349 結婚式を終えた4人は
結婚式を終えた。これから役所で届けを出せば、勇太、ルナ、梓、カオルは正式に伴侶となる。
式は複数婚ということ以外は勇太の前世と大きく変わらない。
神聖なもの全般は、教義の内容が男女比偏り世界に合わせて変えられた。けれど根幹は同じ。
みんなで神に誓いを立てていった。
いずれ籍を入れる嫁ズに祝福され、4人で交互にキスしたりするところは前世の人からすると異様だろ、とは勇太は思った。その程度だ。
暮らしも変わらない。
あと1年は今までと同じ。なんせまだ4人は高校生だから。
家の準備は考えている。ただ、すでに12人が確定の勇太ファミリー。場所決めから全員の希望を合わせるのが難しい。
勇太は海辺の街が希望だけど、自分が言い出すと嫁ズが自分の意見を言いにくくなるから、口に出さない。
さて披露宴代わりの食事会である。
花嫁親族の挨拶は、梓、ルナの父親と、カオルの妹がやった。最初は男子年長者ということで梓の父である間門陽介から。
「勇太君、梓、ルナさん、カオルさん、おめでとう。みんなで幸せになって下さい」
「…お父さん」
涙ぐむ梓の肩に勇太がそっと、手を置いた。
ルナの父親も「勇太君、梓君、薫君、ルナをよろしくな」
「はい、必ず幸せにします」
涙をこぼしたルナの肩に3人で手を添えた。
「おめでとうカオル姉ちゃん。私もカオル姉ちゃんみたいにモテたいです」
「ば、ばか、今、そんなこと言うな」
カオルの末の妹の発言は、みんなを笑わせた。
勇太が風花のギターで結婚式ソングを歌い盛り上がった。
それを見た伊集院君も取って置きの歌を披露してくれた。風花と練習していた。
やはりこちらの世界の歌。勇太前世なら、中⚫みゆ⚫の「い●」くらいに有名なやつだ。
勇太ファミリーは伊集院君の歌を素直に好意として受け取れる。しかし彼への耐性が低いカオルの姉妹は、危険なほどに目がハートマークになっていた。
「勇太君も歌わないか」
「うん、おっけ~」
♬♪♩♩♩
「♪♬♪君がつむぐ糸が♪♪」
「♪♬♪僕を幸せに導いてくれる♪♪」
伊集院君は、今後も勇太の結婚式に歌ってくれる。
次に籍を入れる予定の純子&麗子の時は姉妹が増えないからいい。
しかしその後の、真子&嘉菜、長谷川三姉妹、不知火マイコは姉妹が多い。その嫁ズと結婚するとき、伊集院君の祝福ソングで大変なことになる。
それは間違いない。
◆◆
みんなと別れ、勇太達4人は役所で入籍届けを出した。そして伊集院君の政略婚約者が経営するホテルに向かった。
勇太が生まれた海辺の街から左側に向かう感じの位置に、海に突き出た岬がある。
海岸線の1本道を抜けるとホテルだけが建っている。そこに1泊する。
結婚式をする人間が少ないから、籍を入れたあとに何日も休んだりしないのがパラレル世界。
ホテルに到着した。
「うわあ、見晴らしは抜群にいいね」
「腹へった~」
「カオルちゃん、さっきご飯食べたでしょ」
「展望レストランでお茶と軽食でもしに行こうか」
いい意味で関係性が出来上がっていた4人。正式に家族になっても何も変わらない。
増えていく家族のことを考えないといけない梓とルナ。再び柔道に集中して妻としての努めを果たせないカオル。
そういうことが頭に浮かんできたとき、勇太が言った。
「今日はさ、頭を空っぽにして過ごそうぜ」
部屋は和室。勇太が寝転がると、ルナ、梓、カオルも転がった。
「勇太」
「なに、カオル」
「アタイ、幸せだぞ。みんなと出会えて良かった」
「だな」「うん」「同感」
「男子というか、恋愛に縁がないと思ってたのに、みんなのお陰で嬉しいことばっかだ」
「ふふふ」
「…ただ、注目されすぎて初キスとか…初エッチの日までネットに晒されてるのは慣れねえけどな」
「そのうち慣れるよ~。ねえ梓」
「ルナさんは、晒されすぎのような…」
「ルナはキス映像からエッチ音声までオープンだもんな」
「じゃあカオルちゃんのも流す?」
「いや…それ以上はメンタル持たねえよ。勘弁してくれ」
「えへへ。可愛いなあ、カオルは」
ルナがカオルにちゅっとした。
「ふふ」
「私も」。梓も続いた。
「じゃあ俺も」。勇太もカオルにキスした。
「…ん、ま、待って、あ、おめえら」
お茶をしに行く前に4人で交わった。
ただ、勇太、梓、ルナは思った。
自分達の4Pは攻め手3人に受け1人。カオルに甘い声を出させるのが楽しいと。
そういう意味では、このメンバーになるとカオルを中心に回っている。




