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戦うしかない……!


「この感覚は……何だ……?」


……


「どうして……」


「何も見えない……?」


……


「誰か……いるのか……?」


……


周囲を見回した。


……


何もない。


……


地面もない。


……


空もない。


……


そして……


果てしなく続く闇には、終わりすらなかった。


……


「ここは……どこだ……?」


……


「俺は……どうやってここに来た……?」


……


疑問が次々と頭の中を駆け巡る。


……


でも……


……


どうしても頭から離れない疑問が一つだけあった。


……


あの魔物……


……


あの熊だ。


……


「……あんなものを、普通の人間がどうやって倒せっていうんだ?」


……


その時……


……


再び、白い光が現れた。


……


【通知】


【スキルを受け入れるための身体の準備が完了しました。】


……


— 何……?


……


スキルを……受け取る……?


……


【通知】


【あなたは贈り物を受け取りました。】


……


— 贈り物……?


……


「どんな贈り物なんだ……?」


……


「受け取りますか?」


【YES / NO】


……


その文字をじっと見つめた。


……


そして、小さくため息をつく。


……


— まあ……


……


「どうせ、何も説明する気はないんだろ?」


……


「分かったよ。」


……


— YES。


……


【通知】


【贈り物の受け取りに成功しました。】


【贈り物は、目覚めた時に届けられます。】


……


— 目覚める……?


……


待て……


……


「俺……寝てるのか?」


……


虚無の遥か彼方で……


かすかな光が現れた。


……


それが徐々に近づいてくる。


……


そして……


暗闇の中に、一つの声が響いた。


……


<あなた……>


……


体が硬直した。


……


この声……


……


聞いたことがある。


……


<「お前はただのポンコツだ。」>


……


目を見開いた。


……


— 何……?


……


「誰が言った……?」


……


突然……


……


すべての通知が赤く染まった。


……


【SYSTEM ERROR】


【SYSTEM ERROR】


【SYSTEM ERROR】


……


虚無そのものが激しく揺れ始める。


……


足元の地面が大きくひび割れた。


……


【WARNING】


【処理を完了できません。】


……


【緊急覚醒を開始します。】


……


すべてが崩壊し始めた。


……


あの光も……


……


あの文字も……


……


そして……


虚無そのものまでもが……


……


目の前で砕け散った。


……


「目を覚ませ……」


……


……


— はぁっ……!


……


目を見開いた。


荒い呼吸を繰り返す。


心臓が激しく鼓動している。


……


目の前には……


まだ石の壁があった。


……


「じゃあ……」


……


「夢じゃなかったのか……」


……


鋭いめまいが襲ってきた。


……


まるで頭が真っ二つに割れそうなほどだ。


……


その時……


……


地面が震えた。


……


ドン……


……


ドン……


……


ドン……


……


その音……


……


すぐに分かった。


……


あの熊だ。


……


こちらへ近づいてきている。


……


熊を見た。


……


熊はまっすぐ俺を見つめていた。


……


だが……


……


何かが違う。


……


その目は……


……


さっきよりもさらに狂気に満ちていた。


……


【通知】


【特殊スキルを検出しました。】


【魔獣狂乱。】


……


【獲物が絶望すればするほど、魔獣はより凶暴になります。】


……


— は……?


……


「ちょっと待て……」


……


「俺は……」


「まだ自分が元の世界にいないって事実すら整理できてないんだぞ……」


……


「だから今は、魔物のスキルの説明をするのをやめてくれないか!?」


……


正直に言えば……


……


今、考えるべきことは一つだけだった。


……


「……どうやって、この状況を生き延びるんだ?」


……


だが……


……


待て。


……


俺の脚……


……


下を見る。


……


まだ傷ついている。


……


でも……


……


数分前とは明らかに違っていた。


……


— どうなってる……?


