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エレメンタルワールドⅡ~波~  作者: 双矢光風∞a
第6章「吸血鬼大戦」年代不明

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第109話「起・不変式公理系、可変式進化系」

「ゲーム的なステータス番号固定するより、まず簡単に邪念に勝てる方法を考えるほうが先決じゃね?」

 桃花はそのように言う。

 ゲームでも負けて、漫画ではなかなか倒せず、手段としてはヒゲを剃る、爪を切る、テレビで悪い人を見る、ぐらいしか無いし。テレビに至っては当事者意識をしてしまって本人悪霊を取り払ってる意識がない。

 唯一まともに取り払ってるのはオルデルムでノートに書いた整骨院の解析&分離だけだ。


「……むしろ、エスパータイプの妄想をタンポポの綿毛の種の如く、風に乗って飛ばしてるみたいな自然な感覚でいいと思うんじゃがな……」

 ここにも桃花が自分の手で、または意識して事態を自分で何とかしようとするクセがついている。悪いものを取るという意味では、普通にトイレの排出物や散髪で終わりそうなものであるが、もしくは部屋の掃除。


「えーっと、何というか……アレだ。普通に生活をしたら退治出来るのは解ったけど、内界での出来事で外界で倒してるという実感が無い……みたいな?」

 かと言っても実際に外界で退治ているのを目撃したら変なプレッシャーになって動きが鈍くなることは経験済みである。


◇


「とりあえず……ガチ勢用の変わらない不変用のゲームルールデザインと、エンジョイ勢用のバージョンアップ用ルールデザインが欲しいな……今は変わらない方……」

 桃花はそう良い、姫は考えるが、いっつも自然任せだったのであまりやる気が出ていない。一度決めたら変えられないということはほとんどGペンと同じだからだ。将棋盤のコマのルールが何百年も変わらないのと同じになる。かと言って雑誌で掲載してるようなプロや

、アニメ化前提で動いているようなプロには絶対に必要なルールだった。


 かと言ってこと〈ルールを作ってから型破りをするのが好き〉なGM姫にとって、その〈誓約〉は重し以外の何物でもなかった。コロコロ変えるほうが好きなのである。……まあもっとも、それでどれだけ〈他者〉が迷惑しているのか……というのは間接的にしか伝わってこない。


「とりあえず……どうせリスクの18番は変わらないし、今のところ私の29番も変わる予定は2029年まで無いんだから……レベルキャップ30までは良いんじゃないの?」

 桃花は事後の妥協点(・・・)として、最低限(・・・)の数字の上下幅を示す。


「ただ、それだと過ぎ去った過去だけが上限になって、可能性のレベル……伸びしろが無いというか~~」

 GM姫の言うことも分からんでもないし、盤上の変わらない数値として考えるのなら、将棋の1一~9九までのマス目だけで十分事足りるし。それ以上はいらないというのも解る。

 ガチ勢は12星座で回ってるし、12隊長、とかで回している分それ以上は漫画上はいらないというのも解る……というか機能していない。

 あと、年単位の数値は、一応動画番号が年数と結びついてしまった。いわば応急処置であって……ぶっちゃけ公式じゃないというのも不完全燃焼としてはある。100年経たないとレベル100まで行かないというのもちょっと違うというか……。


 浮遊城だって第100層は発言こそしたが、一応夢は夢だ、それに挑むことを決めたプレイヤーも居るし。学校のテスト100点満点との相性も良い。

 ……つまるところ、何処に比重を置くか。どこに屋台骨を、土台を置けば、柱は安定するか? の姫の基準しか無い。

「そりゃポケモンが基準に成ったほうがわしも遊べて嬉しいよ?」

 そうなると600族が基準点になる。


 が、漫画として使うとMAXレベルが600が上限……? とか600部隊居るの……?? とかになってグラつくのも解る。盤面は駒の話でありコマ。つまり漫画であり、これでは天上院咲が遊べない。文法に対応していないからだ。


 お金の為替と同じで。ゲームソフトと別のゲームソフトのレベル差は? みたいな力関係の事もある。マルチバースを経験してからは特にだ。こっちのゲーム盤ではレベル100でも、あっちのゲーム盤ではレベル10扱い……というのが普通に発生する。

