徐々に増える
「どうだいトニー?」
「ルールはわかりました。コレ確実に増えていきますよね?」
「んだな。ちょっとずつ増やしてそれから別の勝負に出よう」
席に戻った。
「おかえりなさいませ」
「おう。ただいま戻りましたっと」
『ただいまよりレートが4倍。今までのさらに2倍となります』
「と、いうことですが。最低金額が40ローナとなりますが?」
「じゃあ40だ!」
そうして稼ぐこと1時間弱。
・・・・・・ついに後ろに並びができてしまった。
「え~と、この後は3ゲーム交代となります」
「・・・・・・じゃああとの3回は400で」
いまのところ平均2.5倍ほどになっている。
ミスが無ければ確実に増やせるゲームだった。
「黒、赤、黄色、緑」
「正解!」
次!
「緑、青、白、赤!」
「正解!」
次!
「白、黒、青、赤!」
「正解!」
ということで3回とも成功。
全部3回目の成功で2倍。
元が4600ローナから、このゲームだけで2000ローナを稼いだ。
現在は6600ローナ。
金額はディーラーの携帯端末からタグに記録され返ってきた。
(にしてもすげぇな。コレ。魔法でパソコンと同じような機能を実現してるんだろ?)
日本や各国から人間が流入している世界とはいえ、電気という文明の利器なしでここまで現代と変わらないシステムがある。
(というか電気をどうこうできる仕組みがないのはなぜなんだ? 電気の作り方くらい小学生で習ってるはず・・・・・・)
「なぁトニー」
「なんでしょう?」
「なんで電気が普及してないんだと思う?」
17時。現代の一般人なら大体がちょうど仕事終わりの時間。
夕食を食べ、ちょっと遊び、眠る時間。
俺たちは次のゲームを探し、店を転々としていた。
大体の店は混んでいて、一般客、大会参加のやつらがたっぷりだ。
「そうですね・・・・・・技術が伝わってない、とか」
「でもそれはおかしくないか? 馬術のプロみてぇなやつが来てる時点で、科学のプロが来ていてもおかしくないじゃないか? そもそも簡単な電池くらい小中学生でも作っただろう?」
「じゃあ聞きますけども。サムは電池作れます?」
「うっ、それは痛いなぁ。流石に覚えてねぇけど。コイルをどうにかしたり、塩水でどうのすりゃあいいんじゃなかったっけ?」
「みんなそんな感じで曖昧な記憶しか残ってないんでしょうよ」
トニーのいうことでなんとなく腑には落ちた気がしないでもない。




