350 人妻カオルは何かが変わった
3月5日。
勇太達4人は早くも日常に戻った。
勇太とルナの気分は変わりなし。去年の5月に保健室で音声オープンのセッ●スをしていたし、籍を入れたくらいではインパクトがない。
梓も勇太との籍は去年の7月末に入れていた。
ルナと同様に日常は変わらない。
カオルも変わったつもりはない。
けれどみんな大小の変化がある。特に変わったと周囲が感じているのがカオル。
結婚のためとはいえ2日も部活を休んだ。今日も早朝から勇太と走り、朝練に励んだ。
疲れ気味で眠るために教室に向かう。学業は?と言いたいが触れてはいけない部分だ。
教師も含めた色んな人に、おめでとうと言ってもらえた。
カオルがトイレに寄ってから自分のクラスに入ると、早くもハラダヨシノがユウキ君との話をさせられていた。
今日はお風呂タイムのことを赤裸々に語っていた。
運動の推薦で茶薔薇に入った、男子に縁がない女子ばかりの2年1組。カオルと違ってオープンなヨシノの話にかぶりついている。
もちろんヨシノは菩薩モードだ。話の内容はどす黒く煩悩だらけなのに、表情だけは菩薩だ。
「ヨシノ、お風呂はユウキ君と一緒なの?」
「もちろん、どちらかの家に泊まるときは一緒でございます。2人の時もあれば、数人の時もございます」
「洗いっことかすんのか?」
「はい。ユウキ君がお好きですから」
「なんだよ、それ~」
「さすがに恥ずかしくもあり、前は遠慮するのですが…。洗われたあとは、お返しにユウキ君の珍宝を優しくモミモミいたします。するとカッチカチになるのでございます」
「くう~~、ヨシノが別世界の人間になっていく~」
「おほほほ。皆様にも幸運が訪れることをお祈りします」
ノーマルヨシノは元から気遣いが細やかで優しかった。修羅ヨシノとは真逆。だから男子と付き合い始めても、妬みなどは意外と少ない。
柔道関係の疎遠になった人まで連絡してくるのに困ってるくらい。
度が過ぎた相手は菩薩モードで、優しく言いくるめている。
ただクラスメイトが残念に思う点は、すでにユウキ君にはヨシノを筆頭に5人の彼女がいる。
ユウキ君は律儀にハーレムメンバーを大切にし、今のところは新しく彼女を増やす気がない。
何よりも、ユウキハーレムは女子の身長が最低でも168センチある。最低体重も64キロで肩幅が広い。ある意味、厳選されたメンバー構成なのだ。
そこが厳しいと思ったとき、再びカオルが脚光を浴びた。
さっきから、カオルに男子を紹介してほしいと言いに来る子ばかりだ。みんなの希望は、勇太の嫁ズではない。
カオルが持っている人脈だ。
「カオル、あんたヤマモトタロウ君、冬木ゲンジ君とも親しいでしょ」
タロウもゲンジも彼女を増やす気はないと言っていても、まだ気変わりしやすい中学生。
それに勇太も、去年の夏場にはルナ、梓、カオルの3人しか彼女はいらないと言いながら、月イチ以上のペースで嫁ズを増やした。ゲンジもタロウも、そんな勇太の弟子。
カオルの紹介から年下彼氏を狙う非モテ女子が増えている。
「お願いカオル~。ダメ元でいいからさ~」
頼んだ子も無理強いはしない。カオルの性格が豪快でいても恋愛には奥手という、この世界では珍しいキャラ。
けれど、今日は微妙に違った。
頭をボリボリかくのではなく、ルナのように自分の人差し指を唇に当てて言った。
「お茶くらいつきあってみてくれって、本人に話はしてみるよ。それでいいか?」
目の前のカオルが女の子に見える。
クラスメイトは思った。言葉遣いは変わらないのに、何か物腰が柔らかい。
これはセック⚫において、カオルが珍しい受けオンリーだという噂。それが本当だと思った。
見た目が肉食なカオルが、3人の伴侶を手に入れた。普通なら食い散らかすと思えば、身体を3人に食い尽くされているという。
他の子が興味津々となって、カオルに食い気味に尋ねた。
ダイレクトだ。
「カオル、セッ●スでは尽くされっぱなしだってな~」
「ど、ど、ど、どうしてそれを…」
「キョドるな。バレバレなんだよ」
「ルナちゃんや梓ちゃんが、聞かれるたびに勇太君とお前とのセック⚫話してるもんな」
「あ…」
なんで、黙ってるのに夜の生活のプレイ形式がバレているかと思えば、当事者が発信していた。
今頃気付いたカオルだ。
「それにしてもよ~、カオルって複数プレイが好みだったんだな」
「それも攻め手3人で、受けはお前1人だってな」
「そ、そんなとこまで…」
これは梓が反省しているところ。バラしたことではない。
勇太とカオルの1対1で、と思いながらも、梓はカオルが好きすぎる。
つい、アレが始まると参加してしまうのだ。
ルナもいるときは、当たり前に4人プレイ。
絶倫勇太、経験値で大きくリードするルナ、女性経験が豊富でツボを知り尽くした梓。
3人になされるがままの、夜の生活に慣れない人妻カオル。
顔を真っ赤にして、ナニかを思い出してもじもじしている。
「……やだ、見んなよ、な…」
クラスメイトの熱視線に気付いたカオルが、上目遣いでからかっている子を見た。
『あれ、カオルのくせに可愛い…』半数くらいのクラスメイトが欲情してムラッときた。
みんな、もじもじする希少女子カオル、オープンにエロ話をする普通乙女ヨシノを見比べて思う。
カオルって、この世界においては特異点。だからがさつで頭ボサボサなのに勇太ファミリーにいるのかも、と。




