第62話「承・この世界は広すぎる」
「あ、じゃあさー。外界が結構苦労してるみたいだからスケジュール法とか作った方が良いんじゃない? プラス保証で」
桃花はそのようにGM姫に言う、流石桃花、言動に全然怖さがない。この場合お化けや幽霊・神霊が居ようが居まいがどっちでも良いという態度なのだろうけど。
「ん~問題点は2つあるな。1つ目、本人が呟いたスケジュール日が外界で反映されてしまうこと、その情報が元の世界ではほぼ紙かデータで残らないこと。2つめ、そもそも個人制作なので内界では責任が発生しない。まあ契約も給料も対人関係も無いんだから関係無いし、約束相手が居ない以上破ってもノーダメージ何じゃけど……。むしろそれで責任があったらそれこそおかしな事になる」
なので、プラス保証でルールの固定をするならこの2つとなる。媒体も大体、小説・イラスト・漫画・アニメの締切日と作業工程も作業工数もバラバラだ。
小説をめい一杯頑張ったのに、アニメの絵コンテを描いてないから0判定……は流石にこちら側としても聞いていない。
本人が締切りの有無を守る・守らないはあるかもしれないが。定義の固定化は出来るはずだ。
「……、これさ、まずスズちゃんの約束事がスケジュールの約束事にすり替わってない?」
「……知らんけどあるかも……てかそれは使っているのは他者であってスズちゃん本人ではないぞ」
そ、色々こねくり回した結果。
「ん~、そうじゃな。まず変換されたら何の約束事の締切日なのか解らなくなる。じゃから、○○ジャンルは〇〇締切日に納品して欲しい、などのスケジュールは、事象の変換をしてはならない。とかになるかな」
「あとは概念とか呟きを実際に言っちゃう人とかのルール。または本体が実際に書いた締切日に関しての扱いの定義確認」
ここは結構デリケート。
「まず、誰にも公開していない秘密の締切日に関して本人に責任が有るはずがない。実際責任取れないから公開してない訳だし……。次に概念や呟きに関しては本人は〈言った〉のは真実としてあるかもしれないが、これだって責任取れないからネット公開とかしていない訳だし、本人に責任が有る訳がない。あくまで中間地点や目標地点なら話は判る……」
「つまり話半分に聞いた方が良いはずなのに沈黙がメインの人がボソッと呟いたからそれを真実として決定的証拠になってるわけだ」
「嫌なレア度じゃな……もっと普段から喋ってレア度下げなきゃ……」
滅多に発言しないから、その肉声の発言権の価値が上がっている訳だ。
「あーじゃあまずアレだ。+自覚の無い人のスケジュールの発言は、発言したことが真実であっても無効になる+」
と、前置きした上で知っている場合の話だ。
「次、+公開を前提としていないスケジュールで発生する締切りの有無、守ったか守らなかったは。公開を前提としていない以上、概念や呟きが例え真実であったとしても発言者に責任は無く、無効である+……まあ、ネットで公開日を画像付きで書いて公開しちゃった時は擁護出来ないが……」
一応客観的に理解出来る形に落とし込んだ。
「最後、折角頑張って作品を作っているのに無効扱いになってるヤツの対策。+スケジュールの締切り内容は、〇〇ジャンルは〇〇締切日に納品して欲しい、などの〈事象の変換〉をしてはならない。小説は小説、イラストはイラスト、漫画は漫画の締切日である+」
これで3つの確定したプラス保証が追加された。
+自覚の無い人のスケジュールの発言は、発言したことが真実であっても無効になる+
+公開を前提としていないスケジュールで発生する締切りの有無、守ったか守らなかったは。公開を前提としていない以上、概念や呟きが例え真実であったとしても発言者に責任は無く、無効である+
+スケジュールの締切り内容は、〇〇ジャンルは〇〇締切日に納品して欲しい、などの〈事象の変換〉をしてはならない。小説は小説、イラストはイラスト、漫画は漫画の締切日である+
◇
オーバーリミッツがGM姫に言った。
「あとさ、メインサーバーの現実世界の置き場……というか土地名を書いておかないと困る」
で、GM姫はサーバーの置かれている場所、土地名や時代を現実世界の場所で書いて欲しかったらしかった。
「おいいいい!? 言えよ!? それが必要だったのならやるのに!?」
