったな……と夜鈴は思った。
ただコレを見て夜鈴も不完全燃焼だったのは否めないので。
「まあ次回は自覚ありで桃花先生に勝ちたいけどね……皆がよく言うけどまだ若いし……」
「まあその戦いはEWⅡ風、第2章からかな~~」
とりあえず基準点だけ作ってこれでロックした。




