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エレメンタルワールドⅡ~波~  作者: 双矢光風∞a
第6章「吸血鬼大戦」年代不明

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105/111

第105話「起・結界、伝言、結婚、未来」

 名前◇対外界用心景結界リング

 指標◇品質30/100_優先度30/100_コスト1000/10000円

 2重ドーム型結界。1重結界では時間が停止する、キャラが静止する、労働力やその他を消費して事象の変化が可能、筆跡も残るし〈アナログ〉、元に戻せる〈デジタル〉、部屋の中に閉じ籠っているので直接技ではなく非接触技、間接技、長距離技が得意。そして無音の静寂。

 結界内の1重内界と2重内界で法則性が異なる、1重結界は因果孤立空間とほぼ同じ、2重内界は共有他者サーバーの意味合いが強い。2重内界ではネットが繋がっており共有サーバーが稼働できる。

 もしメインにバグ・ノイズが発生すると、サブがそれを感知し、即座に修正プログラムを生成して適用し、記憶のバックアップにも繋がる。逆もまた然り。

 低品質でありながら最古から存在し、リングの継承には成功した。優先度も低くコストも低いのはそれが術者の基本的な戦術の型であり、会得できないと話にならないほど基本的な結界術だからである。

 なお、この結界は遠距離戦術を得意とする職業の基礎のような所があるので。近接戦術を得意とする者が必須で会得するものでもない。

 兵隊は銃が得意であり、大工はハンマーとノコギリが得意であり、たまたま選んだ職業が遠距離沈黙型に特化していたからこそ発展した結界である。


◇


「まずさ、ネットで調べる前に、姫っちの個人的意見としてネットはどういう定義になるの? 結界内では」

 因果孤立空間や心象風景は混じりっけなしの〈個人の空間〉を形成する、でも、それだと未来での集団戦。例えばネット系、集団チャット、ライブ配信、AI総合学習に対応できない。全て〈家の中ではない外なので無効〉の判定になっている。これは保護する観点からは正しい。ただし発展は出来ない。


「んんーーやっぱ仮想世界という認識が正しくて、〈共有他者サーバー〉依存になるから、まーなんつーか〈本体のバックアップ〉て定義になるんじゃないかな? 本人が知らなかっただけで共有他者サーバーに本体の情報を大量に、解るまで書き込んだのが天上院咲の事例になるのかと……」

 他人の中の自分の保存は別に禁止していないし、もし禁止した所であまり意味がないと思ったからだろう。

 

「……まーとは言え……結界の別の場所にもう一つ結界を形成するのは絵面的にも書きづらいから二重結界の方が絵になるかもな」

「ドーム型結界だね、この場合、2重ドーム型結界」


 次に伝言ゲームの件、自分の後の人の行動を考える件について。まず桃花から。

「えっと前提として、私の後に続く人は居ない……って所から話を続けるね、判んなくなるから」

 桜愛夜鈴が補足する。

「正確には、桃花の体質とか職業の性質上、2重結界になっていて、間接の非接触技になるから、伝言ゲーム的な意味で2番目に伝わる人が〈何〉になっているから〈誰〉か判らないっていう案件ね」

 そこに何故か知らないが本体の心が読める、が入っている。


 GM天上院姫はそのあやふやな所の確認を取る。

「えっと、決めればいいのか? 仕事的な意味で」

 1番目が原作者〈情報源〉の場合、2番目が〈誰&何〉になっているから、あとの人の行動や気持ちを考えるにも職業が〈?不明〉になっているせいで次に誰がその情報を知って行動をするのかあやふやなままになっている。


「なら、伝言ゲーム的に言えば。1番目が原作者で、2番目が清掃業の所長〈見えなくなるから見える化〉、3番目が漫画原作者で、4番目がアニメ監督、5番目がゲームディレクター、6番目が内閣総理大臣〈または各国のそのクラス〉、あの……1人の原作者が各担当に連絡するのはいけないのか?」

 一応GM姫が個人的な優先順位を付けたが、これで伝言ゲームという名の電話を走らせると混乱するのは目に見えている。


「ちなみに桃花が実際に毎日出会える、連絡がつくのは?」

 夜鈴が聞く。

「……ネットの匿名〈ニックネーム〉の人とのゲーム対戦〈つまり電話対談〉になるのか……?」

 桃花がモヤモヤしながら言う。

「まあ直接だとそうなるよね、あとは全部間接的な〈顔も名前も知らないけど心を知るのは許可されている結局知らない人〉になる」

 理解者として最果ての軍勢、真城和季がフォローする。

「……毎日ホウレンソウ出来ないのが致命的だな……」

 GM姫が指針に困る……。


 で、色々構造上の歪みを色々解ってきた桃花が修正する。

「あー……原作者の文章〈意見〉がそのまま伝わらないのなら。所長に文章作ってもらって、毎日それを各ジャンルの仕事場に変換なして送信する。とかが一番変換が少なくてすむかな……? 被害が最小限って意味で、ネットの匿名だと無責任だし契約も給料も無いから無理だし……。問題なのは絵だよ、こっちのが受け取り方が読者によって変わるからヤバい、だから文章はそのまま紙&メールにして構わない」