現状、現実世界でサーバーの場所が書いてあるのは。1970年代のニュージャージーの軍事施設にミラーサーバーが置いてある。と書いた、または言ったことがある。
つまりサーバーはアメリカ大陸に存在している事は明記している、むしろそれ以外のサーバーはドアの世界の宇宙空間のファンタジー惑星なので、土地名は書いていない。
「いやそれだったら日本にメインはあるよ……まあ普通に考えて、メインは神奈川県、サブは群馬県かな……北九州じゃちょっと判んないから……、まあそれで言うならミラーサーバーは東京都にある。とかなら言えるけど……」
「バックアップ用、ネットに物理的に繋がっていないローカルデータは?」
オーバーリミッツはGM姫に確認をする。
「ん~~、京都かな~~? そっちの方がいいじゃろたぶん?」
「年代は?」
「今現在歴2014年、ソウルストーンの時代が良いと思う……判んないけど……」
◇
「おーい姫ちゃーん! ゲーム的なバグを発見したよ~~!」
そう言い、桃花は姫にどちらかというと世界の歪みと言う名のバグを発見した。
「ん? どこどこ? レベルデザイン? タイプ相性?」
「いや、そこじゃ無くて。選択肢と視野が広すぎる。無限に広がるっていうバグだね。この場合、戦空が桜愛神武戦でやってたじゃん、〈集中出来ねえ!〉って、だから意図的に絶縁状態に自分の意識を持っていかないといけないの」
「ふーん、でもそれはゲーム的なのか?」
「あんたが考えているゲームデザイン的にも致命的なバグだよ。例えば〈コントローラーのボタン数が多い〉とか、〈ステータスウインドウの選択肢が多い〉とか〈ボックスにアイテムを無限に入れられる〉っていうバグだね。SNSの無限スクロールや、小説の無限文字数&無限投稿もそう。確かに絆を重要視して始まった呟きのフォロワー機能の元ネタが私達だとしても。……えっと、限度がある」
魅力的なサービスの追求としては当たっているかもしれないが、中毒性が高すぎて、これを自分達の意思で切る、繋がりを断ちきる〈絶縁〉状態に意図的に持っていくのは並大抵のメンタルじゃないと不可能だろう。
テレビのチャンネルだって、リモコンという物理的なボタンがあってそれで何とかなっている感じがあるが……。もしリモコンがタブレット型になったらそれこそ無限のチャンネル数になってしまう。そんな未来が訪れたとしても、そのチャンネルボタン数は上限を超えるには課金制にした方が良い。
これは先行部隊から、未来に対しての忠告だ。
「別にサブスク機能や広告機能を勧める訳じゃ無いけどさ……、〈選択肢の拡張〉は有料課金制にした方が良いと思う。ボックスが無限に見れて、無限に選択出来るの中毒性がヤバすぎて個人じゃ制御出来ない」
「あー、この世界が広すぎる問題か……。確かに読み切り漫画じゃと31pで制限されててそこで創意工夫と質の有無を比べられたが、今は違うもんな」
「まあジャンルが違うからSNSや小説投稿サイトで区切り方は違うと思うけどさ。例えばドアの世界だって今の所無限に拡張出来て制限はないじゃん? あれを一定までの部屋は使えるけどこれ以上は課金しないと拡張出来ません。……にしないと中毒性が高すぎて損切り出来ない」
別に商売のためのアドバイスと言うよりかは、利用者の体調と、デザイン的な欠点を言っている。
例えば、イラストに関して言えば。無限にキャンパスサイズを拡張出来るようなものだ。相手の見やすさや、本にするときのサイズで言うなら。800px~10000pxまであれば普通に考えてそれ以上はいらない。という思考に自然となるが。
SNSや小説投稿サイトにはそれがない、無限にキャンパスを拡張出来る。本来制限をかけるものではないが、制限しないとボタンのクリック箇所が増えすぎて、選択肢が多い、視野が広い、世界が広い。になり、だけど折角の絆だから切れない。という損切り現象が発生してしまう。
普通の人は損切り精神は自然体だと不可能な以上、初めから〈選択肢を増やすなら課金してね〉の方が安全と健康面としても良い。
「わかった、広告やサブスクの思想は無意識だったけど。選択肢の拡張は課金制にした方が良いっていう意図的な助言ね」
「そうそう、このボックスの拡張に関してはヤバイという観点から見ても課金制にした方が良いと思います」
というわけで、このターンは終わり。1回休憩することになった。




