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転みた!  作者: 田貫うどん
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第1章4話

私の名前はkuva、どこにでもいる高校生で一般人だ。

ナイチンゲールって知ってる?クリミアの天使として有名ですよね。

ところでナイチンゲールの反対の言葉って知ってますか?

その名は「アルチンボルド」です。

イタリアの画家ですよ。日本でも有名なので覚えておきましょう。


それにしてもことあるごとに「ぷっちょへんざ」という若者に空手チョップを食らわせたい気分なのだが、このぷっちょへんざというのは「put your hands up」という語呂の良さを逆手に取った言葉遊びのようなものである。

この言葉の意味は「手を上げよう」らしい、つまり空手チョップを白羽取りできるかもしれないので私の負けなのである。

存分に使いたまへ。




ズンチャ、ズンズンチャ、デデーン!


何処からともなく流れる壮大なBGM。

まさか、私の大嫌いなフラッシュモブが始まるというのか!?

回りくどいし、見ている方が恥ずかしい、やっている本人はノリノリなのだろうが、いっちょワンパン食らわせてノックダウンさせたい。

それはさておき、ももんがとナナリー、その他のぬいぐるみ達は後方を向き、やってきた人物を確認すると通路を作りひざまずいた。


ももんが「お待ちしておりました」


目の前に現れたのは今まで探していたマキナであった。


マキナ「やぁ皆さんお揃いで。一緒にお祭りを楽しもうじゃありませんか」


みたん「マキナ!お前が首謀者なのか?」


その問いかけにマキナはニヤリと笑いだす。

何がおかしいのだ、マキナめ、馬鹿にしやがって。


マキナ「ふふふ、私は単なる駒、雑兵に過ぎませんよ」


みたん「それじゃ、誰が!」


マキナ「まぁまぁそう焦らずに。まだ皆さん集まってませんからね」


マキナが指パッチンするとオトヒメとAyaHが苦しみだした。

動揺するビビが不慣れに二人の背中を擦った。


空白「すまない、俺も少し調子が悪くなってきた・・・」


ビビ「みたんさん!二人が息をしていません!」


みたん「な、なんだと!?マキナ!お前何を!」


マキナ「特に何も。そろそろだと思い早めただけですよ」


みたん「大丈夫か二人とも!」


マキナ「お城での食事はおいしかったですか?ふふふ、食べたらこうなる運命なのです」


みたん「お前、毒を入れたんだな!何てことしやがるんだ」


マキナ「毒じゃないですよ。新たなるステージに進む為のに必要な物です」


マキナの言う食事とは居城で捕らえられていた人たちに提供されていた食べ物のことだ。

転みたの第9話でAyaHが「ここは待遇が良い」という言葉を思い出した。

徐々に体に影響を与える食べ物を与えられていたのか。

食べ者の全員がもしかしたら苦しんでしまうのだろう。

しかし、空白は忍者だ、他人からの食事提供は死んでも受け入れていないはずだ。


みたん「空白はもちろん食べてないよな?」


空白「愚問だな。私の意思はそんなに甘くは・・・甘くは・・・・」


カグラ「食べちゃいましたか・・・・」


空白「この空白、空腹には・・・う・・・苦しぃ・・・」


みたん「く、空白ぅぅ~!」


倒れこむ空白を介抱するみたんだった。

ニコの絶望した表情を見ると、オトヒメとAyaHが死んでしまったのだと察することができた。

なんてことだ・・・どうして・・・どうして・・・


マキナ「さぁ蘇るのです」


マキナの声に呼応した二人はその姿を変え新たな生命へと変貌していた。

まさか、こんなことが起こるなんて、この世界はどうなってしまうのだろう。


オトヒメ「あら?おはよう皆さん。え?体が軽いんですけど。しかもすこぶる調子が良い」


ayaH「私も、最近仕事で忙しくて遊びどころじゃないんですけど、何故か調子が良いですね。この唐辛子も全く辛くないです」


辛みを感じるのは個人差なのでそこで調子の判断は出来ないが、二人は生きていたのだ。

そしてその姿はまるでニワトリのような、それでいてもふもふしたぬいぐるみのような姿をしている。


ももんが「やっと元の姿に戻ったんだトナー。おめでとうトナー」


パチパチパチと周囲から拍手が巻き起こる。

オトヒメコッコとAyaHコッコは恥ずかしそうにももんがの隣へ向かった。


マキナ「これで分かりましたか?」


みたん「分かってたまるか!ふ、ふざけやがって!」


マキナ「おやおや、早く楽になった方がいいのでは?ナナリーのタピオカミルクティでも飲みませんか?」




お話を整理しよう。

みたんたちが龍の居城で助け出した人たちはマキナ達が用意した食事を食べている。

つまり、食べた人たちはもれなくもふもふのぬいぐるみみたいな格好に生まれ変わってしまうのだ。

変身する前は仮死状態に陥り、しばらくすると復活する(個人差がある)。

ももんがもyasuもこういった過程を経てトナカイやピンクのウサギになったのだ。

 

