3.きっと怖い夢を見てたんだね
「………ん……」
あれ?私いつのまに寝ちゃっんだろ…
外に目をやるとまだ明るかった。
夕方にもなってないってことはそんなに時間は経ってないのかな。
そう思いながらもぼんやり携帯を開く。
「ん?」
私は目をこすりまた携帯を見直す。
午前7時50分を示したーそれ以上に9月28日を液晶に映している携帯に目を疑った。
「……いつのまにかパジャマに着替えている私…」
そして自分の腕をくんくん嗅いだ。
「昨日お風呂に入った覚えないのに石鹸の匂いがする私…」
「もしかして……もしかしてだけども…」
私がぷるぷる震えていると部屋の扉が開きお母さんのカミナリが飛んできた。
私は全速力で学校に向かった。今度はカバンを忘れずに。
「あやの……あやのっ…あやの…」
私は期待と不安を胸に抱え教室の前で立ち止まる。
瞼を閉じ一度呼吸を整え一気に扉を開けた。
「あやの!」
教室中の視線が私に送られる。
その中にもう二度と開かれることのないと思っていた黒目が大きくてくりくりした可愛らしいあやのの目があった。
「あ…あや……っ…」
私はうまくしゃべれないままあやのの前にゆっくり向かった。
「もみじちゃん?」
あやのはキョトンとした表情で私を見る。そんなあやのを私は力いっぱい抱きしめた。
「わっ…もみじちゃん?!」
「あやのぉおぉ…よかった…本当によかった…」
あやのからしたら意味わからないよね。でも本当によかった…
「……もみじちゃんはきっと怖い夢を見てたんだね。大丈夫、私がいるよ。」
普通いきなりだきしめられて泣き出したら引くと思う。
でもあやのは私を受け入れてくれた。そんな嬉しさもあって私が泣き止んだのは授業が開始する直前だった。
やっと冷静になることができた。
まだ喜ぶのは早いよね。
あれは絶対夢なんかじゃなかった。
そう、このままではあやのは「今日」を超えることはできないだろう。
どうして1日前に戻れたのかなんてこの際どうでもよかった。
私があやのを救ってみせる。
私が絶対犯人を…
正直に告白するとこのとき私は少し浮かれていた。
あやのが死ぬ前に戻ったこともあるけど、私の手であやのを救うことができるのが嬉しかった。
あやのを救えるのが私しかいないのが嬉しかった。




