Collabo 23 作戦の共有
そこから数分後。イバンを含めた10人が食事を終え、少しだけ時間を取った後、イバンから「作戦の共有をお願いいたします」と声を掛けられた。
「あぁ、わかった。それじゃあ、集めて中に来てくれ。中の方が話しやすい」
「承知いたしました。すぐに」
そう言ってから1分もしないうちに技術チームを集めたイバン。これが班長の威厳というやつか。とりあえず、作戦を伝えるか。
そんなことを思いながら、10人の男を寺の中に入れ、テーブルが中心になるようにイスに座らせる。
「まず簡単に。部隊は3つに分けてほしい。全線で戦わせるもの、中盤で戦わせるもの。後衛を守らせるもの。数はそれぞれ、後衛に500。東西南北に100ずつ回して警戒にあたらせてほしい。中盤には1000。前衛とともに場所を伝える。残った数は前衛で戦ってもらおうかと思っている。おそらく、全線で戦わせる機械兵に大きな損壊が出るだろう。それだけは覚悟してくれ」
「承知いたしました。戦線に投入される機械兵は戻らないものだと考えておりますので、その点はご心配なく」
「この機械兵はもう動かせるのか?」
「はい。今まで自力で歩いてまいりましたので」
「そうか。今から草刈りをしろと言ったら、いうことは聞いてくれるのか?」
「もちろんです。それから今、始められますか?」
「ここ、廃村だって言うこと、聞いているか?」
「噂程度にしか聞いたことがありませんが、人がいないという事実は存じ上げております」
「そうか。まぁ、軽く話しておくと、ここは300年ほど前に廃村になった。そこからは人の足はほとんど入っていない。かろうじて、コンクリート石造りの建物は残っている。だが、周りは見ての通り、すごく生えている。このままだと、相手のいい餌食になりかねない。草をできるだけ刈り取って、周りを見渡せるようにして置きたい。頼めるか?」
「大野瀬のままに。すぐに行います。救助体系に切り替え。2時間でできる範囲を確認。刈り取り作業を行う」
『承知』
そこまで言うと、技術兵は、早速、作業に取り掛かる。それは、まるで、自分たちの得意分野を一斉に見せびらかすようなものだった。
そして、ものの5分でモード変更らしきものができたみたいで、最初にイバンが触った10体が動き出す。
手元と持って来ていたタブレットの画面をチラ見すると、どうも、一度に設定を変えられるのは10体までのよう。
まぁ、ひとつずつ丁寧に仕事をするなら、それが一番か。なんて思いながら、近場から草刈りと始める機械兵。
初めて見るモードなだけあって、かなり滑稽なものだけど、それでも、草刈り機ではなく、芝刈り機みたいに、まっすぐに走り、自分が通った道がわかるほど綺麗になっている。
これで静穏。音がほとんど聞こえないから、羨ましいものだよ。なんて思いつつ、これを繰り返して、刈り取る場所を広げていくって感じかな。
そんなことを思いながら、寺を中心に動き回る機械兵の姿を見ていた。
30分もすると、機械兵たちも2割くらいかどうして、寺の周りにぼうぼうと映えている草を刈り取っていく。
「これ、刈り取った草はどうしているんだ?」
「こちらをご覧いただいたほうが速いかと」
イバンに言われ、寺の階段を降り、指で示されたほうを見ると、粉々という言い方がいいのか、粉状になっていた。
「こんなことができるのね」
「そうですね。用途により、さまざまな形で運用可能です。特に人が近づけない場所、活火山の救助活動や、土砂崩れ現場、自身と腕大きな被害を被った街など、こちらの保全さえしっかりとしていれば、どこでも運用可能です」
「とくにあれか。人的被害が大きいとみたところには重点的に入れる。そんな感じだな?」
「さようにございます。よくご存じで」
「まぁ、一度、戦ったことがある身だからな」
「……そういえば、そうでしたね。失礼いたしました」
まぁ、私が反政府勢力だということは公の事実なのは変わらないが、2年ほど立っていることもあり、忘れられてきているのも事実。
とはいえ戸、まだまだPTSDを抱えている子供もいれば、悲しみに暮れる親もいることも事実。何も被害がなかったものの中から、徐々に記憶が無くなっていく。
……悲しい事実だが、それも人間の特性でもあったりする。
とくに、忙しくしていれば忙しくしているほど。
私たちスノードロップの中では、みなが親しい人、大切な人を殺され、政府への憎しみで戦いに明け暮れた。
それが今、和解し、忙しくしている中で時々、私は母親のことが頭の中から抜けてしまうこともある。
さすがに忙しくしている中で時々、私は母親のことが頭の中からン受けてしまうところがある。
さすがに、そんなことは合ってはいけないことだし、私としても情けなくなってしまうときもある。




