Collabo 36 銃撃戦は終わる
たぶん、銃撃は1時間近く行われていたのかもしれない。だんだんと機械兵を銃撃する回数が減ってきているようにも感じる。
それだけ敵兵と獣を殺したのか、逃げられたのかはわからない。だけど、この戦闘は、そろそろ集結しそうかなとは思う。もちろん、油断はできないけど。
そして、さらに10分もしたあと、完全に戦闘が終わったのか、機械兵が銃撃戦を終え、クーリングタイムに入ったことを示す黄色のランプと、戦闘態勢に入らなかった機械兵を示す緑色のランプで埋め尽くされた。
「いったん、戦闘状態は終結か?」
「おそらくそうかと思われます。ですが、まだ夜ということもあり、何とも言えないというのが本音でしょうか?」
まぁ、そう判断するのが一番だな。とは私も思う。
とりあえず、夜が明けてから、どうなるか。って感じかな。なんて思いつつ、すこしだけ状態を注視する。
「イバン、この機械兵たちの損傷具合もすぐにわかるのか?」
「現在、ほぼ同時並行で、各個体のモニタリングを行っており、損傷具合の集計を行っております。朝方までにはおそらくすべて出そろうかと思われます。ついては、損傷があり、遠隔で修復できない個体については、こちらに連れ戻してきたうえで、しゅうぜんをおこないとかんがえております。ご許可いただきますでしょうか?」
「それはもちろんだ。完全体じゃないと、兵力に大きな問題を起こすだろうから認める。替えも玉突きのように後衛から中盤に、中盤から前線へ持って行けばいい」
「ありがたきお言葉。ちょうどそのように機械兵を動かそうと思っていたところでございました」
「私ももともとそう計画していた。たまたまたうまくいってよかったよ。そのために予備兵を残しているわけだからな」
「さようにございましたか。そこまでの意図とはつゆ知らず。計画性の高い行動でございます」
そうじゃないと、後衛に500体を配備したうえに、そのうち、東西南北各方向に100体ずつなんて、中途半端なことなんてするわけもない。
まぁ、たまたまうまく行っている説も否めなくはない。でも、急遽、機械兵の入れ替えができるのは大きな戦力かもしれない。
「少し長くなるが、少しでも戦力を落とさないためにも、後衛から玉突きで行こうか。すでに、ここは入れ替えてもいいぞ」
「承知いたしました。ですが、現在、損傷具合のモニタリングを行っておりますゆえ、それが終わり次第となります。あと、私の口から驕個までしいのですが、2班を追加招集していただけないでしょうか?思った以上に、機械兵の配置がうまくいかなかったのか、全員の手が、現在、損傷モニタリングに手を取られていて、もしかすると、修繕の手が追いつかなくなる可能性がございまして」
「そういうことか。わかった。手配しよう。万が一のことを考えて、もうひとつ呼んでおくか?」
「い、いえ。そこまでしていただく必要はないかと……。我々もプロフェッショナルですし、役割文体さえできていればどうにかなるかと」
イバンからすれば、少しお節介だったか。とはいえ、ここにきて、すこしウザがられているのか?なんて思ってしまう。
イバンを易々と呼ぶのは少し控えたほうがいいのかもしれないな。
「わかった。足りなくなったらいつでも言え。この戦争に勝って、ドルペントの侵略を防ぐのが私たちの役割だからな。そのためには、多少なりとも、機械兵の犠牲が必要になるかもしれないからな」
「承知の上でございます。ですが、総計約7000もの機械兵を5班50人ほどで管理しているのもまた事実です。重故障ではない限りは、我々の手でも修繕は可能ですのでご安心ください。ですので、損傷モニタリングに費やす班員を倍にしていただけるだけで結構です」
かなり理詰めされたような気もするが、まぁ、いいか。イバンがもう1班だけを呼んでほしいというなら、それに従うか。もしかすると、人が多すぎると、逆に統制が取りづらくなって、変に作業に支障が出るとかありそうだしな。
「わかった。変に節介を焼いたな。すまなかった」
「いえ、こちらも、お気遣いいただいたのに申し訳ありません」
これ以上、気にするな。と話を重ねても、順繰りのような気がする。ここでもうやめておいて、このまま少しだけどうするか練るか。
そんなことを思っていると、いつのまにかイバンは、自分の作業に戻っていたみたいで、当りを見渡しても、どこにも姿が見えなかった。
「ま~たすごいことになってきたね。でも、あれだけ暗いと、何に対して撃っているのかわからないね。私としてはちょっと嫌かも」
それはもちろん同感だ。これ以上、何も起こってほしくない。と思いながらも、獣の正体をこの目で早く見たいと思っている私がいるのも事実。
正直、日が早く昇らないかとか、このまま何も起こらず、死体だけが残っていてくれよ。とか思い始めている私がいるのも事実。
どうにもならないって言うのが本音だろうけど、実際にこの目で見たい。
そんなことを思いながら、クーリングタイムから、大気中へと標っ字が戻る機械兵のランプを見ていた。




