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第21.1章:陰鬱ないななきの残響

【神の都に潜む不協和音】


「ねえ、おじさん……あの装備、売っているのか?」


ローズが尋ねた。埃で曇ったショーケースを指さしながら、彼の声はわずかに震えていた。

ドワーフは、白熱した金床から目を離すことなく、地鳴りのようなうなり声を上げた。


「ああ、もちろんさ……あのガラクタの山から好きなものを持って行け。金さえ払えば、お前のものだ」

「本当にいいの、ローズ?」マルセリンが顔を覗き込む。「この刃を見てよ! 刃先に黒と紫の模様が入っていて、君にぴったりだよ!」


だが、ローズは耳を貸さなかった。鉄の塊が喉を締め付けるかのような突如たる不安が、彼の視線をそらすことを許さなかった。彼の視線は、古い金属製の首飾りに釘付けになっていた。その縞模様が、彼だけが感じ取れるリズムで脈打っていたのだ。

突然、現実の静寂が砕け散った。


――ヒヒーンッ!!


それは、忘れ去られた古の騎士団が戦場で放つ勝鬨かちどきにも匹敵する、幽霊のようないななきだった。彼の頭蓋骨の奥深くまで響き渡ったその響きは、物理的な音などではなく、精神への凶悪な侵入だった。


「うっ……!」


ローズは頭を強く押さえ、灰の積もった床に膝をついた。


(馬……? 一体、これは何なんだ……?)


「え? ローズ? どうしたの?」マルセリンは彼のそばに素早くしゃがみ込み、その顔からはいつものいたずらっぽい表情が消え失せていた。「私のアドバイスが退屈すぎて、頭痛でもしてきた?」


ドワーフが重いハンマーを床に叩きつけた。


――ガチャンッ!!


濃い眉の下で目を細めながら、老ドワーフは古びて歪んだ装備の山から、その首飾りを拾い上げた。


「おい……お前、もしかして……」鍛冶屋はその不気味な一品を目の前に掲げた。


「こいつの声が、聞こえているのか?」

「えっ?」マルセリンは驚きに目を大きく見開いた。

「鎧のパーツの一つが、彼と共鳴しているの……?」


そのつながりは、あまりにも強烈で暴力的だった。ローズは首飾りから絶え間なく脳内に押し寄せる思考の奔流に、自らの意識の輪郭がほつれていくのを感じた。もう一言も発する猶予もなく、彼の視界は急速に暗転し、その身体は糸の切れた人形のように崩れ落ちた。


「ローズ!」マルセリンは叫び、床に激突する寸前で彼の身体を抱きとめた。


老ドワーフが低い声で告げた。「宿屋に連れて行って、その首飾りは持っていきなさい」

「でも、これは……」

「持っていけ。それはあの子の運命であって、お前のものではない。急ぐんだ」

「チッ」


マルセリンは時間を無駄にしなかった。吸血鬼としての超人的な剛力でローズを軽々と抱え上げると、降り始めた雨の中、一条の黒い影となって首都の路地を駆け抜け、最も近い宿屋へと向かった。


その道中、闇の向こうから聞き覚えのある声が彼女を呼び止めた。


「ん? マルセリンじゃないか?」


街角の灯りの下に立っていた五条ゴジョは、昏睡した若者を背負って走る彼女の姿を捉えた。彼の端正な顔立ちが、一瞬にして真剣なものへと変わる。


「どうしたんだい?」

「五条! ローズが……!」


マルセリンは言葉を最後まで言い終えなかった。だが、その紅い瞳には、めったに見せない本物の焦燥と苦悩が揺らめいていた。


*


【宿屋の薄暗がり】


数分後、宿屋の一室でスワッチ修道士がその首飾りを厳重に調べていた。その間、ベッドの上のローズは意識を失ったまま、激しい死霊の残響に宛てられて大量の汗をかいていた。


「また、あの盤面のボードアーマーか……」スワッチは厳かに呟いた。

「どうやら、精神的な反響の負荷が彼の脳には耐えきれんようだ。彼の精神は今、この世のものではない言語を強制的に処理させられている」

「ローズくん、大丈夫なのかな……?」リリアは自らの胸を締め付けるように両手を握りしめ、ベッドを見つめた。

「マルセリン……当面の間、その首飾りは君が預かっておいてくれ」五条が落ち着いた、しかし有無を言わせぬ声で提案した。

「え? でも……もし私にまで呪いの影響が出たら?」

「君が支配されることはないさ」スワッチは窓の外を見つめ、静かに首を振った。

「ローズと共鳴したことで、その首飾りはすでに誰に仕えるべきかを決めている。君は今のところ、単なる一時的な架け橋に過ぎんよ」


マルセリンは首を傾げた。「おじさん……どうしてそんなことまで知っているの?」

僧侶は彼女に背を向け、静かに扉の方へと歩き出した。「今は重要ではないさ。さあ、彼を十分に休ませてやろう」

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