第79話「転・世界で最も普通な生物の終幕」
これにより、風でも波でも、表でも裏でも、右でも左でも、光でも闇でも、男でも女でも、太陽と月でも、陰でも陽でも。
湘南桃花と秘十席群という名の、花緑青という存在の波動色は倒された。
これにより運営陣はメンテンナンスに入る。特に桃花自身は普通の人間を貫いていただけなのに、なのに後付けか外付けか微妙な所だが。
〈使える物なら神をも使う〉とか〈何でも手で持てる〉とか〈目線も最上位〉とか訳わからない普通さまで憑いてしまって……なんと言うか人間としてはそれで良いのだが……〈妖怪としては倒しずらい〉というゲーム進行的な不具合である。
別に彼女は〈地上最強の生物〉でも何でも無い、ただ世界で最も普通な生物、……生の人間になろうとしただけだ。
なので攻撃力が高いというかそれ以外、防御力が高すぎるとかHPが高すぎるとか持ち物を持ちすぎるとか、普通すぎて見聞色が高すぎるとかそんなのだ……。あまり喋らないし……。
なので総合的にみて〈倒しずらすぎて弱体化します〉とう話になった。
「まあこれは別にペナルティとかじゃないから桃花からも要望聞くけど?」
GM姫はゲーム進行の確認を桃花に取る。
「まあ肉体的にはピクピクまでは良いけど、ズキズキとか痛いのは嫌かなあ~……」
まず自分の身体の心配。特に頭痛は思考妨害のマヒ効果があったので嫌だった。
「じゃあ、HPが半分になるまで〈強化〉と〈機械〉と〈精神〉の技の禁止っていうリミッターを付けるとか? あと年齢が勝手に増えるから大学生で固定とか……?」
桃花は最初は大学生で冒険を始めていたが、人間に憧れすぎて作品が終わった後も年月が進み続け、年齢も普通の人間と同様等倍で進んでいた。故に過去に時間的に戻る事を拒否してたのもある……。よって年齢固定の弱体化である。
強化はかくとう、機械はハガネ、と精神はエスパー、と解釈して差し支えない。もしそれを使っている時は〈桃花や群じゃない何か〉と思ってくれれば良い。これは普通の人を守るための保護である。
この技範囲の制限は、とりあえずどのモンスターで外界で変換されているのか知らないが。とにかく技範囲が広すぎて誤射攻撃が多すぎる所があるからだ。技範囲が広すぎて、最近じゃスピードも速すぎる。
これにより、桃花と群は体質・普通でありながら。持ち物に〈リミッター〉というのを〈太陽と月のブレスレット〉に追加付加することにした。
名前◇太陽と月のブレスレット〈リミッター〉
希少◇B
分類◇持ち物のリミッター_普通_湘南桃花と秘十席群
解説◇禁止制限を付ける持ち物、この持ち物は売れるし買える。この持ち物を持ったプレイヤーは、HPが半分になるまで強化・機械・精神の技が禁止される。もし使っていたら〈持ち主じゃない何か〉の判定になる。騒ぎは家に持ち込まないという性質から、外出時などではこれらが解除されストレス霧散効果もある。強化はかくとう、機械はハガネ、精神はエスパーと思って差し支えない。また任意の肉体的・精神的年齢を自身で設定・固定化し、多少の環境的影響があってもその年齢は固定化され動かない。簡単に言うと刑務所を擬人化したような手軽な持ち物。
「……こんなもんか桃花?」
「まあ私は普通に生きたいだけだから良いけど……この機械って、車・バス・電車・スマホ・掃除機……とかの判定はどうなるの? もちろんパソコンも……」
「ダメ。別に普通にやる分には良いんだがプレイヤーとしては認められない。危ない。囚人みたいに刑務所に入れられるよりかはマシだろ? 簡単に言うと刑務所を擬人化したような持ち物? って認識でいいよ、や、これお前の安全を思ってやってるんじゃぞ??」
ありがた迷惑どころかありがたラッキーな分類だ。お手軽な刑務所のルール化だけ持ち歩いてる感じだと思われる……。
「んん~~……それで自由に動けるならまあいいか……」
湘南桃花はこれに同意した、もちろん秘十席群もこれに同意した。
これにて、世界で最も普通な人間に憧れた存在は。
世界で最も普通な生物の終幕、という意味でその称号を得て、その特性を得て〈普通の生物を卒業した〉。
……何にしても、桃花本人の物語から考えると、完全に伸びに伸びきった蛇足である。
「ところでさ、〈魔術サイドのことを何も知らない〉って書いてあるけど……なにこれ? 勉強した方が良いの?」
桃花は、普通の人間を目指し、本体と同機していた本人がその思想の毒を知らないはずもなく……、かと言って外界の書物を読んで多少の知恵を付けたところで……とも思う天上院姫なのだが……。
「好きにすればいいさ。それこそ大自然に任せればいい」
これこそ鍵の導く心のままに……だとGMは思った。




