Collabo 32 防衛庁とラグをなくすように
『もしもし~。エル~。こっちは配信を見れる準備はしてもらったで。映像流してみて~』
ナターシャの声がイバンにも届いているみたいで、イバンは、ナターシャの声を聴いたらすぐに、配信装置なのか、機材をいろいろと操作し、配信を開始したみたいで、私の目の前にあるモニターに今の機械兵の映像と思われる映像が流れ始める。
平和に見える草原。ただ、少し戦闘をした跡が残っている。それでも、機械兵が静かに草むらで忍んで、敵兵を待っている映像が広がる。
さすがに、何もなければ、少しだけ、録画した映像が見せられているような気がした。
「コルネ、これは、現在の映像で間違いありませんね?」
「はい。間違いありません。試しに、映像を出力している625号機を動かしますか?」
「えぇ、念のためにお願いします」
丁寧な口調で確認を取るイバン。そして、イバンの指示を何も言わずにさっと指示をこなす。
イバンの指示を受けたコルネが機械兵に少し動かす指示を送っているのか、すこしだけラグを持ちながらも、機械兵はその場に立ったりしゃがみこんだり、銃を構えたり。と少しだけ動きを見せていた。
機械兵を通してチラッと見える映像の先の景色は、まだなにも変わりはないように見える。
ここで迎撃できるなら、正直言って、安心していいのかなって思ったり。
『エル~、こっちも見えてる。もしかしたら、すこしラグがあるんかもしれんけど、まぁ、許容範囲ちゃう?』
どうやら、向こうも見えているみたい。それだけは安心かな。なんて思いながら、この後のことを少しだけ話す。
「ナターシャ。クラシアからは何か聞いているか?」
『クラシアはんから?特になんも聞いてへんで。今回も全部、エルに戦略は任せてるんちゃうん?』
「そうか。わかった。まぁ、なにか指示があれば。って思ったけど、まぁ、そうか。こっちはまた見張り業務に就きながら、なにかあれば、連絡する」
『了解。こっちも何かあれば連絡するわ』
ナターシャはそれだけ言うと、私からの通話を切り、自分の業務に戻って行った。
「それじゃあ、私たちは臨時の業務を続けるか」
「承知いたしました」
ものわかりのいいイバンは、部下を引き連れて機会兵の整備をし始める。
その間、私は、モニター画面や、機会兵の状態を示す電球の色を見る。
穏やかな緑色のランプだけが揃っていて、見ている感じ、平和な感じ。それが本当にいちばんなのは変わりないが、嵐の前の静けさっていうところか。少し嫌な予感がするのは気のせいだろうか。
そんなことを思いながら、映像表示されている機会兵の様子を見つめる。
少し楽観的になってから、考え事は少しだけ宙に浮かんだように感じた。
これを全部監視するのは、なかなかしんどいものがあるだろうが、よくやってくれているよな。
もっと楽に業務ができるように何かしてやりたいな。なんて思いながらも、モニター画面を注視する。
少ししか銃撃戦をしなかった機械兵たち。
弾丸の消費量がどこまであったのかはよくわからないところはあるし、弾丸の残量がどれだけあるのかがわからない。
それさえわかれば、いろいろ戦略は立てやすい気もするけど、まぁ、それは整備兵がいろいろやってくれるか。
とりあえず、ここからこのままなにもなければそれでいい。それだけだ。
それからどれだけの時間が経っただろう。
空も紅くなりかけてきたころ、すこしだけ外が騒がしくなった気がした。
身の危険はあるものの、それでも、ちょっとした好奇心には抗えず、機械室の外に出る。
すると、多くの整備兵とかなりの数の機械兵が集まっているのが見えた。




