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Snowdrop ~雪の華 あなたの死を望みます~  作者: 黒龍
夏の怪談段話

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Collabo 34 生身の人間がとる作戦

「少し不気味に感じるだろうが、ここを拠点にしている。好きに使ってくれて構わないし、外には、機械兵の警備も充実しているし、整備兵の簡易宿舎を建てているみたいだ。」

「そうなんだ。だから、あれだけ大きいんだ。まぁ、少し周りを散策しようかな。ここ、なんだかんだ、平和そうだし」

「まだ。な。これからどうなるかがわからんから、何とも言えないところだな」


 いくらなんでも、静かすぎる。さっきのが襲撃の囮だったというのもあり得るんだろうが、さすがに、時間が経ちすぎているか。

 まぁ、これなら、いくらでも戦えると思うし、このまま逆に進軍したいとか思ってしまうのは、国を預かっているものとして、この前の見るとの一戦の後、各国同士で領土不侵略の条約がある以上、下手に動けないか。

 そんなことを思いつつ、外に出るムーナの背中を見送る。

 外はもう完全に暗くなっている。まぁ、夜行性だった私たちにとっては関係のないことだし、ムーナや私はショートスリーパーなところがあるから、夜遅い時間でも起きてはいられる。

 目もいいし、真っ暗な夜、すぐに焦点を合わせることができるくらい。それがなんの自慢にもなっていないこと、わかっているんだけどね。わかっているんだけどね。

 一応、私も寺の玄関、階段の辺りまでムーナを見送り、私も外の景色を少しだけ確認する。


「これ、攻め込まれたとき、かなり不利になりそうだね」

「まぁな。ただ、こんな廃村を守備拠点にしているなんて思いもしないだろう。そこを叩ききるって言うのもある」

「まぁ、一部はそう思うかもしれないし、私も、ここを拠点にしているとは思ってなかったけどさ、ここにいるってバレたら、一瞬だろうね」


 そう言われてハッとするが、もう決めたことだ。今から拠点を変えるほうが、かなりリスクになるだろう。

 まぁ、何を隠そう、この廃寺も木造建て。火を放たれたら、よく燃えると思う。

 そこで逃げ道がほとんどなくなるわけだが、まぁ、今さら、あがいても仕方ないかなって思うのが私の頭の中。

 ここで、一気に攻勢を逆転させて向かい打てば、ヘルンへの進軍は止められると思う。

 金額的損失はとんでもないものになることはわかっているが、あくまでも、それは、機械兵を損傷した分の損失で、人的損失は、私とムーナ、それから整備兵くらいなものか。

 そんなことを思いながら、徐々に暗くなる夕暮れのひと時を静かに過ごす。


 周辺の散策をしていたムーナだったが、ときどき「なるほどねぇ」なんて呟きながら、あちこちを周り、「だいたい了解」と言って、寺の中に戻ってきた。

 なにがわかったのかはよくわからないけど、まぁ、ムーナなりにいろいろシミュレーションしたのだろう。なんて思いながら、寺の中に招き入れ、簡素な食事をする。

 正直、いろいろ、ムーナにいろいろ持ってきてもらえばよかったな。なんて思ったりしたものの、それでも、荷物になるだけだろうから、あえて、戦闘の準備をしてくれと言ったのは正解かな。


「で、エル、これからどういう作戦で行くわけ?」

「機械兵で威圧しつつ、できれば、生捕り。そうじゃなくt芽生、遺体を回収して、こっちからの交渉の手はずにする」

「またエルらしい交渉術をするのね。まぁ、それもいいんだろうけど。基本的には、機械兵に任せる算段ってことでいいの?」

「そうだな。どんな獣かわからない以上、下手に生身の人間は入れないほうがいいだろうし。武器も何を持っているのかはまだ確認できていない。光線はあったが、向こうは偵察なのか、逃げ回るだけだったから、何を持っているのかがわからなかったんだ」

「なるほどねぇ。それだったらやっぱり、私が最前線に行って、1人捕まえるほうがいいんじゃないの?」


 まだここにきて、戦場の最前線に行きたいというムーナ。昔はこんな子じゃなかったはずなんだが……。って思ったりしつつも、最前線に配置している機械兵に映像もつけているんだけどなぁ。なんて思った。……が、そうか。そうする方法が一つあるか。


「ムーナ、明日の早朝、連れて行く。準備はしておいてくれ。お前に任せたい任務を作った」

「ま~た、えらく急に言ってくるじゃん。まぁ、いいけど。で、私にどうしろって言うの?」

「領地に進入してきた敵兵を1人拉致してほしいんだ。もちろん、こっちとしては、捕らえたというていにする。そして、その拉致してきた兵の荷物検査などして、どんな装備を持っているのか丸裸にしようと思う」

「なるほどね。人質というよりは、調査体ということね。なんとなく了解。明日、何時くらい?」

「機械兵の銃撃状態にもよるが、夜が明けて、早い時間帯に向かおうかなと。村の中心部まで5キロほどあるし、そこからさき、最前線まではさらに、村の中心部のはずれから5キロほどのところで待機させているから」

「また遠いところに。でも、それくらい間隔があいていた方がいいのか。まぁ、了解。じゃあ、戦闘食を食べてからすぐって感じね」

「あぁ、それくらいだな」


 正直、そこまで行って、本当にやることがあるのかどうか不安になるところだが、まぁ、やらずに叩かれ続けるよりは、先に誰か拉致して、こっちで尋問するほうが圧倒的に早いか。そんなことを思いながら、お堂の前に来る。


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