 

 

みたん「こ、こんなことをする目的はなんなんだ!?」

 

マキナ「目的?そんなの分かり切ってるでしょ?それは・・・」

 



「人類もふもふ化だよ」

 

 

 

その声は突然、どこからともなく聞こえてきた。

辺りが騒々しい、「リーダーが来てくれたのか?」「待ってました」との声が上がる。




たぬこ「お待たせしました皆さん。かるーあ国をぶっ壊す!でお馴染みのたぬこですよ」



ももんが「マッマー!!」


たぬこ「静粛に静粛に。ほら皆さん驚いてるじゃないですか」



ニコ「た、たぬこ?」


目の前にいるシロクマの娘はかつてかるーあ国で下働きをしていたたぬこであった。

どうしていまここにいるんだ?リーダー?たぬこがか?


たぬこ「詳しい話をしてあげましょう。今日はお祭りなんで気分が良いですね」




~~~~~~~~~~たぬこ回想~~~~~~~~~~~~~~

私ことたぬこは茶色の髪の毛で着物が似合う少女であった。

かるーあ国を旅立ってから数か月後、人類がまだ立ち入ったことのない場所の存在を知ったのだ。

どうやったらそこへ行けるのか、手探りで調査をし、その場所から遠くない町で伝承の一部を発見する。

試行錯誤の結果、これまた数か月の時間をかけて、ついに到達することに成功したのだった。




私は足を踏み入れて直ぐに理解した、ここ(人類未踏の場所)は死のニオイで溢れている。

足元には何人分かの朽ちた骨が散らばっている。

立ち入った者は以前にも居たようだが、ここから戻った者は誰もいないだろう。

空気は薄く、毒ガスが噴出していることに気づいた時に、たぬこは死を覚悟した。

このまま数分と持たずに死んでしまう、もう戻ることは出来ないだろうと。


薄れゆく意識の中で何かを見つけた気がした。

その何かが私に近づくと目の前で踊り出し、私の頭の中へ入って行く感覚を覚えたのだ。


そして気が付くと体は軽くなっていて毒ガスだと思っていた空気はなんの変哲もない空気であることに気づいた。

なんだったんだ?と汗を拭おうとした時に気づいた、私の身体の異変に。

身体は白く、熊のような爪を持っていた、しかも美少女。

足は白熊のようにたくましく、しかも美少女。

持っていた鏡を見て驚く、もふもふの美少女が目の前にいるのだ!!


成程、この変身を受け入れられない者だけが死んでいく、目の前にある骨はそいつらの痕跡だ。

この力、この美貌そしてもふもふ。

最高じゃないか。

それから私はこの場所で発見した湧き出る水を持ち帰るとその成分を分析した。


たぬこ「全くわからん」


とりあえず誰かに飲ませてみようかと思ったのだ、なぜか。

そして、近くにいたももんがに飲ませてみた。

するとどうだろう、飲んだももんがは姿を変えたではないか。


たぬこ「なんてことだ」


ももんが「これは・・・なんて素晴らしい飲み物なんだ!」


たぬこ「そ、そうか?ももんが、かわいくなってるぞ」


鏡を手渡すと驚いた表情のももんが、「これが私の姿・・・素敵・・・」。

ある程度の制御で普段の姿ともふもふの姿との使い分けは出来るようだ。

そうだな、これを使って世界をもふもふで覆いつくそうじゃないか。

単なる思いつきだがこれは私にとっても世界にとっても有意義なことだ。

そして、少しずつ伝承の地で手に入れた水を食べ物に混ぜ誰かに食べさせ仲間を増やしていったのだ。

居城に捕まえた人々に食べさせ、その勢力はもはや誰も歯止めが効かない程になってきている。



