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Collbo 5 不快感を抱いたまま帰宅

 そこから数分して、レベッカが車を店のすぐ前に持って来てくれた。


「ごめん、お待たせ」

「すまんな。さっさと帰ろう。すぐにでも口直しをしたいくらいだ」


 正直、店の料理は、見ていてきれいだったし、美味かった。ただ、普段から昔の食事をほとんど変えずに過ごしていることもあり、口の中に違和感が残る。

 さらには、1年以上着続けているこの公務服もまだ着心地に慣れず、少しだけ車内で気崩す。


「エル、気持ちはわかるんだけどさ、ちゃんと着てよ。誰が見てるのかわからないよ。とくに、神出鬼没なメディアがさ。私邸に帰るまでもう少し我慢してよ」


 少しぐらいいいだろう。なんて思ったりもしたが、まだ通訳のネビンが一緒に乗っているんだったな。さすがに着崩してだらしない姿を見せるのはマズいか。そんなことを思いながら、着崩した部分を帰直し、少し深く腰掛ける。

 そして、そのまま、レベッカが運転する車は、帝都の大きい道を軽やかに走っていく。


 私邸に帰る途中で、通訳を担当してくれたネビンを降ろし、また車は走る。


「ようやく外部の人間はいなくなったか」

「いくら何でも毛嫌いしすぎでしょ。まぁ、気持ちはわからなくもないけどさ。今まで暗殺されそうになったことだってあるんだしさ」


 何度かあったな。私が副首長になったことが不満の市民団体や富裕層、議員に雇われた暗殺者も狙われたこともあったか。

 その時は、魔法使いが持つ特性のおかげで、一般攻撃で襲撃されたのにもかかわらず、スノードロップ側には何ひとつの被害・けがはなく、警備兵に引き渡した。そこからは、クラシアも自分が暗殺されることを恐れたのかわからないが、殺人・殺人未遂の量刑を一気に引き上げたんだったと思う。

 その甲斐あってか、今は平和に過ごしているけどな。


 そこからまた20分くらい走り、ようやく私邸に到着。

 私が車に乗ったまま車庫に車を入れてもらい、そのまま通路に繋がるダイニングへと向かう。


「あっ、エル、お疲れ~。会食だっけ?ご飯はいらないよね?」


 出迎えてくれたのはムーナ。レベッカが言うには、ナターシャの仕事を手伝ってたらしく、少し疲れた顔をしてイルから夕食をもらっていた。


「あぁ、ただ、スープがあればありがたいが」

「すぐにご用意いたしますね。簡単なものでよろしいでしょうか?」

「あぁ、イル、すまないな。頼む」


 イルは、鍋からとろっとしたスープを椀に入れると、私に差し出してくれる。


「少し作りすぎて余ってしまったので、よろしければ召し上がって下さい」

「確認して奥が、これからお前さんやアリンが食べようとしていた分ではないな?」

「はい、そのようなことはございません。作り終わってから、エルトゥーヤ様の分が必要なかったことに気づいただけですので……。誰も召し上がらないのであれば、就寝前に私がいただいて処分してしまおうと思っていましたので、もしいまここで召し上がっていただけるのであれば、まとめて洗い物も済ませることができるので、ありがたいのですが……」


 まぁ、イルはいい意味でも嘘が付けないタイプだから、本当に分量を間違えたんだろうな。

 そういうことなら、ありがたくいただこうかな。そう思い、イルから椀をもらい、ムーナの隣に座る。


「どうかした?」

「ううん。なんでもない。ただ、面と向かったり、はす向かいだと、余計に変な感じがしてな」

「おいしい食事をしてきたのに、何言ってんのよ」

「つまらん話ばっかり正直、舌が狂いかけだよ。やっぱり、我が家で食べる食事が一番だよ」

「高官らしくない発言。まぁ、それもエルら指差なんだろうけどさ。とりあえず、明日はどうするの?私、一応暇だよ」


 明日か。何かあったかな?


「レベッカ、明日って、何かあったか?」

「もう忘れてるの?明日はクラシアと打ち合わせでしょ?」


 あぁ、そういえばそうだった。つまらない会食のせいで完全に忘れていた。たしか、ドルペントが実行しようとしている軍事作戦の対抗策の打ち合わせとか言っていたか。

 まぁ、こうなりゃ、私しかいないんだから、やるしかないよな。


「へぇ。また打ち合わせなんだ。今度はなんの?」

「まぁ、まだ確定とは言えんから言わないでおくけど、まぁ、重要な会議になることは確かだ」

「なるほどねぇ。まぁ、私にもできることがあれば言ってよ。なんでもするつもりだし。というか、今の私、何でも屋さんだし」


 まぁ、そんな扱いになるか。レベッカはメイド兼秘書って感じだs、ナターシャは防衛庁の長官になった。ただのメイドでスノードロップの仲間はムーナだけ。

 少しだけ思うところはあるのだろうけど、まぁ、任せられる役職がないのも事実なんだよな。何か任せたいところではあるけど。


「あぁ、そう言ってくれると助かるよ。またなにかあれば、リンクで繋ぐから」


 それだけ言って、スープを飲み干し、自室に戻る。

 会食の間にも届く改正案、新法律の草案の可否の仕分けをしないと。

 正直、捨てるだけ捨てて、あとは知らんぷりをしたいっていうのが本音だが、クラシアがダブルチェックとして確認するから、適当なことができない。

 それがなければなぁ。なんて思う事ばかりだが、仕事なら仕方ないよな。


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