Collabo 22 援軍の到着
ララが米をついばみ終わったタイミングで寺の前に重そうな音が響いてきた。
たぶん、着いたな。そう思ったのは一瞬で、ゆっくりと寺のふすまを変える。
もちろん、機械兵はこっちを見て、銃を向けてくるが、すぐに私が着ている戦闘服と、襟元に付けているバッジを読み取ったのか、人間らしく敬礼した。
これも本物仕様で実査に実際に対峙するまで気づかれないようにするための仕様らしい。
まぁ、そっちの方がよかったりするんだろうけど。
「技術兵はどこにいる?」
私がそう声をかけると、ご丁寧に指先をそろえ、目もとに当たる部分に「後方にいます」とだけいくつか光った。
それを見ると、ちゃんと私の声にも反応をしているし、変な不具合はないのかなって思う。
そんなことを思っていると、一人の男が私のもとに向かってきた。
「ご挨拶が遅れました。第一技術チームの班長を務めさせていただいております、イバンと申します。この後ろに9名が控えております。現在、この地点から500メートルほど後ろで機械兵の状況を確認しながらこちらへ向かっております。現在のところ、機械兵に不具合は出ておりません。残り9名が到着次第、エルトゥーヤ様から作戦の指示があると聞いております。その手はずで予定を進めてもよろしいでしょうか?」
やけに口調がかしこまっている。もしかしたら、班長と言いつつも、より高い位にいるのではないかと勘繰ってしまう。
「承知した。疲れただろうから、中に入って休め」
「ありがたきお言葉ではございますが、このまましばらく起動し続けていた機械兵の簡易メンテナンスを行います。お誘いいただき恐縮ですが」
それだけ言うと、イバンと名乗った男は、機械兵の簡易メンテナンスを始めた。
「そうか。わかった。全員が揃えば声をかけてくれ。お前たちの顔色を見て、作戦会議を一にするのか決める。それまでは自由に時間を過ごせ」
「仰せのままに。失礼いたします」
仕事熱心、バカまじめなのか。しょうじき、どっちかは読めなかったが、まぁ、ちゃんと作業を遂行してくれるならそれでいい。
この国が蒔けることなんてもってのほかだ。魔女がいるならなおさらに。
そんなことを思いながら、ふすまを開け放ち、機械兵のメンテナンスをするイバンの姿を見ていた。
どうやら、イバンは黙々と仕事をするタイプのようで、表情をほぼ作らず、人目があることも気にせずに、黙々と作業する手を留めず、機械兵のメンテナンスをしていた。
そこから10分もしなかったと思う。
機械兵の列はかなりの数になっていて、それでも、イバンは全く焦ることなく、黙々と作業をしている。
「イバン隊長、ご苦労様です。コルネ含め9名到着です」
「承知いたしました。目の前で副首長様がお待ちです。挨拶に参りましょう」
そう言いながら、目の前にいる私に気づいていなかった技術兵の雰囲気を締めるように言った。
首をこちらに向けた技術兵たちは、「あっ」と口々にこぼし、その中でもリーダーっぽい男が「大変失礼いたしました!」と深く頭を下げる。
「気にするな。まぁ、私がずっとここにいて、イバンはやりにくかっただろうが。とりあえず、所属氏名を聞こうか」
「はっ。第一技術チーム副班長のコルネ」と申します」
「同じく第一技術チームで同じ副班長のジュンと申します」
そこから順にカンベロ、メイア、チェイ、コバルト、ニッケ、ジェール、クゥーチェと名乗り、全員が同じチームからはk禰されていた。
ただ、長い道のりを歩いてきたのか、少しばかり疲れた顔をしている。
「イバン、先に飯を食わせろ。話はそれからだ」
「承知いたしました」
こいつの返事はこれしかないのか。なんて思いながら、寺の階段で飯を食わせる。
さすがに、中へ入れることも考えたが、イバンを含め、全員が拒否したからというのもあるが……。
私の食事は一瞬で済むが、さすがに技術兵たちはそうもいかないみたいで、少しだけ身体を休めることにする。