~~~~~~~~回想終了~~~~~~~~~~


たぬこ「そういうことだ」


みたん「なんておぞましいことを」


たぬこ「もう計画は最終段階だから抗う術はないですよ。ほら到着したようですね」



yasuと一緒にマック姫とその他の人々が現れた。

マック姫が生きていたのだ。

ニコは気を失っているようでマック姫に抱えられていた。


マック「もふもふ最高です」


マック姫の尻にはキツネの尻尾があったし、耳もピョコピョコであった。

そして他にも、


ひかりん「おや?私が最後ですかね?遅すぎましたか?」


ayaHコッコ「ブレイクタイムと洒落込みましょう。違いの分かる水出しコーヒー用意しました」



絶体絶命のピンチであるみたんことkuva。

このままたぬこ達にかるーあ国をぬいぐるみの国にされてしまうのだろうか。

挽回できるような策はあるだろうか、いろいろなことが起こりすぎておかしくなりそうだ。



ももんが「やっぱりコーヒーはブラックに限るトナー」


たぬこ「ブラックも良いが豆乳入れてみると少しは違うよ。試してみな」


マキナ「私はカフェオレにしたのが好きです」


ayaHコッコが淹れてくれた水出しコーヒーを飲みながら一段落していたたぬことその同志達。

それに伴い、屋台で食べ物を売っている元かるーあ国民のぬいぐるみたち。

ワイワイガヤガヤと、井戸端会議が始まってしまった。

蚊帳の外な感じになってるみたん達である。



サニー「それで言ってやったんですよぉ、あの子が試着した水着をくださいってね」


マキナ「ちょ、それ完全に変態じゃんか」


まなっち「私はそこまで自分をさらけ出すことはできないですね。流石先輩です」


ポン「まなっちも十分さらけ出してると思いますけど。私は好きです」


 

  



たぬこ「はいみんな注目してください。ちょっとみんな立ってね。これを椅子の上に置いて」


yasu「え!?もしかしてアレやるんですか!!??」


たぬこが手にしているのは今話題の拡大鏡【たぬこルーペ】である。

これを持ってればやることは一つ、真実も一つ。


ひかりん「これは是非ともディアにやってもらいたいね」


ディア「えー。仕方ないにゃぁ」


すると辺りは静かになりじっと見守った。

不覚にもみたんことkuvaも見入ってしまった。


みたん「ゴクリ・・・いや、違うだろ!違うだろ!このハゲーー!」


たぬこ「え?やります?」


みたん「やらねーし、なんだよこのホンワカとした雰囲気は」



もふもふ化してない人も雰囲気に飲まれてしまっている。

サニーに至ってはコーヒー飲んでるし愚かとしか言いようがない。

かくいうkuvaことみたん本人も少なからず動揺している。

絶体絶命のピンチである。

味方と言えば、先ほど目を覚ましたニコとビビ、カグラにまなっち神ちゃんとその他くらいである。

どう対処したものか。


たぬこ「ふーん、どうすんの?戦争で取り戻す?私は望んでないんだけどね」


みたんは言い返す言葉が見当たらなかった。


たぬこ「さて、お遊びはここまでだな。みたんももふもふになるよな?え?」



到底受け入れることはできない要求だ。

もふもふ?この私が?

しかし、正気を保っている仲間がいつ取り入れられてしまうのかは分からない。


たぬこ「うーん、しぶといね。よし分かった。このモカに新しい駅を作りますよ。移動するのにも便利な駅、その名も『たぬこゲートウェイ駅』です」


マジか?やったぜ!と外野の人々が。

そんな甘言に惑わされるkuvaではない、話をすり替えるなと声を上げた。


たぬこ「今ならこのモコリンペンをプレゼントします」


みたん「ドライヤー無いしいらんはそんなもん」


たぬこ「それじゃ戦争しかないんじゃない?でもそっちの戦力はアリ並みでしょ?どうすんの?」


戦力では負ける、だからといって挽回できる策は無い。

もふもふ?意味が分からない。どうにかしなければいけなのだが・・・返す言葉はもはや無くなっていた。

攻められればすぐさま終わる、説得で叶う相手ではないだろう。


たぬこ「私としても、傷つけあうのは本望じゃないんだよ。そうだな・・・ニコちゃん、君は夜な夜な猫耳つけて尻尾まで着けて踊ってるよね?

もふもふ最高でしょ?仲間になりなよ」


ニコ「!!!!」


しまった、外野から攻められてしまう!

手強い相手だ・・・このままでは・・・私は、もう・・・


ももんが「一緒に踊ろうトナー」


yasu「楽しいよ。こっちに来なよ」


ニコ「しかし・・・私は・・・」


みたんはニコに声を掛けることは出来なかった。


たぬこ「こうなったらもふもふになるのがスジじゃないかなー?

