4.このまま今日1日が終わってしまえばいいのに
「遅刻もしなかったしお弁当も持ってきたし今日のもみじちゃんは満点だったね。」
小柄な身体でぴょんぴょん跳ね自分のことのように喜ぶあやの。かわいい。
「たはー、あやのに褒められると嬉しいね。」
2回目であることは黙っていよう。
「でも結局今日は望月に呼び出されたから減点だな。」
2人の歓喜にかみやが横槍をいれてきた。うぜぇ…
「うっさいなぁ。今日は心配されて呼び出されただけだから怒られてないよーだ。」
両手の親指をそれぞれのこめかみにあて手をパーにしてべろべろばーをかみやにしてやった。
どうだい、かみやくん。うざいだろ?
そう、今日の朝の件がもっちーの耳に伝わり、心配されて呼び出されたのだ。
かみやもそのことで心配してくれて話しかけてきたんだろうな。
かみやに関してはもう少し気の利く心配の仕方をしてほしいとこだが。
私の周りはみんな優しいね。
あ、かみやと話してたからあやのの顔が面白くなさそうな顔してる。
「あやの、こんな奴はほっといて帰ろっか。」
「あ…もみじちゃん、今日はちょっと用事があって一緒に帰れないの。ごめん…」
あ…放課後の楽しい談話でちょっと忘れてた。
「その用事さ、私も一緒じゃだめかな?」
普段の私は断られたら食い下がらずすぐ諦めてしまう為、
意外な返事が返ってきてあやのは驚いているようだった。
「えっと…あの…ね……今日の用事は1人じゃないといけない用事なんだ…」
不意をつかれたみたいでオロオロしながら答えた。やっぱりかわいい。
あやのは気弱そうに見えて結構頑固なところがあるため、ついて行くことを許してくれなかった、のでバレないように後ろからついて行くことにした。
「じゃぁ今日は1人で帰りますかなぁ。」
不安そうに私とかみやを見ていたあやのを安心させるために呟いた。
あやのはわかりやすく顔に笑みをこぼすと手を振りながら教室を出て行った。
かみやは何か言いたげな顔をして何も言わず教室を後にした。
なんだろ?
今はあやのを追わなきゃね。
あやのはやっぱり隣町に行くのか最寄りの駅へと向かった。
私たちの町は住宅街で買い物するような場所は特にない為、買い物に出かけるとしたら隣町に行くしかない。
比べ隣町には立派なショッピングモールやどでかい公園などあるから不公平だ。
何とかあやのにバレず1両違いで同じ電車に乗ることができた。
幸いなことにあやのはイヤホンで音楽を聴いている。
夢中みたいだしこれなら気づかれなさそう。
駅に到着し改札をでたらすぐショッピングモールがある。
あやのは一直線で入り口に向かった。
私もそれに続いた。
それからあやのは色んなお店を見て周った。
正直疲れたよ私は。
やっぱり私の誕生日プレゼントを考えてくれてるみたい。
楽しそうに、幸せそうにプレゼントを選んでいると思うと口元がゆるんでしまった。
このまま今日1日が終わってしまえばいいのに…
本当に何気なくだったと思う。
ちょっと周りを見回してみただけ。
だからそれが視界に入ったのもたまたまなんだ。
そこにはかみやがいた。
何かを探すように歩いていた。
私はとっさに隠れてしまったから、かみやは私に気づいていない。
ありえない。
かみやは買い物が昔から嫌いでこういうところには来ないはず…
女か?女ができたのか?
私はこの予感が当たって欲しかった。
でも嫌な考えが私の頭から離れない。
かみやは絶対そんなことはしない!
そんな葛藤をしている間にあやのを見失ってしまった。
そんな…さっきまであの洋服屋(ゴスロリとか売ってるけどあやのは私に何を着せる気だ?)にいたのに…
頭が真っ白になりそう…
落ち着くために深呼吸をしていたらかみやまで見失った。
やばいやばいやばいやばいやばいー




