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突発的に止めに入り、刃を持つ男と敵対するような立ち位置になってしまった。皮ジャケットの刃を軽々止めているように見えるが、足元のコンクリートに衝撃が伝わり、ヒビが入っている。皮ジャケットの男は自分を睨み付ける
「“カイト”…お前は、どうゆう了見で俺様に敵対してるんだよ。明らかにこの小娘は俺たちの敵だぞ。マガイモノ如きが俺様に歯向かってるんだ、消すだろ。」
すると少女は両手を握り、肩を震わせながら
「あなた!いい加減にしてよ!小娘とかマガイモノとか人に対する言い方が良くない!謝ってよ、どうしてこんなに人は悪意を放つのっ!」
素頓狂な事を言うからポカンとしてしまった。僕たちを君と同じとして扱っている。しかし、ずいぶん威勢の良いお嬢さんだ。しかも複数持ちでコントロールしてる。なるほどあの“黒”か…ただ、面白くなって笑いながら話しかけてしまう。
「ははっ確かにそうだね。“ジン”の言い方が良くないね。ごめんねぇーこいつ、元から口も性格も悪いんだ」
ジンが手の刃を消して自分の胸ぐらを掴む
「お前ぇ、ふざけてんのか!?“偶然に生まれた”マガイモノ如きが人間を語る?片腹痛いわ。」
(相変わらず“余計なこと”を喋る。にしても、ジンの遭遇率が高いな…)
「まあまあ、一旦落ち着けよ。“今”このお嬢さんと争っても意味はない。それに、それ以上“減らしたく”ないだろう?」
「俺様が、このガキに俺が負けるってのか!?」
「相変わらず察しが悪いな…“この子との接触はここで終わり”ってことだよ」
ジンの腕を掴み引き剥がして、乱れた服を直す。
(さて、どうしようかな…自分が主軸だからあんまり目立つことしたくないなぁ)
「あ、お嬢さんはもう大丈夫、気をつけて帰るんだ。そもそも夜にこんなところに来ちゃダメだよ。君の帰り待つ子が君のためにお夜食作って待ってるから早く帰るんだ」
彼女はポカンとした顔したけど、帰りを待つ人の顔を思い出したかのように、僕に向かって、お辞儀をする。
「すいません、ありがとうございます。カイトさん…?でしたか?また、お会いできますか?」
「そうだね。君が進む未来があればまた出会うよ。
暗い未来だけど君の未来に幸が多からんことを」
少女はまた深くお辞儀をして、この場を立ち去る。さて、どうしょうかな?それにしても、隣の男は相変わらずイライラしている。
「なにが未来だよ。あんなやつらにそんなもん無いだろう。それにあの小娘の“黒”って会議で言ってたやつじゃないのか?」
「だからだよ。あれが何か“わからない”以上、下手に刺激して返り討ちに合うのは良くないし。複数をコントロール出来ているのも脅威ではあるが、わからないことが多すぎる。あの子と当たっても、ジンに万が一が無いとはいえ無い」
「俺様に万が一もないが、あれは脅威にかわりはねぇ。未熟な内に捕らえて真相解明できねぇのか?」
「それを出来るメンバーがいないからね。様子見かな?幸い協力者が見つかりそうだから解明の方向は向かえるかもね」
「にしても笑えるのは小娘のカルマスだな。部下の何だったか?あの無表情の女と小娘でアイツのが揃うじゃねーか。アイツが知ったら血相を変えそうだな。」
「その件もだけど、この話を僕に預けてくれないかな?時が来たら彼に僕から話すよ」
ジンが嬉しそうにニヤニヤしてる
「お?珍しく慎重じゃねーか、あれか?先に完全になるのを恐れてるのか?」
(そんなわけないだろう…)
「それは君も同じだろう。むしろ、君が許さないのでは?」
「確かにな…それは気に入らねぇ。先ずは、アイツから取り返さないとな…にしても何であんなことになってんだ?“テル…”」
慌てて会話を遮るように
「まあまあ、いいじゃないか!そんなことより、内側のノアスの調査にそろそろ行かないとじゃないか?」
「そうだな、内側がアイツが原因なら取っ捕まえて聞き出せばたどり着くかもだしな。じゃ行ってくるわ」
ジンがいなくなった後、ようやく1人になってため息がでる。
「ふぅ…危ない、危ない。余計な事も余計な言葉が多すぎるんだよなアイツ…にしても一体どうなってるんだ?まあと言っても、流れが悪いわけでないか…あ、マズいな」
何もない場所に向かって円を描く。そこに息を吹き掛けると炎が立ち込めて何もないところに穴が開く。穴の先は禁止区域ではなく、何処かの部屋。そこに向かって
「とりあえずお前に言われた通り、無事に帰させた。あの子の為とは言え、介入してもよかったのか?」
その部屋から姿は見えないが返答がある
『そもそも、流れ関しては“我々”は関与してないよ。多少の強引な介入ではあるが』
「まあ、これ以上の観測は流れを乱す可能があるな。こちらの準備は順調に進んでいる。後はお前が来たら大きく動くだろうな」
『そればっかりはどうしょうもないな。それこそ“神のみぞ知る”だよ。さて、カイト。君に行ってほしい所があるんだ』
すると、自分の背後の空間に亀裂が入る。窓ガラスが割れるようにポッカリ穴が空く。
「どこの場所だ?」
『ある男に会ってほしいんだ。』
「いきなりだなって言いたいけど、毎回そうだな…わかったよ了解した。」
割れた穴に向かって歩く。さてさて、どんな所なんだろうか…
誰も居なくなった禁止区域に現れた、割れた穴と炎の穴は何事もなかったかの様に元の風景に戻っていった。




