離れたいのに近づく距離(強制)
こわい先輩たちに囲まれてしまったか弱い俺は、もしもの時は百瀬を盾にすることを心に決めていた。
「ってか、ケララン先輩たちと初対面っしょ?
この2人はあたしの中学の時からの先輩で、ムーニン先輩とかななん先輩!話しやすい人らだから大丈夫!」
……いや、まてい。なんも大丈夫じゃなかったけど!?
「そういえば自己紹介してなかったわね。私は室路仁。2年生の放送委員よ。そーたんと去年も同じクラスで同じ委員だったから、困ったことがあれば何でも言ってちょうだいね!」
「金森奏。同じく2年の放送委員。こいつに手出したらわかってんな」
「は、はい!もちろんです」
手なんか出すかよ!一匹狼に俺はなるんだ!!
「もぉ、後輩ちゃんをいじめちゃダメじゃないの」
「いじめじゃねぇし」
「それで?ちゃーちゃんは知ってるからいいけど、貴方お名前教えてくれるかしら?」
「い、一年で百瀬さんと同じクラスになった家来修造です」
「ケラランの苗字パないんよね」
「どんな字を書くの?」
きたきたきましたよ。このパターン!
中学時代さんざん経験した曇らせがはじまってしまう。
高校では平穏に過ごせると思ったんだけどなぁ。
「お、俺の苗字は家来ってかいて家来って読むんです」
はぁー。
「お前……」ギロッ
ひぃ!
「すっげーかっこいいじゃねーかよおい」
ふぇ……?
「なかなかいい名前じゃねーか!
俺も金の森っつーわりとかっけー名前だと思ってるけど、それ以上に俺好みだわ」
「あら、そーたんにここまで言わせるなんて、嫉妬しちゃうわ」
「かななん先輩相変わらずツボわかんないし!ウケる」
なんか思っていた反応と全然違うんですが!?
俺、パシられる運命じゃなかったの?これが高校生の余裕なのか。
ガラガラガラッ
「全員揃ってるかー?去年に引き続きこの委員会の担当になった熱井だ。よろしくな」
あ、あついー!!絶対体育委員会だと思ってたのに、なんでここにいるんだ!
「因みに今年はそこにいる1年の家来と百瀬の担任でもあるから、なんかあったらクラスに来てくれ!」
「「「「「はーい」」」」」
待とう。クラスだけじゃなくて、委員会までこのノリなの?
俺、やっていけるかな……。
「放送委員の活動は、早速明日からだ。最初は三年生以外で、経験者と一緒に四人一組、昼の放送をローテーションで回していくぞ。わるいが組み合わせはこちらで決めさせてもらった」
「あたしら先輩たちと一緒じゃん。ラッキー」
「放送担当日はいつだろう?」
……明日じゃん!
とりあえず明日、休んでもいいかな。