あと、弁護士たてて、法的処理、いくらでもできるからこれからの出方次第でこっちもぬいぐるみ国総出でやりますよ」


みたん「お前たちの言いなりにはならない!」


たぬこ「負けだって認めて、他の人たちに道筋くらいとおしなよ^_^。もふもふになるのがこの国の常識な」


ビビ「みたんさん!負けちゃだめだ!」


この逆境の中、唯一明るい光を心に宿しているビビが周りを守り立てる。

そうだな、こんな奴らに負けてはいられない、私は、このかるーあを作ったんだ、新参者に好き勝手やらせるわけにはいかないのだ。

正気を失っていた宰相のニコも何かを吹っ切るように深く頷いた。


ビビ「な、なにするだー!!や、やめろう!!」


さっき良いことを言っていたビビが、いつの間にかぬいぐるみたちに羽交い絞めにされ動けなくなっている。


ナナリー「さぁ、ナナリー特製のタピオカミルクティーを飲むんだよ!ほれほれ」


ビビ「あ!ぁ、いや、やめて・・・甘いものは苦手なのに・・・うっ・・・」


ナナリー「リーダー飲ませました!ほめてください!」


たぬこ「流石だな!残りの彼らにも飲ませてあげなさい」


そろりそろりとマック姫がニコに近づいてくる。

すっかり怯え切っているニコの前に立つとこれ見よがしにポーズを取った。

で、でたー!!マック姫のドヤ顔!!

みたんことkuvaもイラついたがどうすることもできなかった。




私は何もできないまま終わってしまうのか。

いままで最善の行動をしてきたつもりだが、やることなすこと思っていた事と違っている。

現世での行いが悪かったからか?そんなことは・・・そんな・・・。

思い当たる節はあるが、それがなんだっていうのだ。

大事なのは今どう切り抜けるか、だ!



たぬこ「ああ、もうすぐ終わりだな。見てごらん、皆の喜んでいる姿を」


辛うじて正気を保っていた仲間は、みなたぬこ達の手先によって、もふもふ化の魔の手に堕ちていた。

みんな・・・すまない・・・無力な私を・・・許してくれ・・・。


サニー「みたんさんも早くこれ飲んでもふもふ化しなよ」


みたん「サ、サニー・・・お前ってやつは・・・」


1ガロンくらいタピっていたサニーは少し毛深くなっただけでもふもふ化してるとは言えないが、何だろうこの心から沸き立つ怒りは。

しかしサニーの手の中にはタピオカミルクティーとは違うものが握られていた。

これは、もふもふ菌に汚染されていない「ナントカ還元水」だった。

つまり、ミルクティーを飲むと見せかけてこのナントカ還元水を飲んでたぬこ達の目を誤魔化して逃げてしまおうという魂胆なのだ。


サニー「私は不死身ですよ?早く切り抜けましょう」


と耳元で囁いた。

みたんはサニーを疑ってしまったことを恥じた。

逆境の中にいて、こんなにも頼れる仲間がいるとは!ビビはもふもふってしまったが・・・。

「よし分かった」とサニーから水を受け取ると、それを高々と皆に見えるように掲げた。


たぬこ「ほう、やっと表舞台から引く時が来たか。早く飲め、時間を僕らが損をしてしまう」


みたん「私の事は嫌いになってもかるーあ国の事は嫌いにならないでください!グビッ」



サニーから受け取った水を飲もうとした時だった。

視覚に入っていなかったのか分からないが、どこからともなく大声を上げた人がいた。

皆驚き騒然としたが声を出した本人がみたんとたぬこの間に割って入ってきた。


ウーノ「オ待チナサイ!ソレハサニーの罠デス!飲ンデハイケナイ!」


みたん「!!!ウーノ!?」


現れたのはウーノ、かるーあモカの最終兵器である機械生命体であった。

話せば長くなるが、あらゆる非常事態に対応できるように配置されていて、たとえばミサイルが撃ち込まれたら撃ち落とすような機能が備わっていたのだが、長年放置していたので錆付きオイルを挿し挿し調整していたのだ。

龍がモカを襲った時に起動させようとしたが動かず、役に立てなかったのだ。


ウーノ「飲ンジャイケナイ」


マキナ「なんだこの機械は。ぶっ壊していいですか?かるーあ国みたいにw」


マキナの鉄槌で砕かれたウーノ、飲んじゃいけないとは?