……


「さっきまで……」


「本当に死ぬ寸前だったはずなのに……?」


【通知】


【アルナヴ・ベアの毒の効果が解除されました。】


【スキル「覚醒した意識」によるものです。】


【このスキルは使用者の意識を外部からの干渉から隔離し、神経系への異常作用を無効化します。】


【傷そのものは致命傷ではありませんでした。】


【使用者のパニックと制御不能状態を引き起こしていた主な原因は、毒でした。】


……


「そういうことか……」


……


「俺を死にかけにしたのは……」


「傷じゃなかった。」


……


「毒だったんだ。」


……


俺は無言で頷いた。


……


脚はまだズキズキと痛む。


……


でも……


……


ほんの少し前まで俺を支配していた、あの圧倒的な絶望は……


……


消えていた。


……


— 礼は後で言うよ……


……


「このうるさいポップアップめ……」


グルルルル……


……


「グヒェ……」


「グヒェ……」


……


俺は凍りついた。


……


あの魔物……


……


今……


笑った。


……


背筋に冷たいものが走る。


……


こいつ……


俺が苦しんでいるのを楽しんでいる。


……


俺は立ち上がろうとした。


……


— ぐっ……


……


痛みは消えていない。


……


それでも……


……


今度は脚が言うことを聞いた。


……


【通知】


【スキル発動:「生存への意志」】


【生命の危機に直面した際、使用者は一時的に肉体の限界を超えることができます。】


【警告:使用後、激しい疲労が発生します。】


……


— 疲労……?


……


「そんなこと、どうでもいい。」


……


「今ここで死ぬなら……」


「副作用なんて関係ない。」


……


突然……


……


手の中に冷たい感触を感じた。


……


それを目の前まで持ち上げる。


……


「短剣……?」


……


待て……


……


「これが……」


「贈り物か?」


……


【通知】


【肯定。】


……


俺は短剣を少しの間、観察した。


……


握りは思っていたより少し大きい。


……


でも……


……


今はそんなことを考えている場合じゃない。


……


俺は短剣を強く握りしめた。


……


そして、その刃を目の前に構える。


……


不思議なことに……


……


怪我をしているはずなのに……


……


この世界に来てからずっと感じていた重さが……


……


今は少しだけ軽くなっていた。


……


「そうだ……」


……


「何が起きたのかなんて関係ない。」


……


「どうしてここに来たのかも……」


……


「今は……」


……


「ただ一つだけ。」


……


「生き残る。」


……


俺は顔を上げ、魔物を睨みつけた。


……


— おい……


……


「このクソ熊……」


グルルルル……


……


— そんな目で俺を見るのはやめろ。


……


「確かに、お前のほうがデカい。」


……


「俺より強いかもしれない。」


……


「でも……」


……


「人間を甘く見るな。」


……


「俺たちは……」


……


「負けると分かっていても……」


……


「それでも戦い続けるんだ。」


……


【通知】


【条件を達成しました。】


【スキルを獲得:「騎士の覚悟」】


【発動条件を満たしている間、使用者の勝利する可能性を上昇させます。】


……


— どうやら……


……


「安い代償じゃないみたいだな……」


……


「でも……」


……


「俺には選択肢がない。」


……


【このスキルを発動しますか?】


【YES / NO】


……


— もちろん……


……


— YES。


……


その直後……


……


グオオオオオオオオ!!


……


熊が全力で俺に向かって突進してきた。


……


呼吸が速くなる。


……


手が震える。


……


恐怖で脚が凍りつきそうになる。


……


でも……


……


逃げたら……


……


死ぬ。


……


戦っても……


……


死ぬかもしれない。


……


だから……


……


「選択肢は一つしかない。」


……


乾いた笑いが漏れた。


……


— 来い……


……


「お前の力を見せてみろ。」


……


「生き残るか……」


……


「戦って死ぬか……」


……


「どちらかだ。」


……


「はぁっ……!」


……


— 悪いな、熊さん……


……


カァァァン!!

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