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だるま落とし

「・・・・・・早めに飯食っとくかぁ」

「そうしましょ」


 2人ともそこそこローナを稼げたので少しいい店に入ってみた。

 まあ支払うのはゴールドなので金は減るのだが。


「ふいぃ満腹だ」

「腹ごなしにちょっと歩きましょう」


 ということで歩くこと20分ほど。


「すげぇなぁ。いたるところで何らかのパフォーマーがいるぜ。客引きもいっぱいだけどよ」


 定番のジャグリングやパントマイムから、見たことのない生物とふれあい体験など。

 この区画はそこかしこで投げ銭されている。


「さぁさ異国の地から伝わりし"だるま落とし"、やってみる方はおらんかねぇ~」

「おいおいすげぇぞ!?」


 大きな広場に人が集まっている。

 だるま落とし。

 一般的なものはせいぜい30センチ程度だろう。

 だが、この天に向かってそびえるのは4メートルほどはある。

 木製の槌も相当な大きさだ。背丈の半分はある。

 

「最後まで落としきれたら1000ゴールド、もしくは2000ローナだよ~。参加料は100ゴールドか200ローナ!」


 今ちょうど設置し終えたタイミングらしく、どの程度の難易度なのか誰もわかっていないようだった。

 だるま落としのルールは簡単。

 槌で縦に並んで輪切りになった丸太を、崩さずに最後まで叩いて落とすというものだ。

 コツは、次に落ちてくる丸太に触らないように振りぬくか、インパクトできっちりとめるかだ。


「しかし、この大きさじゃあ相当な怪力でもないと一番下のがキツイぜ」


 後半になれば重みが減ってくるのでそこからは比較的簡単。

 問題は序盤。高さがある分バランスを崩しやすく、生半可な力で叩いたのではすっぽり抜くことができないだろう。


『ようし、俺がやってやるぜ!』


 と、観衆の1人の男がチャレンジするようだ。

 そこそこ大柄で、槌を持ってもふらついたりしてはいなかった。


「それでは一発目どうぞ!」


 バァンと槌が丸太に打ち付けられる。

 半分ほど抜けたがバランスを崩し倒れる。

 観客は慌てて避難する。


「あ~っと失敗です! 立て直すので少々お待ちください」


 一つ目の大男やヌルリとした感じの翼をもつトカゲ顔が積みなおしていく。


「・・・・・・人間じゃなくてもちゃんと仕事してら」


 どうやらこの街でもモンスターどもに人権があるらしい。

 特に誰も驚くことはなく、作業を見守っている。


「さぁさぁ、次の挑戦者はいないかねぇ!」


 全員があたりを見回すが、誰も行かない。

 俺もトニーも行く気はない。流石に力自慢でもないし、無理だろう。


「おや。こいつを叩けばいいのか?」

「そうみたいですよ」


 俺たちの後ろから声を掛けてきたのは、筋骨隆々のオヤジ。

 たっぷりとした白い髭をたくわえ、まるでサンタクロースのような見た目だった。


「よし、やってみるかな」


 そう言って、向かっていった。


「さあ、筋力は十分にありそうな挑戦者! 一発目はどうだ!!」


 両手で槌を持って思い切りスイングした。

 バァンと最下段の丸太にヒットする。

 すると、スコーンと1段目の丸太だけ抜けた。

 ぐらつくこともなく、ズドンとそのままの形で他の丸太が下に。


「すごいぞ! すごいぞ! 一段目をクリアだ! 挑戦者、何の仕事をされているんでしょうか?」

「ああ、鍛冶師だ」

「鍛冶師! 流石ハンマーの扱いはお手の物! この調子でクリアできるのか!? さぁ2段目いってみましょう!」


 そのあとも次々とだるま落としは進み、あっという間に鍛冶師の男はクリアした。


「おめでとうございます! 1000ゴールド進呈いたします。なお、おひとり様1日1回の挑戦に限らせていただいています!」

「すごかったねぇ」

「あれ、できる人いるんですね」


 と、トニーと感想を言い合いながら次の賭場へと足を進める。


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