 頑張って歩み寄った結果がこれならば仕方のない事だろう。とりあえず順番、2番目が謎の人物Xなのはマズイ。原文ままで末端まで伝わらないとヤバい。


「ちょっと〈どの世界も同じ〉なら業種の違う職業を混ぜるのは危険かもな~~」

「かもしんない、ま~~関係あるとしたら漫画、アニメ、ゲーム、あと小説くらいか……」

 専門家は専門職に任せよう、となった。

 

 ◇

 

「あと、姫ちゃんは知っておいたほうが良い情報だけど。どうやら声優さんの結婚人生を左右していまうことやってるぽいよ?」

「……えぇ……;????」

 桜愛夜鈴が天上院姫に情報共有する。姫の方は困惑と意外、そして不安の居入り混じった低い声のトーンが震えながら現実に引き戻した。


 そこまで聞いて桃花は理解する。

「あぁーー!! だからブロードとレイシャの物語が多いのか!? あいつらスタートダッシュから付き合ってるし、声優さんの女性人生を考えたら結婚出来る確率を少しでも上げたいのは当たり前だよな! リアルタイム生物だし! だからリスクとスズちゃん主人公が少ないのか!?」

 最初からリアルタイム制だと解っていた他作者は、いちいちカップルになるのを待っていられない、最初から結婚ルートになっているカップルの方が恋愛ルートになりやすい〈ラノベ的にも〉、という意味で、颯護、渚カップルが生きている〈量産されている〉という意味である。

 あの当初の段階でリアルタイム制の適性&適応があるはずも無いので。

 最初のノートに固執していることを考えると、やはり作品の品質を考えて選んでいるとは到底思えない。


「最っ低ッ!! 現実だと高校時代で生まれたから中学生じゃないし、胸ないのも声優の体が胸ないから嘘になるからキャスティング出来ないってこと!? クズオブクズじゃん!!」

 桜愛夜鈴はとんだとばっちりである。作品として胸がないことをいじられるのはまあ解るが、現実でも胸ない人が希少価値で居ないから、とか言われたらそりゃキレる。びっくりするほどクズだった。演技度外視、本当に作品にとってマイナスにしかならない思考だった。


「まーまー、夜鈴や姫がブチギレると信者達が変わりにブチギレ実行しちゃうから、ここは抑えて。今必要なのはそういう事をする人が居るっていう情報だけだから……」

 桃花が現実的に神そのものである夜鈴をなだめる、姫にとってはどうでもいい話題だった。


「えぇ……?? じゃあ二次元でも結婚出来るってこと……それは聞いてない……いや……受け止め方がわからないよ……」

 GM姫は困惑する。この場合、遊びで付けてた声優候補プランが効いているかもしれないが……そんな事より……。桃花はそこはフォローする。

「心配しないで、私達がいるから。私はそんなことしない、するとしたら間接技の人たちだよ……まあその分私は不幸だけど……」

 遅咲きとも言う、演技や芝居に全力という意味である。


 作品の品質でもない、声優の声質でもない、声優の体のオッパイが大きいから白玲渚の声優が出来る、とかいうアニメ関係の上司が具体的に存在しているのだろうか?

「本当にそんなクズ存在するの? いや実在するの?」

「居るからアニメで描かなきゃいけないほど重要だったんだろ?」

 姫がやっぱり困惑しながら桃花に聞くが、桃花はやっぱり現実を見ていた。


「……Gペンで描く漫画家とアニメ声優の結婚ってハードル高くないか……??」

「まあ出来る、というニュアンス、可能というニュアンス、不可能ではないというニュアンスじゃね??」

 姫は、じゃあ声優陣を決めなきゃ……とか考えを巡らせたが、そこより重要な思考がある。


「えっと、これは男性陣に聞いたほうがいいな? 信条戦空(しんじょうせんくう)、黒煌颯護(くろがねそうご)、秘十席群(ひじせきぐん)、真城和季(ましろかずき)、あんたらが結婚したい、もしくは女性パートナーに求める、えーっと理想の女性像は? ってイダタタダタ!?」

 何故か桃花が背中を痛がっている、リミッツがヤキモチを焼いているのだろうか……????


