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Snowdrop ~雪の華 あなたの死を望みます~  作者: 黒龍
夏の怪談段話

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Collabo 24 冷静なイバン

 ほかのスノードロップはどうなんだろうか。多忙で忘れるということもあるだろうが、一日に数回、大切な人のこと、思い出せているのだろうか?

 ……ここもそうか。


「イバン、変なことを聞いていいか?」

「どのようなことでも、私にわかる範囲であれば」

「この機械兵で、人を殺さず、毛元だけを殺すということはできるか?」

「……相当難しいお話ですね。正直なことを申し上げると、不可能です。機械兵の放つ銃弾は、一般の銃弾です。獣が動いている以上、人が動いている以上、静かに止まっているものに対しては可能ですが、戦闘状態に入れると、一気に不可能へと針が向きます」

「やっぱりそうだよな。忘れてくれ」

「敵に対して恩情をかけるべきではないかと。攻め込まれると、何をしでかすのかわかりませんので」


 イバンの言うことはわかる。それに、恩情をかけた後、反撃されて苦しくなるのはこちらだ。それもわかっている。それで、スノードロップ最後の日。苦労したことを思い出す。

 さすがに、あのときと背景と状況は全く違うが、山岳救助隊がアジトに迷い込み、私とキッシングナイトと出くわした。

 そのときは、キッシングナイトに助けてもらう代わりに不殺を約束した。

 そのせいで、山岳救助隊にアジトの場所がバレ、政府側に漏れたうえで、機械兵を送り込まれることになった。

 ただ、そのときの経験が活きていると言えば生きているし、何度か、アジトとは違う別の場所で機会兵と対峙したことがあったから、なんてことはなかったが、さすがに、200体くらいか?一気にアジトに送られ、闘技場を埋め尽くされたときは焦ったかな。

 まぁ、そんな思いもしながらも、生きて生きた。というのは十分な証だろうか。


「機械兵ははっきり申し上げて、そう言った判別ができないから機会兵であって、走言った判断ができるのであれば、それはもうAIで戦っているようなものです。高度な技術が必要で、正直、この機会兵よりは一体辺りの価格が跳ね上がります。メンテナンスも複雑になり、保守費用も相当なものになるかと存じます」


 まさか、そんな顔などされるとは思っていなかった。とはいえ、さすがに、高コストなものをホイホイと投げ入れることは難しい。

 それは私もわかっているし、なんなら、機械兵でも高額なのに、そんなものを一晩で200体ほど一気に損壊させたこともある。

 まぁ、あれ以外にも何体壊したかわからないけど、まぁ、それなりの損害を与えていたことは事実だろうな。


「現在の設定では、この拠点を中心に半径2キロメートルの草刈りを実施しております。このようなものでよろしいでしょうか?」

「相当広く行ったな。まぁ、いい。草むらに隠れられて、隙を疲れて飛び疲れるよりもは。戻って来てからは点検するのか?」

「念のために。ここで動かなくなってしまえば、ここまで来たのに、水の泡となりますから」

「そうか。わかった。だが、無理はするな。お前たちの身体がないと、機械兵の整備が何もできなくなる」

「ありがたきお言葉。簡単な点検ですので、そこまで時間はかからないかと思います」

「そうか。わかった。中にいるから、何かあったら言ってくれ」

「承知いたしました」


 イバンはそういうと、タブレットを操作し、一台ずつ丁寧に機械兵の点検を始めた。

 その姿を見て、私は先に寺の中に入らせてもらう。

 確か、技術兵は、自前で簡易宿泊施設を建てるんだっけか。その時間もいるだろうに、機械兵を優先するか。どういう意図があるのかは私には読めないが、まぁいいだろう。

 さすがに、夜も更けてきて、いろいろとやりにくいところはあれど、機械兵とタブレットを交互に見ながら、異常がないか確認している。


 30分もすれば、動かしていた機械兵の様子を全部見ることができたようで、続々といばんのもとに報告をする部下たちの姿が見れた。


「エルトゥーヤ様、ご報告でございます。拠点を中心とした半径2キロメートルの草刈りは終了いたしました。また、これに伴う機械兵の異常もございません。また、夜間で警備体制もないか存じますので、機械兵を数体、夜間警戒モードで拠点周辺の警戒に当たらせます」

「丁寧にありがとう。これから宿泊用のテントか何かを建てるのだろう?」

「左様にございますが、すでに、点検を完了させたものから随時その作業に移らせておりますゆえ、こうやってお話をしている間に楯突けが完了するかと。また、我々も就寝時間は無防備になりますので、同じように機械兵数体体制で夜間警備に当てます」

「あぁ、わかった。そうしてくれ」


 そんな話をしていると、イバンのもとに技術兵がひとりやって来て、テント設営官僚の報告をしていた。


「承知いたしました。先に身体を休めるよう、ほかの人たちにもお伝え下さい。私もすぐに参ります」


 イバンがそれだけ言うと、報告に来た技術兵は早足で去って行った。


「明日はどうされるご予定でしょうか?」


 つられてこいつもテントの方に行くと思ったが、先に予定を聞きに来るか。

 まぁ、それもそのはずか。どのタイミングで機会兵を動かすとかもあるんだろうな。


「明日は9時。中盤と前衛に機械兵を持って行く。後衛の機械兵も周辺警戒に当たれるなら当ててほしい。私も、どこに配備してほしいか指示するから、ついていく」

「承知いたしました。その手はずで進めます。本日はありがとうございました。私は失礼いたします」

「明日もよろしく頼む」


 私がそれだけ言うと、イバンは鋭く敬礼すると、姿勢よく寺から立ち去り、すぐそばに設置されたテントの中に入っていった。

 とりあえずは、どうにかなるかな。そんなことを思いつつ、寺の奥に潜り、私も睡眠をとる。


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