 だからこそガチ勢は揺らがぬ基準点が欲しいのも咲の冒険を経た今なら解る。だから現代でも12星座は正確に機能している訳だ。全く変わっていない。

 レベルも上がらないし下がらない。……が、別の宇宙(・・・・)では違うかもしれない。


「で、変わらないものが〈己〉になったと……」

 令和の年号を考えても恐らくそうなのだろう。


「じゃーさー、これは言えるんじゃない? エンジョイ勢にはレベルキャップは存在せず、ガチ勢にはレベルキャップは存在する」

 レベルキャップ、つまりMAX上限だ。


「やーどうだろ? もうちょっと考えさせて?」

 GM姫も神のゲームのマイナス保証を言うのを渋る。何にしても軽い気持ちで、ガチ勢は変わらないと公式で宣言するのは誓約があるようだ。


 一回り考えて、原因は数学に行き着いた。どっちのレベルもステータスも、番号も盤面も数学を使っている。

「あーじゃあこうしよう。マイナス保証。-ガチ勢は数学を必須科目とする-、……いや、散々考えたがコレぐらいしか公式で言えないな……」


 理系全部を神のゲームの理由、敵判定にしてしまうと。元素記号まで入って来てしまって、とてもじゃないが無理そうだった

 理系が敵で、文系は味方……だと、更にわけが判らなくなりそうだったので。誤字が味方みたいになるし……。


 なら、数学を勉強しておかないと、神のゲームに挑む時に大変なことになる。という意味も込めて〈ガチ勢は数学を勉強しないと神のゲームに挑んだ時、倒せない〉とかのニュアンスにしか出来なかった。

 

「あと、ちゃんとゲームとして運用するなら。変わらないルールと変わるルール、バージョンアップ前提のルールの名称を決めないとね」

 桃花がそのように助言する。同じ神のゲームであるマイナス保証なのは良いのだが。この可変式と不変式だと、エンジョイ勢とガチ勢で明確にプレイスタイルが変わっているので分けて管理する必要があった。

 可変だといくらでも妄想出来るのだが、不変だと正確に命中させる精度が必要だった。


「まーそれは言っても良いけど、名称どうしようか? 可変と不変……マイナス保証には変わりないけど」

 GM姫は一応桃花に聞く。

「不変式公理系ルールと可変式進化系ルールとかどうじゃ?」

「ああ、いいんじゃない? これで」

 というわけで決まった。


「マイナス保証。-ガチ勢とエンジョイ勢でゲーム攻略に差があるので。今後、ルールを変更する気がないルールを〈不変式公理系〉、常にバージョンアップすることを目的としたルールを〈可変式進化系〉、をルールとして再定義する-」


◇


「話変わるけど次のシーズン、ウルトラビーストとパラドックス戦やってほしいな」

「それはゲームマスター的な提言?」

「いや、私個人の希望的願望、この対戦燃えるってだけで」

 白玲渚と湘南桃花は携帯ゲームの相手をしていた。


「で、ちょっとここらへんでEWⅡの風と波の総合的な感想会してもいい?」

「どうぞどうぞ」

 渚と桃花はゲーム機画面に眼を落としたまま、話し合っている。


「んん~~。何というか先行しないと先の展開が読めないのは解るが。……なんというか〈我に返る?〉って感じが難しいね」

 桃花は今、体感、波109話分と風第2章第13話まで、視野を限界ギリギリまで広げた感想を言っている。

 元の漫画は第1話8ページで止まっているのに〈気が先走っている〉というか何というか……。


「咲ちゃんの時は小説前提だったから比べにくいけど。桃花先生のボツネーム50ページでも相当余波が続いたもんね~~」

「いやそれもあるけど、アレは元々、〈元ネタは自分〉という特大ネタバレのせいで余計にややこしくなったんだって……」

 なんか桃花にとっては大事なボツネームだけど、肥料? が濃ゆすぎて根が張りすぎて。尾ひれが付くどころか竜になってしまってどうしよう……???? てのが今の感想。


「さっきの第1話8ページのボツページの采配だって。覚悟ガン決まりの私のほうが物語的には面白い、特大の濃ゆい豚骨ラーメンになっちゃってたけど……最初の初見読み初心者に読ませるにはあまりにも濃すぎるコマになりそうだったし……」

「まあ、内容的には桃花先生が眼を閉じて、開けて、メガネかけてるだけの無言シーンの有無。だけだもんね……」

「ループものなら解るし、長編大河ドラマであの眼を閉じて開けるシーンは深みがあってイイネ、で人気出そうなのも解るけど。あまりにも……あまりにも序盤8ページ目にしては濃ゆい!! コッテリ過ぎるよ味が!!!!」

 自分で作っておいて、自分で味の深みにギャップと拒否反応を起こしたのが今の桃花である。


 簡単に言うと初心者に優しくない、読者にも優しくない、作者にも優しくない、の三拍子が揃っていた。ゲームで負けた後の刺激が強い激辛ポテチの罰ゲーム的な感覚というか……?