と言われても少し飲んじゃってから来ても遅いし、しかもなんだか体調が悪くなってきた。


みたん「サニー!!おま、お前、騙したな!?」


サニー「え?だま?騙した?私が?」


ザワザワ・・・と辺りが騒然とした。

ピンと来ていないたぬこは何が起こったか分からない顔をしていたが、


たぬこ「さ、さすがはサニー。よくやったな」


サニー「えーと、訳が分からないけどありがとうございます」


激しくせき込むみたんは死を覚悟した。

しかしみたんにはやらなければならない事がまだあった。

意識がなくなる前に、もふもふ化になる前に。


たぬこ「これで邪魔者はいなくなった。みんなでもふもふ国を盛り立てていこうじゃないか」


うぉぉぉぉ、と怒号が発せられる。

かるーあ国は風前の灯火、もふもふ国になりつつあった。


ティア「これで良かった・・・んだろうか?」


ひかりん「なにを今更。これが理想郷というものよ」


マック姫「死ぬわけじゃないんだ。これが最善さね」


オトヒメ「感慨深いわね・・・」



みたんことkuvaが飲んでしまったのはナントカ還元水ではなく、ウーノの冷却水だったらしい。

よく確認せずに行動を起こした結果が尊い犠牲者を出したのだ。

後の話だが、機械のウーノは修理され基盤交換でもふもふ国の一員に迎えられた。





時は残酷に過ぎる。

頑張っても、何もしなくても誰もが平等に同じ時を刻んでいるのだ。

この流れの中で私たちは切磋琢磨し時には死んでいく。

誰が未来を知ることができるのだろうか。

この先が分からないからこそ懸命に生きる私たちはいる。

不条理なことがあっても受け入れなければいけない時がある。

生きていく為には仕方のない事だ。

私のこれまでは間違っていたのだろうか?

しかし、このまま意思を通していれば生きてはいけないだろう。

死んだ方がましだと思うことがある。

だが、ただ死んでしまうよりも誰かにこの思いを伝えなければいけない気がする。


そうまでして生きたい?

私には分からない、だけど死にたいなんて思っていない。

生きたいから生きている、ただそれだけのこと。

誰かの為に生きている、ただそれだけのことなのだ。

全てがなくなった時私はどうしたらいいのだろう。

分からない。

分からない。

分からない。

光さえあれば生きていける?

無理だ・・・どうしようもない。

もう受け入れて楽になってしまおうか。

捻じ曲げられものは歪んで元には戻らない。

私は、私のままでいられないのか。




みたんは消えゆく意識の中で走馬灯のように頭の中で考えていた。

今すべきことは何なのだろうか、と。

一つの結論にたどり着いた時、みたんでありkuvaである心は二つに分かれた。


kuva「え?どういうこと?」


みたん「君が私の中に入って勇気ある行動をしていたのは知っているさ。ここで君を失うわけにはいかない。ここは私に任せて」


kuvaは何かを察した。

それは今生の別れのような悲しみが含まれていて鈍感なkuvaにも心の底から言葉には出来ないモノが溢れ出してきた。


kuva「それじゃ、君は、みたんはどうなっちまうんだ?」


みたん「それは分からないけど、運命は受け入れるものさ」


kuva「俺、死んでるんだよ?」


みたん「なるようになるさ。さぁ、ここでさよならだ。ありがとう一緒にいてくれて」


kuva「み、みたん!!!」


kuvaの意識は見栄を張った中古女優のインスタの写真のような空間みたいに歪みだした。

そして、みたんの身体からkuvaの存在が消え去った。










「・・・き・・・か・・・・こ・・・・」


「ん?なんだ・・・?」


どこから聞こえているんだ?


「わ・・・のこ・・えま・・・」


「うるさいな、なんだよ」


「私の声が聞こえますか?」


kuva「聞こえてるよ、ってあんた誰だ?」


「私は運命の女神、あなたを導きにここに来ました」


kuva「女神ぃ?またお前か!何なんだこの終わり方は!俺を早く元に戻しやがれ!」


「あなたが戻りたいのはどっちの世界ですか?」


kuva「それはもちろん・・・もちろん・・・どっちだ・・・」



究極の選択!選べるわけがない。


「私の独断ですが、これからあなたは別の世界で新たな生活を送ることになるでしょう。何をやってもうまくいかなかった世界を取り戻すために」


kuva「え?それじゃあ・・・」


「それでは早速、この扉の外へ向かってください。そこがあなたの新しい世界です」


運命の女神の足蹴で扉に頭を打ち付けながら中へと入っていった。




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