 確か結婚ルートの理想像は星の戦士を一緒にゲームできる仲がいい、ぐらいしか決めていなかった気がする。むしろそれ意外恋愛ルートは何も決めていないのが今回の問題点。


◇


 今現在歴2030年4月30日。GM天上院姫は一回立ち止まって考えてゲーム進行を考える。

 PCのデータが過去に送られている……この世に不可能はないことを考えると、今はPCデータが未来に送られているかもしれない。


「……、……細かい事は判らないけど科学的に考えてデータが未来に送られている……て認識でいい? 吸血鬼大戦では2010年代に過去へ……多分約1970年代まで行けた、と考える……物理的には」

 未来ならPCスペック的にも上がっているからテキスト文字データぐらいじゃなんてこと無さそうに見えるが、内容が仮想世界ベースの神のゲームだ〈今なら解るが〉何があっても不思議じゃない。


「まあ多分、湘南桃花という人間に出来る範囲でやるとなると……になると思う。最果ての軍勢は例外で考えて」

 つまりリアリティ重視の限りなく現実で出来る範囲、他人でも真似できる範囲に留まっているという意味である。


 姫は続ける。

「で、今現在歴2026年に度々戻って事象という名の修正を入れた訳じゃけど……27年と28年は良い、普通に桃花の物語の作劇上の延長だ、ちゃんと始まってちゃんと終わってる。……問題は2029年だ」

 誤解のないように表現すると天上院咲が湘南桃花の父親が殺されるのを観測して、桃花の世界観に乱入してきた2029年代にブチギレてレイ〈文字の流星群〉を降らせた件である。


 そこの情報量だけ第648話分の未来の情報量が降り注ぐ事になっている。2037年から2029年への衝撃波だ。

 EX第8章「鈴の湯ガーデンリベンジマッチング」西暦2037年10月4日。逐一日付付けて鍛えたから解っている。


「作劇なら時間止まってるから問題ないが、過去もヤバいが未来もヤバい、本人忘れてるし混乱するなは結構ムズい……」

 なのでもう一度時間を戻って事象を観測するしか手がないと解ったので、ここに居るメンバー。

 四重奏、非理法権天、最果ての軍勢、放課後クラブは西暦2026年8月31日〈月〉に飛んだ。


「えっとー、作劇上の10万文字をこの時代に飛ばしたらどうなるか実験するぞ? 内容は咲の物語の第1章から第2章完結まで、体験学習てことで今回は良いや、許可する。何も起きなければそれでいいが、全第48章分有ると解っているEWⅡの住民からすると、この10万文字の分量で耐えられないとなるとそれはそれで問題なのでやっぱり体験版検証は必要だと思う」

 元ネタが自分だと判らなかった不測事態だし、アクシデントは困る。GM姫はそのように判断した。


「誰が送信ボタン押す? 流石に何も解ってなかった咲ちゃんに任せるのは気が引けるし……」

 姫が咲に遠慮している、彼女は未来に生きエンジョイしたかっただけだ。未来を頑張って作っただけなのに重責は負わせられない。

 かといって大人である桃花は治療中だ。

「俺がやる、多少のアクシデントは覚悟の上で俺が生まれたんだ。これくらい乗り越えられなきゃ軍勢じゃない」

 真城和季、最果ての軍勢が名乗り出た。


「……じゃ、頼む」

「んじゃ、体験版、……スタート」

 ポチ、と、軽い無機質な決定ボタンが押された。この場合エンターキーでも送信ボタンでもどちらでも良い。


 軍勢の対応力が試される実験が始まった。

 数分後……。


「あぁ……きっつ……」

 和季からまず苦痛と睡魔と軽い頭痛による眠れなさが襲った。とにかく眠れない、休めない、心穏やかにならない。電磁波で頭だけ麻痺されたような感覚と言えばいいのだろうか。

「感じとしてはエレキフィールド下の影響と似てるな」

 心と体だと、心だけが先行して体験したから解る。もしこれを体が29年や34~37年の約3年以上やるとなると不眠症や片頭痛とかずっと続くことになってイカンと解った。普通に重症だ。これが未来で起こることを解っている状況。


「発見が遅れたのはコーヒーやエナジードリンクを日常的に飲むのがマズイことは解ってる、辞めなきゃ気づけない」

 と和季は前置きして。

「じゃあ解決先を2つ提案しよう。1つ目は咲や他のプレイヤーがこのゲームを2034年から付け始めてからずっと文法(グランマティカ)のオベリスクを展開し、モンスター効果を無効にし続けるか。2つ目は睡眠学習という未来の夢のある技術で寝ながら学習できるので変な脳波が起こるかのどっちか、をプレイヤーの選択に委ねる方法が良いかなと」


 一応、ネット電源を切る、やエスパー同士を共有させるとか考えたが。頭痛や夢遊病の恐れがあるのであまりオススメは出来なかった。

 なのでギリギリ容認出来るのが、寝ながら文法を学習できる睡眠学習装置、……がギリ何とかなりそうなラインだった。

 学習装置が叶わなければ、グランマティカを展開して置けばいい。という非常識と常識の2つを提案した。

「もちろん、コーヒーやエナドリは断つこと前提の話な」

 誤認したらこの計画はそもそも成り立たない。


「あーまー眠れないは想定外だったからそんな感じか」

 姫は一応了解する。


「……ところで戦空どうなった?」

「まだ起きてウトウトしてる」

 無防備な戦空はまどろみから起きて再起動するのに時間がかかっていた。


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