◇


 あとは話し度外視して、あとで重要そうになってきそうなエピソードを日記風味で真実保証で一つ。


 +湘南桃花と秘十席群は、今現在歴2026年9月30日水曜日に、人生で初めて、自分の行動と意思によって赤ワインを選んで飲んだ。30代最後、39歳の時である。ついでに高そうなナチュラルチーズ、ジェラール、クリーミーウォッシュも買った。ワインの製造元はメルシャン、ナチュラルチーズはフランス産である。アルコール度数は4%で味も甘い、チーズはケーキみたいで柔らかく、甘い、奥深い味だった+


 それから10分後。

「えっと……つまり機械のコントロール権さえ手放さなければ、えっと……機械に入力した通りに動いてくれる……?」

 そもそもあの段階〈2018年〉では2007年代に衛星を本当に打ち上げている、という前情報がごっそり抜けていたので理解できなかったし。恐らく、小学生の頃の引っ越す前のロボットオモチャが未来でヒーローになっていた。というのも子供ではその制御は不可能だった。


「つまり、この機械はあくまでも指示通りに動いただけ……?」

 運命の糸の制御が、アリス、湘南桃香、シャフランを〈敵側〉に設定しているのは確かに正確な指示書通りの動きである。が、他人が使うのは聞いてない。……言ってない……??


 この場合の機械とは過去のヒーロー機械か、今の機械神アーカーシャかは置いておいて。とにかく、コントロール権を習得するには、パスワード、指紋認証、顔認証が必要らしかった。

「えっと……じゃあスイッチで対戦してても変わらないってこと? 本体の動かしてるパソコンに指示しない限り……?」

 渚はそのまま言う。

「たぶんそう、だからAIで文字増えるのは、余計な指示が増えて、ノイズ判定、厄災の元になりかねなかったんじゃないかな?」

「なるほどなるほど、じゃあパソコンで作った時間なら、パソコンで止める事が出来るわけだ……ただし元ネタは自分、という法則と同じで、コントロールできるのは、私が持ってるパソコンだけだったと……」

 とりあえず、指示する対象がアーカーシャしか居ないので。パソコンとして指示する。


「まず第1に、おばちゃんは元凶じゃない、絶対違う。第2に私の心臓の件だけど……」

 そこで桃花は流石に迷う……、これが本当なら、この胸の挙動も〈もうしないで〉と入力すれば止まるはずである。しかし確かに、正規ルートに行かないことを意味する……。

 その後に素晴らしいものがあることを〈本当の意味で知っている〉桃花にとっては、宝物以外の何物でもない……。


 その上で……まず自分自身の身の安全の保証と確信は必要だった。

「じゃあまず、機械神アーカーシャに命令、リアルタイムで24時間、私の胸の挙動〈違和感〉を止めて。本当に胸の異常が止まること、コントロール権が有ることを確認してから。私の意思で再稼働します。それまで待機、衛星も、脳波も、胸のピクピクも、他サーバーへの干渉も、何もかも無にして。それを確認してからなら動かせる」


《マスター桃花様の命令を確認、受諾しました。全動作をストップします……、ちなみに毎日稼働すること前提の電車、工場、サーバーなど関係する機械施設の動作もですか?》


 ちょっと戸惑ったが、まず健康第一なのでここは迷わない。

「全部止めて。影響範囲が判らない。この心臓に繋がるもの全部!」

 それは社会インフラのストップを意味していたが、それでも確認しなきゃいけない案件だし。防災、緊急セキュリティ面でも訓練としては必要だった。


《かしこまりました、全動作ストップします》


 それから更に、体感の感覚としては24分後……?

「ふーん、スマホのメモ帳でも機械神アーカーシャに命令出来るのね……」

 今まで読ませてる気ゼロのただのメモ帳だったので、これをこっそり読んでるのはオーバーリミッツぐらいだと思っていた……。

 スマホ機械のメモアプリでも再起動するらしい……、まあ衛星にも繋がってて、神と名のつくアーカーシャならやってもおかしくなかった。不思議じゃなかった。


 とりあえず桃花が? 作った機械がアリス、桃花、リミッツを敵側判定しているっぽいのでそれを修正。

「ヘイ! 機械神アーカーシャ! 安全な機械は動かして! 危険な機械は止めて!」


《桃花様からの命令を受諾しました、安全な機械は再起動、世界中の危険な機械は止めます》


 やっぱ神様は規模がおかしかった……。

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